アメリカ陸軍が誇る名作と、個性的な意匠がアメリカ海軍らしいミリタリージャケット。

ミリタリーブランドの第一線で活躍する、バズリクソンズ企画統括を務める亀屋さん。深淵なるフライトジャケットの世界から、汲めども尽きぬ情報の泉を毎号お届けしているが、今回はミリタリージャケットに焦点を当てていただいた。

亀屋康弘|フライトジャケット研究家であり、バズリクソンズの企画統括を務めるミリタリーカルチャーの有識人。数々のヴィンテージを分析し、当時の様々な資料を読み解き、経験から得た膨大な知識でフライトジャケット初心者から玄人まで、塾生たちを導いてくれる頼もしい存在でアリマス

軍パンに合わせたくなるミリタリージャケット。

冷えた室内や電車内でちょっと羽織りたいときに活躍するのが、軍パンとも相性の良い、ライトオンス生地のユーティリティジャケットだ。そこで亀屋さんが選んだのは、アメリカ陸軍と海軍を代表する、4つのアイテムだ。

「ミリタリークロージングの中でも、カジュアルスタイルと親和性の高いのが、この4つのユーティリティジャケットです。まず何と言っても、軽くて通気性がいいのがポイント。厚手のミリタリージャケットに比べて、サッと羽織れてムレにくいから、蒸し暑い日でも快適に過ごせるんです」

しかも、デニム生地やヒッコリー生地は、洗いざらしの風合いがとても魅力的。雨に濡れても気を使わずにガシガシ使えるのがいいところである。むしろ濡れて乾くうちに、生地の表情に、ちょっと味が出てきたりして、服好きにはたまらないエイジングも楽しめそうだ。

「軍物にしては見た目も野暮ったくならず、シャツジャケット感覚で羽織れるので、Tシャツの上からでもサマになりますし、肌寒い日にも適度に防風の役割を果たしてくれます。さらに機能性と軽快さを両立してる上に、着込むほどに表情が増すというのは、まさに梅雨時の相棒にぴったり。雨が多いこれからの季節こそ、こういう素材とデザインのジャケットを選びたいですね」

アメリカ陸軍が誇る名作ワーキングウエア。

左:U.S.ARMY DENIM PULLOVER JACKET

第一次大戦中、米陸軍はブラウンデニムのプルオーバーを作業服としていたが、1919年6月からこのインディゴデニムが採用された。フロントにはパッチポケットをデザインされ、物が落ち難く、且つ物の出し入れが容易に工夫されている。またボックスシルエットのプルオーバー型のデザインはタックインを想定している。(BR15301/2万4200円)

右:U.S.ARMY DENIM WORKINGJACKET

米陸軍が着用していたインディゴデニムのワークコート。このモデルより前に採用されていたのは左で紹介しているプルオーバー型だったが、着脱を容易にする目的で、1940年に前開きのスタイルに変更された。またタックインを想定していないコートスタイルのため、フラップ付きの腰ポケットにアレンジされている。(BR15302/2万4200円)

個性的な意匠がアメリカ海軍らしさを演出。

左:U.S.NAVY DUNGAREE JUMPER

1930年代から米海軍が採用したデニム製のダンガリージャンパーは、汚れを目立たせないためにインディゴ染めの経糸と撚り杢の緯糸を使用。ボタンは工具不要で糸切れの心配がないGカン留めのチェンジボタン仕様。襟は風に煽られにくいショールカラーで、裏地はバイアス使いのため洗うほどに独特のシワと風合いが増す。(BR12744/2万4200円)

右:U.S.NAVY WWⅡ UTILITY HICKORY JACKET

米海軍が第二次世界大戦時に採用したプリズナージャケット。これは敵国の戦時捕虜を艦船内部にある檻に収監する際に着用させたアイテムと言われており、ヴィンテージの個体を元に復刻した。素材はヒッコリーストライプを用いており、海軍のデニムユーティリティジャケットと同様に、ラウンドしたショールカラーとチェンジボタンを採用する。(BR15303/2万4200円)

【問い合わせ】
バズリクソンズ(東洋エンタープライズ) 
TEL03-3632-2321
http://www.buzzricksons.jp

(出典/「Lightning 2025年7月号 Vol.375」)

この記事を書いた人
ADちゃん
この記事を書いた人

ADちゃん

ストリート&ミリタリー系編集者

Lightning本誌ではミリタリー担当として活動中。米空軍のフライトジャケットも大好きだけど、どちらかといえば土臭い米陸軍モノが大好物。そして得意とするミリタリージャンルは、第二次世界大戦から特殊部隊などの現代戦まで幅広く網羅。その流れからミリタリー系のバックパックも好き。まぁとにかく質実剛健なプロダクツが好きな男。【得意分野】ヴィンテージ古着、スケートボード、ミリタリーファッション、サバイバルゲーム
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

Pick Up おすすめ記事

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...