絶滅危惧?! 旧きよき時代が生んだ金張り眼鏡フレームの普遍性と魅力とは?

  • 2021.10.24  2020.10.06

1980年代頃を境に数が激減したという金張りのフレームは、独特の雰囲気を宿す色褪せないプロダクトの代表格。グローブスペックスの岡田哲哉氏が厳選する古今東西の傑作からその知られざる真の魅力について検証する。

お話を伺ったのは・・・「グローブスペックス」代表・岡田哲哉さん

大学卒業後、都銀勤務を経て、大手眼鏡販売会社に入社。1998年にグローブスペックス設立。代官山の店舗がアイウエアの国際展「MIDO」にて眼鏡店世界一としてベストアワードを受賞した。

年代を経て自然と発するくすんだ金の趣。

国内屈指のアイウェアのスペシャリストとして、その名を広く知られているグローブスペックスの岡田哲哉氏にアイウェアのエイジングに訊ねると、このような答えが返ってきた。

ヴィンテージのフレームを完璧な状態でレストアすることで知られている、ザ・スペクタクルのコレクション。上から順に/7万1000円、12万1000円、12万1000円

「まず第一に言えることは、メガネの世界で経年変化がポジティブな印象として受け入れられることはあまりないかと思います。なぜなら、レンズはさておき、フレームは消耗品であってはなりません。着用していく中で曲がってしまったり、汗で酸化してしまうことは、どちらかと言えば、ネガティブな話に聞こえるものです。そんな中、経年変化がプラスに捉えられるのが、“金張りのフレーム”でしょう」

ヴィンテージで見かけられるブリッジの彫金。第一次世界大戦後に職を失ったジュエリーの職人たちが腕をふるって施したもの

仮に未使用のデッドストックであっても自然と金属の色味がくすむ金張りのフレームは、ギラつきがなく、むしろ落ち着いた印象を与えてくれる。

「かつてはポピュラーなスタイルであった金張りのフレームは、生産コストの都合上、ほとんど作られることがなくなりました。私のブランドであるザ・バラックスでもヴィンテージ特有の雰囲気を再現しようと試みたところ、非常に手間がかかりました。時間をかけて何度も作り直すことで、ようやく納得がいく仕上げに辿り着くことができました」

ザ・スペクタクルのコレクション。金張りのフレームはその中でも特別な存在として珍重され、さまざなスタイルが展開。今の時代にはない雰囲気が味わえるのが醍醐味である。46万7400円

個性重視で選ぶならフィンチという選択もアリ。

主に老眼鏡として使われていたフィンチ(鼻メガネ)にも金張りフレームが存在する。今の時代のアイウェアでは見かけられない、テンプルがないデザインが個性的に映る。こちらに並ぶヴィンテージの品々は、岡田氏が先日海外を訪れた際に入手したもの。旧い書物を彷彿させる独特の眼鏡ケースも、このフレームに勝るとも劣らない雰囲気を放っている。

実際にフィンチを掛けるとこのようになる。完全な実用品として作られたアイテムではあるが、今ならアクセサリー感覚で楽しむのが正解だと言える。

岡田氏が手掛けるグローブスペックスではヴィンテージのフィンチの購入が可能である。こちらの2点はいずれも金張りフレーム。ブランド名は不明とのことだ。ディテールのバリエーションが豊富なので自分好みの一本を探し出そう。各2万5000円

ミリタリースタイルを踏襲する日本発のプロダクトとは?

岡田氏が自らデザインを手がけるザ・バラックスは、1940~70年代にかけてアメリカ軍に支給していたヴィンテージフレームをモチーフに展開するブランド。いつの時代でも色褪せないタイムレスなプロダクトを発信している。デザインの対象は、新人から上級士官が愛用したものまで実に幅広い。

THE IRONSIDE 各3万円

THE DIXIE 各3万円

こちらの新作2型は、1960年代の金張りフレームの色味に近づけながら、サイズをコンパクトに設定することでオリジナルと異なるバランスに仕上げている。

岡田氏がザ・バラックスの金張りフレームを開発するために参考にしたサンプル。1960年代当時の雰囲気が何よりの魅力である

近年、あまり注目されてこなかった金張りメガネだが、いま見ると実に新鮮。どんなファッションに合わせるか、なかなか楽しいプロダクツだ。

【問い合わせ】
BALL Watch Japan 
TEL03-3221-7807
http://www.ballwatch.com

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning 2017年12月号 Vol.284」)

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