大人になった今また魅力を感じる、ジャパニーズチョッパー>カスタム。
’50年代後半から’60年代、西海岸でカスタムショーが盛り上がりを見せ、美しいドレスアップが施されたカスタムカーに始まり、その流れはバイクや自転車のカスタムにも波及した。
旧いアメリカ映画によく出てくるオールドBMXやクルーザーのカスタムはそんな背景があるわけだが、少し遅れて’70〜’80年代、昭和後期の日本にも写真や映画などをもとに少しずつ情報が伝わっていた。
しかし、当時アメリカの自転車は高級品。映画と同じモデルが日本の少年に広まるはずもなく、国産の子供用自転車を改造した日本流のカスタムが流行した。
静岡県沼津市のエービーズでは、当時をイメージした自転車のカスタムを手掛けている。その主軸は主にGTカスタムとチョッパーの二本柱。それがどんなスタイルなのか、代表の阿部さんに話を伺った。
「当時子供が跨ぎやすいフレーム形状で男の子向けにGTという自転車があって、日本のメーカーが販売していたハンドルやシッシーバーなどのカスタムパーツを使ってできたのがGTカスタムです。また、ロングフォークをつけた自転車のチョッパーも存在しました。想像ですが、鉄工所に勤めるお父さんや親戚がいる子供がお願いして、パーツを作ってもらったスタイルなのではないかと思います。
ただ、自分はリアルタイムでそういう自転車をいじっていた世代より少し下で、先輩から聞いた話や資料を読み取って作っている部分があるので、実際に当時のカルチャーを詳しく知る方がいたら話を聞かせてもらいたいですね」
あの頃の少年の憧れを実現し、昭和日本の自転車カルチャーにロマンを追い求める大人の趣味を楽しんでみるのはいかが?
GT CUSTOM
当時のカスタムパーツ満載のドレスアップ。
フォグランプ付きのデュアルヘッドライトやハブドラムブレーキ、フレームに合わせてリペイントしたチェーンカバーなど当時のパーツが見所。カッパーのカラーリングもクールだ。
昭和の遊びと言えば、チャリと野球!
こちらもノーマルフレーム/フォークを残すGTカスタム。ラッパ型のホーンやバットホルダーなど少年心をくすぐる装備が◎。ホルダーは釣竿なども持ち運びできる便利パーツ。
CHOPPER STYLE
紳士風ジャパニーズチョッパーの作り方。
ロングフォークはヤンチャすぎるという方にはストック同等のリジッドフォークがオススメ。ホワイトレタータイヤやEIRINクランクなど、スポーティなパーツチョイスが憎い!
配色の遊びもチョッパーの醍醐味。
短めのフォークやナローなプルバックハンドルなど、コンパクトなシルエットにバットを備える正統派昭和チョッパー。タイヤとクランクのラインの色を合わせた統一感も◎
クロームメッキとグリーンで統一。
キャンディグリーンのフレームや、スウェードのバナナシートなど、カラーリングを統一したトータルコーディネイト。シートポストにセットしたシフターの操作感も魅力。
少年心を煽るデカールと配色に注目。
小さなフレームをロングフォークでカチ上げたチョッパーは、当時のデカールを残したヤンチャな一台。’70sヴァイブス漂うデュアルヘッドライトなど、通好みなパーツチョイス。
【DATA】
ABE’S
静岡県沼津市井出1-2
TEL055-968-0970
営業/9:00〜18:30
休み/日祝日
https://abejidousha.com/
(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)
Text and photo /Y.Kinpara 金原悠太
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