一つひとつ手仕事で生まれる、至極のシルバーアクセサリー。
1.下書きをする。
まずはシルバーの板に、フェザーの形を描いていく。素材に使用するのは5%の銅を含んだ銀合金「シルバー950」。美しい色味が特徴的だ。
2.糸ノコで切り出す。
シルバーに描いた線に沿って、糸ノコで切っていく。驚きなのはそのスピードと正確さ。あっという間に、フェザー(の原型)が出来上がった。
こちらが切り取られたフェザー(の原型)。奥に見える針金のようなものは、フェザーの中央を走るシャフトとなる銀の丸線。
3.シャフトを削る。
シャフトとなるシルバーの丸線の先端をヤスリで削り、尖らせていく。ここまでの所要時間、わずか数分!
4.ヘアピンのように曲げる。
先端を尖らせたシャフトをぐっと曲げ、ヘアピンのような形状を作る。
5.シャフトを本体に挟む。
曲げたシャフトを、先ほど板から切り離した本体部分に挟み込む。おお! だんだんフェザーの形になってきた!
こちらが挟み込んだ図。まだなんの装飾も施されていない“のっぺらぼう” 状態。ここからどう変化していくのか?
次に取り出したのは、銀色の棒状のモノ。これは一体……?
6.本体とシャフトを接合する。
その正体は「銀ロウ」と呼ばれるもの。金属と金属との接合に使うロウ付け素材で、その名の通り銀を含む合金がベース。熱して溶かして使用する。これで本体とシャフトを接合する。
まだまだ“のっぺらぼう” は変わらないが、心なしかフェザーに近づいた感じ。これから、いよいよフェザーに命を吹き込んでいく。
7.松ヤ二を使い固定する。
松ヤニで固めた作業台にフェザーをセットする。バーナーで松ヤニを熱し、軟らかくなったところにフェザーを埋め、固定する。
8.タガネで彫っていく。
タガネを用いてフェザーの毛を1本1本スピーディかつ丁寧に彫っていく。フェザーの完成度を左右する重要な部分。職人技が如何なく発揮される。
力の入れるところ・抜くところを作ることで「生きた線」を意識しながら彫っていく。代表の伊藤さんいわく“心で彫る”。技術だけではなく、こうした姿勢こそが名品を生み出すのだ。
9.糸ノコで立体感を出す。
本物のような“リアリティ” を出すために、糸ノコでフェザーに切れ込みを入れ、そのエッジを丸めて立体感を出していく。
毛も彫り終わり、切り込みの立体感も出て、遂にフェザーのカタチが完成! あとはシルバーの輝きを加えるのみ。待ち遠しいぜ!
10.磨く。
フェザーの細やかな毛の間をきれいに磨くため、「磁気バレル」と呼ばれるマシンに入れ、磁石の力で磨いていく。取り出してみると、ご覧の通りきれいになった!
11.バフ掛けする。
次は最終仕上げの「バフ掛け」の工程。高速回転するフェルト製のバフに当てることで、シルバー特有のピカピカな光沢が現れる。
完成!
遂に完成! この細やかで有機的な線やリアルな立体感を見ていると、いままさにイーグルが落としていったフェザーのような錯覚に陥る。このリアリティと力強さ、圧倒的な美しさこそが、ファーストアローズの真骨頂だ。
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FIRST ARROW’S HARAJUKU
東京都渋谷区神宮前4-31-4-2F
TEL 03-3479-8818
http://www.first-arrows.com
Text & Photo/T.Ogawa 小川高寛
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