僕にとってのメモ帳は外付けハードディスクのようなものです。
スラム街などの危険地帯に躊躇なく入っていき、体当たり取材をする危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレスさん。彼の大切なモノは、当然のごとく取材用のメモ帳だ。
「録音したりコンデジで撮影もしているんですが、物書きなのでメモを見ながら構成して執筆するので取材メモは必須です。メモの内容を見れば話が弾んだとか、内容が薄かったとか取材の取れ高もわかりますしね」
では、メモ帳にはどんなことが書かれているのだろうか。
「固有名詞や質問内容、次にやること、キーワードとかですね。地元の人の会話から聞こえてきたこととかもメモします。意味があろうとなかろうと書いていくので、とりとめがないんですけど。そういうメモを帰りの飛行機やホテルで見返して、さらに書き足したり整理したりするんです。だからお金を盗まれるより、このメモ帳をなくすほうがキツいです」
使っているのは、A7サイズのメモ帳。
いろいろ試した結果、手のひらにすっぽりと収まり、ゴムバンドが付いているものにたどり着いた。筆記具はかっこつけたいときにパーカーの万年筆を使うんだそう。撮影するとデータ化できるコクヨの「CamiApp(キャミアップ)」のほか、無印良品のものがラインナップ。「パーカーは雨具」「タバコ吸ってると『一本くれと言われる』」……ニューヨークあるあるネタなんてメモも。
ほぼ儀式的に旅先に持って行くモノ、買ってくるモノ。
ブックバンド
最近見かけなくなったブックバンド。本を何冊か持って行くときはこれに束ねていく。「これがなくなったらショック大」とゴンザレスさん。’80年代のカレッジを思い出させる品なんだそう。
旅先で買ったTシャツ
訪れた国のTシャツは毎回購入。現場じゃないと買えないのと、なるべくダサくて変わったプリントのものを選ぶのがこだわり。
無印良品のフックハサミ
フックが付いているので画鋲などに引っ掛けて、常備薬などをネズミに食べられないようぶら下げたりするために使用。
現地で手に入れたガイドブック
ローカルのガイドブックや地図は見ているだけで面白い。「地元の人がPRしたい場所がこれでわかるんです」
G-SHOCK
飛行機の中で時計をセットすることで日本を離れる儀式をするので、タフということもありG-SHOCKを愛用。
小さな栓抜きと爪切り
栓抜きや爪切りなどの現地になさそうな小物類は持って行く。コインはお守り代わりに現地で購入した。
(出典/「Lightning 2019年5月号 Vol.301」)
Text/M.Matsumoto 松本めぐみ Photo/Y.Roppongi 六本木泰彦