スポーティな電動アシスト自転車がじわじわと浸透している。
街中で親が子供を乗せて走っているような普通の電動アシスト自転車は市民権を得ているけれど、スポーツ電動アシスト自転車の存在を知る人はまだまだ少ない。ただ、最近国内外のスポーツ自転車を製造するメーカーが本格的なe-MTBをラインナップに加えていることもあって、少しずつではあるけれど国内でも浸透し出した感はある。
そんなスポーツ電動アシスト自転車の実力を知るべく、普段ロードバイクに乗っている制作スタッフとともに東京都新宿区矢来町にある事務所からロングウッドステーションまでYPJのCROSSCORE RCで往復した動画があるので、スポーツ電動アシスト自転車が気になった人はぜひそちらを見てほしい。
やっぱり体感してみないとわからない。
YPJファンミーティングの一番のコンテンツはYPJシリーズの試乗で、YPJ-MT Pro、YPJ-XC Final Edition、WABASH RT(ワバッシュRT)、CROSSCORE RC(クロスコアRC)に乗ることができ、コース内にはオフロードを想定したアップダウンも設けられていてた。
車両展示は、WABASH RT、CROSSCORE RC、CROSSCORE Connected、YPJ-XC Final Edition、YPJ-MT Proの5台に加えて、昨秋のジャパンモビリティショーで披露されたコンセプトモデルY-00Z MTBとY-01W AWDの2台も展示されていた。Y-00ZMTBはMCから由来する技術を用い、オフロードMTBライディングにおいて効果を発揮する機能をふんだんに搭載しeMTBで表現。
Y-01W AWDはクランク部だけでなくフロントハブにもモーターを搭載した二輪駆動方式のグラベルバイク。バッテリーも二基搭載することで雪上や砂浜等場所を選ばず、より遠くへの冒険に誘ってくれそうなコンセプトモデルだ。残念ながら2台とも発売に関するアナウンスは一切ないので、そちらの期待はしないほうがよさそうだ。また、新しくなったWABASH RT、CROSSCOREシリーズに搭載されるコンパクトになったドライブユニットも展示されていた。
YPJで日本一周をしてきた藤原かんいち & ヒロコ夫婦もブースを出展し、日本一周の模様を伝えるとともにYPJの魅力を伝えていた。
パラソルの下にテーブルとイスが置かれたYPJオーナーのための休憩スペースが設けられていて、愛車で来場したオーナーのためにサイクルラックのある駐輪スペースも確保されていた。
今年の初夏、横浜・みなとみらいにオープンした体験型ショールーム“Yamaha E-Ride Base”の出展もあり、そこではYPJのある生活をイメージした空間が作られていた。
スローライフを実感できるスポーツ電動アシスト自転車でのツーリング。
今回、新宿区矢来町にある事務所スタートでCROSSCORE RC2台で千葉県にあるロングウッドステーションを往復した。行きは時間優先で両国駅から本千葉駅までB.B.BASEを利用し、帰りは全行程を自走。トータルで走った距離は、約97km。
今回我々が乗ったCROSSCORE RCは、9段変速のできる電動アシストクロスバイク。アシストモードはハイ、スタンダード、エコ、プラスエコの4段階で、そのうちのハイ、スタンダード、エコを走行状況に応じて、ライダーの要求に合わせて自動で変えるオートマチックの5モードからセレクトできる。
平地であれば、アシストが切れる24km/h以上でほぼ走ることができ、元気なうちは発進からそこまでエコモードで十分なアシスト感があった。ちょっとした上り坂ならスタンダードで十分で急な上り坂でのみハイモードを使った。ヤマハ車のアシストの特徴はどんな状況からペダルを踏んでも違和感がないこと。
積極的に“アシストしてます!”とアピールしてくるのではなく、自然にサポートしてくれる感じなのだ。なので、アシストのない自転車と変わらない感覚で乗ることができ、急な上り坂以外は“なんかペダル軽いな〜”という印象となる。
バイクにも乗ってツーリングもするんだけれど、バイクより移動速度が遅い自転車は、より多く周りの情報が飛び込んでくる。道端の小さな花や街道沿いの渋い食堂の陳列棚、そんなクルマやバイクで移動していると見すごしてしまうモノに一喜一憂してしまうのだ。景色なんかもバイクで走っている時よりゆったりと楽しめる。
確かに、長距離を走るには時間がかかるけれど、休憩を取りつつ走れば、激しいアップダウンがあってもアシストのおかげで辛くはない。今回、ベストな場所から夕日を拝めたのも気軽にどんなところへも入っていける自転車だったから。とにかく走っているだけで、いろいろな感動に心動かされた1日だった。今回、実際に100km近く走り終えてスポーツ電動アシスト自転車でのツーリング、これからもっと楽しもうと思うに至った。