スタイリッシュでゴージャスな’90年代のクーペ&セダン。

価格高騰を続けるヴィンテージカーの世界。国産旧車もいわずもがな。日々価格は吊り上がっている。そんな中、’90年代のクルマを中心に魅力的な車種とプライスを掲げている千葉のショップがある。その名も「バクヤスオート」。そこは時代を超えた車種がそろう、クルマ好きのパラダイスだった。

掘り出し物に出会える? 旧車愛好家の間で密かに話題のカーショップ。

「バクヤスオート」マネージャー・鈴木健史さん|とても丁寧に対応してくれたマネージャーの清水さん。女性スタッフも多く在籍しており、そのため女性のお客様がひとりで来店することも多いという。入りやすい展示場とクリーンな事務所も◎

今、国産旧車ファン、特にネオクラシック愛好家の間で話題になっているショップがある。それがここで紹介する千葉県の『バクヤスオート』だ。

名前だけ見ると在庫を豊富にストックする大手中古販売店のような印象だが、販売車両をカーセンサーで調べると、’90年代を中心に懐かしいクーペやセダンが次々と出るわ出るわ。名車から珍車、そして絶滅危惧種まで、ネオクラ好きのツボを押しまくるセレクトがされているのである。

そこで取材に伺ったのだが、女性スタッフをはじめ、スタッフの皆さんはとても明るくて丁寧。これはちょっと予想外の展開だ。

スタッフの清水さんに話を伺うと、クルマのセレクトはバイヤーの趣味がかなり影響しているとのこと。「店名を見て『爆安じゃないじゃん』なんて言われることもあるんです」と清水さん。いえいえ、’90年代のクルマでフルノーマル&マニュアルという仕様から判断すれば、十分に安いですって!

1.1998 トヨタ サイノス|今ならカスタムベースとしてもアリ!

’91年に「友達以上恋人未満」のキャッチコピーで登場。’95年のモデルチェンジ後にはTK率いるglobeがCMに出演。名曲「Joy to the love」とともに「アダムとイブをその気にさせた」というナレーションが入る。そう、友達以上恋人未満の関係から発展したというわけだ。当時は女性向けのクーペという印象だったが、今ならスタンス系のベース車両としてもあり。こちらの個体はフルノーマル。うれしい5MT仕様だ。64万円

2.1996 スバル アルシオーネSVX|大胆フォルムのスペシャリティクーペ。

1991年に発売され、今もファンの多い’90年代の名車のひとつ。デザインを担当したのはイタリアを代表する工業デザイナーであるジウジアーロ。特徴的な三次元曲面ガラスが採用した複雑な形状のサイドウインドウなど、今では考えられないくらい贅沢な作りをもつスペシャリティクーペだ。この個体は当時の純正ホイールでもあった16インチのBBSを装着。特筆すべきは 3.3 L 水平対向6気筒エンジンの音。非常に静かでヘルシーなサウンドを聞かせてくれた。そこからも調子の良さがうかがえる1台だ。188万円

3.1996 マツダ MX-6|エンジンはなんとV6搭載。

2023年2月時点、カーセンサーでこのクルマを調べると、現存しているのはバクヤスオートのこの個体のみというまさに絶滅危惧種なマツダ製スペシャリティカー。ノッチバックの2ドアクーペは写真ではコンパクトに見えるかもしれないが、全幅1750㎜という当時にしてはワイドなシルエット。そして最大のポイントは200馬力を発揮するV型6気筒DOHC2500㏄エンジンを搭載している点。日本ではイマイチ影の薄かったMX-6だが、海外では高い評価を得ていたというのも当時のマツダらしいエピソードだ。68万円

4.1996 日産 プレセア|スタイリング際立つ4ドアハードトップ。

流麗なフォルムの4ドアピラードハードトップとして1990年に誕生したプレセアの2代目。取材時は低いルーフによるスタイリングのよさとゴージャスなライトグリーンのカラーリングに、見た瞬間カメラマンともども思わずニッコリ。室内は’90年代のクルマ特有の質感と色味だが、このプレセアにはライトパネルがブルーに発光するマリンブルーメーターを採用。シートにはおそらく当時物のレースカバーがかけられ、フロアマットはプレセアのロゴ入りの純正品。5速MTなのも魅力。そして価格にも注目。38万円

5.1997 ユーノス プレッソ|美しい曲面で構成されたハッチバッククーペ。

’89年に多チャンネル化を行ったマツダ。ランティスやユーノス500、オートザムAZ-1など、この時期のクルマはどれも個性的な物ばかり。今も人気のロードスターだって、元はユーノスで販売されていた。そんな個性派軍団の中の1台がユーノスプレッソ。イマドキのハッチバックスタイルとは異なるスタイリングが魅力の1台。1991年の登場時は世界最小のV6エンジン(1800㏄)ということで話題にも。ちなみにこの個体は直4の1500㏄エンジン搭載モデル。修理歴ナシのワンオーナー物という極上物。59万円

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年4月号 Vol.348」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革ジャン職人が手掛ける、経年変化するレザーハット気にならない?

  • 2025.10.31

気鋭のレザーブランド「KLOOTCH」のレザーハットラインとしてスタートした「Brunel & Co.」独学のレザージャケット作りで磨いた革の感覚を、“帽子”という舞台で表現する──。自らの手仕事で理想の革を探求する職人が辿り着いた、新たなレザークラフトの到達点。 革ジャン職人の手が導く、生...

【J.PRESS×2nd別注】こんなイラスト、二度と出会えない。 著名イラストレーターとのコラボスウェット。

  • 2025.10.21

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【J.PRESS×2nd】プリントスウェットシャツ【AaronChang】 アメリカにある優秀な8つの大学を総称して...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...

「BILTBUCK」の2025年は新素材によって既存モデルを再解釈した革ジャンに注目だ!

  • 2025.11.03

伝統と革新を往来しながら、レザーの魅力を追求するビルトバック。2025年のコレクションは、オリジナルレシピで仕立てた渾身の新素材によって既存モデルを再解釈。質感と経年変化、レザーの本質的な美学を磨き上げ、洒脱な大人たち〈Hep Cats & High Rollers〉へ贈る、進化であり深化の...

渋谷、銀座に続き、ブーツの聖地「スタンプタウン」が東北初の仙台にオープン!

  • 2025.10.30

時代を超えて銘品として愛されてきた堅牢なアメリカンワークブーツが一堂に会するブーツ専門店、スタンプタウンが宮城県仙台市に2025年9月20日オープン! 東北初となる仙台店は北のワークブーツ好きたちにとって待望の出店となった。 珠玉の銘品たちがココに揃う。 ブーツファンが待ち焦がれた東北エリア初となる...

Pick Up おすすめ記事

“黒のコロンビア”って知ってる? オンオフ自在に着回せる、アップデートされたコロンビアの名品を紹介!

  • 2025.10.21

電車や車といった快適な空間から、暑さや寒さにさらされる屋外へ。都市生活は日々、急激な気温差や天候の変化に直面している。実はその環境こそ、自然で磨かれた「コロンビア」の技術が生きる場だ。撥水性や通気性といったアウトドア由来の機能を街に最適化し「コロンビア ブラックレーベル」は、都市生活者の毎日を快適に...

革ジャン職人が手掛ける、経年変化するレザーハット気にならない?

  • 2025.10.31

気鋭のレザーブランド「KLOOTCH」のレザーハットラインとしてスタートした「Brunel & Co.」独学のレザージャケット作りで磨いた革の感覚を、“帽子”という舞台で表現する──。自らの手仕事で理想の革を探求する職人が辿り着いた、新たなレザークラフトの到達点。 革ジャン職人の手が導く、生...

【土井縫工所×2nd別注】日本屈指のシャツファクトリーが作る、アメトラ王道のボタンダウンシャツ発売!

  • 2025.10.07

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! トラッド派には欠かせない6つボタンのBDシャツ「6ボタン アイビーズB.D.シャツ」 アメリカントラッドを象徴するア...

生きたレザーの表情を活かす。これまでになかった唯一無二の革ジャン、「ストラム」の流儀。

  • 2025.10.30

生きたレザーの質感にフォーカスし、“バーニングダイ”をはじめとする唯一無二のレザースタイルを提案するストラム。我流を貫き、その意思を思うがままにかき鳴らすことで、オリジナリティを磨き上げる孤高のレザーブランドだ。デザイナー桑原和生がレザーで表現するストラムのモノ作りの哲学、彼が革ジャンを通して描き出...

進化したSchottの定番、冬のレザースタイルはこれで決まり!

  • 2025.10.30

アメリカンライダースの象徴であるSchottが、原点回帰とも言える姿勢で“本気”を見せた。伝統のディテールに、現代的な技術と素材を融合。武骨でありながらも軽快、クラシカルでありながらも新しい。進化したSchottの定番が、冬のレザースタイルを再定義する。 668US SPECIAL HORSEHID...