ヴィンテージのゴルフグッズにも価値がある? 中古市場の相場が知りたい!

趣味性の高いスポーツとして知られるゴルフの世界。その歴史は旧く、必然的にヴィンテージのゴルフグッズの市場が形成されているのだが、まだその価値相場は未知数。そこで、今回はゴルフ専門誌「EVEN」で活躍するスタイリストの中村祐三さんのコレクションをもとに、現在のヴィンテージゴルフグッズの相場を探ってみようと思う。

スタイリスト・中村祐三さん|ファッションエディター永尾将宗に師事しスタイリストとして独立。本誌Lightningや兄弟誌2nd、ゴルフ専門誌EVENなどの雑誌やカタログ、広告、Webサイト、著名人やアーティスト等の衣装製作・スタイリングなど様々で活躍。ゴルフグッズ収集の熱は冷めやらず、その模様は[email protected]にて日々アップ中!

価値基準ははっきりと決まっていない、未知数なゴルフグッズの中古市場。

今回掘り下げるのは紳士のスポーツと呼ばれる「ゴルフ」のグッズ。ちなみに何故“紳士のスポーツ”と呼ばれるか、それはゲーム中には審判が存在せず、自分でペナルティを与え、どうすればルールに沿えるのか自分で判断するというのが所以である。

ゴルフの世界は他の競技に比べ、使用するギアが多い。ゴルフシューズにゴルフボール、ティー、そしてゴルフクラブだ。そして必然的に道具を収納するキャディバッグや、さらに服装もゴルフ場ごとに定められたドレスコードに従う必要がある。

そういった観点からゴルフグッズを観察すると、やはり野暮なものは少なく、洗練されたアイテムが多いことに気付く。

今回協力いただいた中村さんに、ヴィンテージゴルフグッズの魅力を聞いてみた。

「ある日、アイオワ州立大学のゴルフバッグと出会ったことから、ヴィンテージのゴルフグッズを収集するようになり、それ以来、私の事務所はグッズ置き場と化しています(笑)。ヴィンテージの魅力はやはりレトロな佇まい。まだまだ価値相場は未知数ですが、ファッション感覚で集められるのもいいですね」

ヴィンテージゴルフグッズの市場価値を知る!

ヴィンテージのゴルフグッズ市場はまだまだ未知数の世界。旧い物やレアな物など、その価値基準が世間一般にそこまで浸透していない。とはいえ、旧いプロダクツを見るとそのレトロな佇まいに心が動かされる。新しく収集する人にとってはブルーオーシャンの市場と言えよう。

百聞は一見に如かず。中村さんのコレクションから、相場観を探ってみよう。

1987s IOWA STATE(MACGREGER)

1858年に設立されたアイオワ州立大学。そのゴルフチームが‘80年代に使用していたオフィシャルのキャディバッグ。「このキャディバッグに出会わなければ現在のコレクションは無かった」と中村さんに言わしめた逸品。カレッジ物のゴルフグッズはレアだ。本人的には非売品にしたいぐらいだが、あえて相場を付けるなら4万8000円ほどの価格帯だそう。

1970s TRAVEL GOLF BAG(GOLF’N GO)

嘘か誠かの前置きは付くが、中村さん曰く「元々の持ち主さんはこれを帝王ジャック・ニクラウスからもらったそうです」というエピソードがある。こちらはトラベル用のキャディバッグで、移動時はコンパクトにまとまり、ゴルフコースに出たらバッグを裏返してキャディバッグとして使える。ちなみにアバクロVer.も存在するそう。相場は4万8000円ほど。

1980s FRAME WALKER(MIZUNO)

スポーツメーカーのミズノが、バッグブランドの木の庄帆布とタッグを組んで現在も生産されるフレーム・ウォーカーシリーズ。その初期モデルのスタンド式キャディバッグ。ナチュラルなキャンバス生地とネットポケットの佇まいは、フィッシングバッグを彷彿させる。汚れなども加味して相場は2万8000円程度だそう。

UMBRELLA FOR GOLF BAG(DRIZZLE STIK)

持ち手がゴルフクラブのグリップになっている、コンパクトサイズの傘。実はキャディバッグ専用の傘となっており、開くと画像の通りキャディバッグに差し込みゴルフクラブを雨から守るのだ。年代は不明だがこちらのアイテムは現在でも販売されている。ヴィンテージ市場での相場観は3800円ぐらい。

1980s BOSTON BAG(MITSUSHIBA)

中村さんがイギリスのヴィンテージゴルフ市場から輸入したというミツシバ製のボストンバッグ。日本名の名前だが実際は米国のゴルフ市場を中心にゴルフクラブなどを販売する、台湾籍のメーカー。ゴルフウエアを上段に収納でき、下段はゴルフシューズを収納可能。相場は1万2800円ぐらい。

1980s~1990s GOLF BAG(MCM)

1976年にドイツ・ミュンヘンにて創業したMCM。日本ではバブルの時代に大流行したこともあり、50歳以上の読者諸兄にとっては懐かしいアイテムでもある。ブランドのネームプレートに“MIYAKO” と名前が刻まれていることから、当時名前入れのサービスがあったようだ。セレブ感漂う佇まい故に市場でも高値が付く。こちらは6万8000円ほど。

1990s L:WEAR BAG & R:CART BAG(L:POLO GOLF & R:POLO SPORTS)

ポロ ラルフ ローレンが展開するポロゴルフとポロスポーツ。ポロゴルフはその名の通りゴルフラインで、ポロスポーツはスポーツの歴史を反映させたラインとなっている。“ザ・’90s” テイストなデザインが魅力。球数は多いので相場は2500円〜5000円程。左はゴルフウエアなどの収納バッグで、右はプレー中に持つカートバッグだ。

1980s SOUVENIR(JUPA)

マスターズ・トーナメントは、アメリカ・ジョージア州にあるオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブを会場に開かれている、ゴルフ4大メジャー選手権のひとつ。こちらは大会のお土産の傘と思われるが、日本洋傘振興協議会(JUPA)のパテントタグが付くことから日本製とわかる。開催地を図案化したデザインが秀逸。相場は1万2800円ほど。

1990s KID’S GOLF BAG(DUNLOP)

ダンロップが展開するゴルフブランドであるMAXFLI(マックスフライ)の子供用キャディバッグ。当時は子供用のゴルフクラブとセットで販売されていたようだ。経年変化によりネイビーのナイロン部分が俗に言う“ナス紺” へと変化している。相場は9800円ぐらい。

GOLF BALL RETRIEVER(MADEWELL)

70年以上に渡り高品質のゴルフ製品とアクセサリーを製造しているメイドウエル社。そこが展開するバッグシャグと呼ばれるこのアイテムは、ゴルフ練習中のゴルフボール回収装置。ゴルフボールを繰り返し拾うと腰椎に負担が掛かるため、屈まずに回収できるよう誕生した。メイドインU.S.A.。現在でも販売されるため、ヴィンテージ市場価格は7500円ほど。

1996 GOLF BAG(BELDING SPORTS)

伝説のNBAスーパースターであるマイケル・ジョーダンが所属していた、シカゴ・ブルズデザインのキャディバッグ。ちなみにジョーダンは大のゴルフ好きとしても知られており、“The Grove XXIII(ザ・グローブ23)” というプライベートゴルフコースを所有している。そんな因果も加味して、ヴィンテージ市場では12万8000円という高値が付く。

1988 GOLF BALL BAG(DUNLOP)

ダンロップが展開するMAXFLI DDHというゴルフボールブランドのゴルフボールバッグ。ダンロップはイギリスのブランドだけに、中村さんもイギリス在住の持ち主から直接購入したという。ボールを拭く道具付き。相場は1万5800円ほど。仮面ライダーのような配色がお気に入り。

1990s UMBRELLA(POLO GOLF)

ポロゴルフが販売していた傘。ゴルフは基本的に雨天でもラウンドをプレーするので、大型の傘を各ゴルフブランドが作ることが多い。シックなデザインとなっているので、普段使いでも使えそう。市場価格は9800円ぐらい。ちなみに中村さんはゴルフ用の傘も多数収集しているそう。

1970s GOLF BAG(MACGREGOR)

1897年に創業したマグレガー社。創業当初は靴木型製造会社であったが、その技術を生かしゴルフクラブの製造業にシフト。次々と技術革新に取り組み、ゴルフシーンのトップブランドに成長する。こちらのキャディバッグは1970年代のもの。クラシカルな佇まいに歴史を感じる。相場は2万8000円程。

1980s GOLF BAG(YAMAHA)

楽器や音響機器、スポーツ用品、半導体、自動車部品などを製造販売するヤマハ(オートバイのヤマハ発動機は二輪部門が独立して誕生)。そのヤマハゴルフのキャディバッグ。シンプルで男らしい佇まいに心惹かれ中村さんは購入。相場は入手しやすい3800円ぐらいのロープライスだ。

いかがだったでしょうか? 中古ゴルフショップとはまた違うヴィンテージゴルフグッズの価値基準。これからどのように成長していくか楽しみなところ。実際こんなアイテムを持ってコースに出たら注目の的になれるかもしれない。

(出典/「Lightning 2021年2月号 Vol.322」)