‘80年代VMXのカッコよさと野暮ったさをリアルに表現。
1978〜2021年までの43年間、基本的な構成を変えることなく発売され続けたヤマハのSR400は、シンプルなスタイルでカスタムベース車両としても人気が高い。BRAT STYLE TOKYOの三枝さんが自分の愛車用にカスタマイズした一台は、遊びゴコロに溢れたエイジング加工が施され、’80年代ヴィンテージトレールのような雰囲気を滲ませている。
1978 YAMAHA SR400 VMXのディテールを拝見!
人気カスタムショップ「ブラットスタイル」の東京店で店長を務める三枝賢さんの愛車は、ヤマハのSR400のヴィンテージモトクロッサー仕様。タンクやフェンダーなどにリアルなエイジング加工が施され、昔から走りこまれたような趣きがある。
「’80年代のヴィンテージトレールを意識して、『野暮ったカッコよさ』を目指しました。草レースで使い込んで遊び倒したような雰囲気を出したかったんです」
キッカケとなったのは、「A.C.T.S.(アクツ)」の愛称で親しまれた伝説的ヴィンテージモトクロスイベントだった。空冷エンジンでツインショックのマシンによるレースがメインのイベントだが、競うのではなくて楽しむことを目的としており、比較的レギュレーションもユルかった。
「遊びでレースに出ようという話になったんです。ホンダのXLとかヤマハのDTとかの選択肢もあったんですが、当時はSRでV MXをやっている人がいなかった。カスタム屋だからSRで作ったらおもしろいかなって(笑)」
特にエイジングにこだわり、新たにペイントした外装を手作業で、擦れやヤレをリアルに表現した。
「よく林道に走りに行っています。ほどよいエイジングと実際のMX遊びでいい雰囲気になりました」
外装にはショップ代表の高嶺剛さんがペイントし、Sketchさんによるレタリングを施した。ステッカーなどで装飾した上から、三枝さんが手作業でエイジング加工している。やり過ぎないことが大切で「ワザとらしい加工はバレるとカッコ悪い(笑)」とのこと。実際に使用しているような風合いをリアルに再現している。
保安部品はハンドル下にクランプミラー、スタイリングを壊さない小ぶりなラバーウィンカーを装着し、公道も走れる仕様にしている。
セキュリティはクサリと南京錠を使用してワイルドな雰囲気に。予備のプラグホルダーには、2本のプラグを常備している。
遊びゴコロでブラットスタイルオリジナルのシーサーテールランプを装着。
シート下はバッテリーレスでスッキリとした見た目を演出。リアサスはオーリンズ製を装着している。
【DATA】
BRAT STYLE TOKYO
東京都北区赤羽北1-25-23
03-5948-5538
営業/土・日曜
https://www.bratstyle.com/
(出典/「Lightning2023年2月号 Vol.346」)
text/T.Morita 守田二草 photo/S,Ise 伊勢悟
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