Stevenson Overall Co.デザイナーの多賀谷さんが選ぶ、俺視点の古着やアンティークたち。Vol.04

ヴィンテージやアンティークと呼ばれるアイテムは、現代のプロダクツでは味わうことができない風合いだけでなく、まだ技術が未熟だった時代のクラフト感やアナログな時代ならではの良さがある。

いわゆるアンティークの世界ではいろいろなカテゴリーで価値基準がある程度確立されたはいるけれど、そんな世間のものさしではチョイスしないのがデザイナー。

新しいモノでも旧いモノでも自分目線のものさしを大事にしているスティーブンソンオーバーオールのデザイナーである多賀谷さん。彼の古着やアンティークの選び方は、その独特な審美眼も含めて参考になる。

多賀谷強守さん|機能服として生まれたヴィンテージのワークウエアやミリタリーウエアに、もしデザイナーが存在していたらという世界観をプロダクツに落とし込むStevenson Overall Co.のデザイナー。独特なセンスと縫製仕様にまでこだわりを持ったアイテムたちは、日本のみならず世界でも高い評価を受けている。http://www.soc-la.com

センスを超越した配色や凝った作り込みは惹かれる要素。

1980~1990s All Over Pattern Shirts 
総柄の半袖シャツといえばレーヨン素材のアロハシャツがメジャーだけど、オーバーサイズの半袖シャツが着たくて探していたところ見つけたのがこれ。’80~’90年代のデッドストックで見つけたアメリカ製のシャツで、コットンのボディにご覧の配色。こういった配色や柄はアメリカ人でなければできない組み合わせ。そこが購入のポイント。

 

Vintage Work Pants 
ショップで見かけたときに「何これ?」と思ったほど薄汚れた生地が気になったワークパンツ。聞けば、この汚れは元々穿いていた人の使用によるものではなく、ハリケーン・カトリーヌによって水没したためにこのような状態になったというストーリー。偶然で生まれた風合いは理屈抜きに「買い」案件。これを買い付けてきたバイヤーもスゴイけど。

 

US Air Force Air-To-Ground Recognition Jacket
ミリタリーウエアももうはや定番といえるフライトジャケットやファティーグシャツではそこまで惹かれない。これはベトナム戦争時代のもので、スナップボタンのカーディガンタイプながら、前後で思いっきり切り替えた前面のレスキューオレンジの強烈な発色がポイント。もともとは空軍のグランドクルーやデッキクルーが視認性を高めるために羽織るものらしい。

 

Old Vans Sneaker 
名古屋の古着店で見つけた記憶がうっすらとある、ヒールパッチにバン・ドーレン(創業者)の表記が入る旧いVans。アッパーにずいぶんと派手なデザインの生地を使っているなと思いよく見ると、ハワイアンファニチャーの張り地などでよく見かける生地を使っていることが判明。この柄に夏を感じて手に入れたけれど、実際はあまり履く機会がないままだったりする。

 

Tiffany&Co. OMEGA Seamaster DE VILLE
ティファニーはいろいろな時計ブランドに発注をしていたことで、いわゆるダブルネームと呼ばれるモデルが数多くあることを知って、一時期そんな時計ばかりを探していることがあった。これはそのときに手に入れたひとつ。もともとはそれほどカッコイイ時計ではなかったけれど、ベルトをクロコダイルでオーダーしたところイイ感じに。

 

Red x White Reversible Hat
年代不明だけれど、なかなか旧い時代を思わせるハット。リバーシブルになっていて、強烈なのがレッドxホワイト面。B面はホワイト一色で、ホワイト部分はダック、レッドの部分はツイルと生地も使い分けているという凝った作り込みは現代ではなかなか成立しないであろう。織りネームも無いので当時のビーチハッチかセーラーハットではないかと推測している。

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

100本限定生産の「エイトG」大戦モデルは、春にぴったりの履き心地とメリハリのエイジング

  • 2026.04.02

無骨なまでに肉厚なデニムで知られるエイトG。その中でも比較的穿きやすく、この時期にぴったりの一本が、第二次世界大戦期のディテールを落とし込んだ大戦モデルだ。特濃インディゴで染め上げた糸ならではの、メリハリの効いたエイジングは、自分だけの一本になること間違いなしだ! ワイドシルエットが生む、クラシカル...

「バンソン」のタフネスを、春夏へ。伝説の映画『EASY RIDER』とのコラボアイテムにも注目だ

  • 2026.04.02

バイカーブランドの代名詞、VANSON。今春は軽やかな布帛アイテムでイージーな装いを提案。そして伝説の映画『EASY RIDER』とのコラボレーションも登場。自由なスピリットを、そのまま服に落とし込んだラインナップを紹介する。週末のライドにも、街の散歩にも、着ることで体感できるフリーダムさを、VAN...

開襟シャツに刺繍入りジャケット……老舗デニムブランドが提案する、春夏のアメカジスタイル。

  • 2026.04.01

老舗デニムブランドであるステュディオ・ダ・ルチザンが提案する、春夏のアメカジスタイル。定番ジーンズからHBTのワークセットアップ、開襟シャツや刺繍入りジャケットまで、軽やかな素材と遊び心あふれるディテールで、春夏の装いを彩る。 [5743]ボーリングシャツ 1950年代のヴィンテージ・ボーリングシャ...

Pick Up おすすめ記事

これまでで一番“アイビー”なクラークス誕生! 2026年春夏の新作にペニーローファーやボートシュー ズも登場

  • 2026.04.27

「クラークス」が2026年春夏の新作として発表した「デザートアイビーコレクション」。ブランドのアイコンである[デザートブーツ]や[ワラビー]、[デザートトレック]はアイビーらしい配色に落とし込まれ、アイビーの定番靴であるペニーローファーやボートシューズも顔ぶれに加わる。英国、アメリカ、日本。各国のカ...

100本限定生産の「エイトG」大戦モデルは、春にぴったりの履き心地とメリハリのエイジング

  • 2026.04.02

無骨なまでに肉厚なデニムで知られるエイトG。その中でも比較的穿きやすく、この時期にぴったりの一本が、第二次世界大戦期のディテールを落とし込んだ大戦モデルだ。特濃インディゴで染め上げた糸ならではの、メリハリの効いたエイジングは、自分だけの一本になること間違いなしだ! ワイドシルエットが生む、クラシカル...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...