クラシカルなフォルムと現在にはないデザイン。
清水川氏がシューズの世界へと足を踏み入れたのは10代の頃、神保町にある靴専門店「ミマツ靴店」に販売員として入社したのが彼の靴人生の始まり。徐々に靴好きとしての頭角を表し始めた清水川氏。コレクションし始めたのはアメリカのヴィンテージドレスシューズだったという。
「昔のアメリカのカタログを見るとコンビネーションのデザインが多いんですよね。そのほかいろんなデザインが無数にあって、そこに面白さを感じ、ヴィンテージドレスシューズを集めるようになったんです。もちろんマイサイズが中心。ただそのほとんどがデッドストックばかりだったので履くのに勇気が必要ですよね」
コレクションしながら、自分で作りたい願望が芽生えるまでそう時間はかからなかった。デッドストックだから履けない。サイズが細すぎて履けない。そんなフラストレーションが自分で作る側へと奮い立たせたのはいうまでもない。
「このシューズは自分用にオーダーしたものでカーフの色に合わせてスウェードを選んだこと、そしてソールのホワイトステッチとのバランスが好きです」
ブラウンのカーフに合わせてスウェードを選んだオールドアメリカンスタイルのUウィング。ヴィンテージのシューズと同じくライニングのサイドに付けられたブランドネームに小窓が装備されていたり、オリジナルのヒールなど、細かなこだわりが詰まっている。
(出典/「CLUTCH2024年5月号 Vol.95」)
Photo by Nanako Hidaka 日高菜々子 Text by Tamaki Itakura 板倉環
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