先月の話になるが、イギリスのイーストロンドンでは、ファッションプレスやバイヤーが集まる展示会”Jacket Required“が開催された。現代のファストファッション流通に伴い、大量生産の流れで物づくりの本質を見つめ直す必要性が問われる中、メンズファッションブランドが集い、AW16、SS17の新作プロダクツが集結し、改めてファッションの重要性を考え直す場となった。
各国から選び抜かれたカジュアルウェアブランドの数々は、フットウェア、生活用品とラインナップは幅広く、総勢224ブランドが出展。我々のプレスブースでは出展者たちの休憩所となるほど、プレス、バイヤーたちが足を運んだ。その中から各国から集まる選りすぐりの8ブランドを紹介。
【1】sneaky steve
まず紹介するのは、「sneaky steve」。20世紀の産業革命の時代の雰囲気にさかのぼり、ハンドクラフトマンシップが未だ十分に生きていた時代にインスパイアされ、革の素材選びからこだわり製作するのがこちらの新作コレクション。すべては革靴の工場として多くの伝統を受け継いできたポルトガルの工場で一点ずつ丹念に生産され、ベテランのタンナーが靴づくりに情熱を注ぐ。全ての革はポルトガルの北部にある工場で生産、そこで使用する牛革は、暖冬地域よりも気温が低い環境であるため、皮から上質な革に仕上げることが出来る。
http://www.sneakysteve.com/
【2】CLAES GORAN
続いて、ストックホルムに旗艦店を構える「CLAES GORAN」。ワークウェアを中心としたセレクトショップで、現在はよりライフスタイルを中心とした展開へとシフトしている注目のショップ。ワークウェアブランドのイメージがあまりないストックホルムではあるが、プレスの二人からはエネルギッシュなブランディングを感じさせる雰囲気。シャツ、ベスト、ジャケット、アウターで組まれハングされたコーディネイトと、ディスプレイはお店からそのまま出てきたかの様。
www.claesgoran.com
ジャパンブランドの【3】RoToTo、【4】FUJITO
海外ブランドが大多数を占める中、日本のブランド「RoToTo」、「FUJITO」も出展。ミリタリー色の強いワークパンツから、機能性のあるバックパックや、靴下など日本のクオリティを証明するプロダクツまで幅広く展開している。
「RoToTo」
http://www.rototo.jp/
「FUJITO」
Rib colar Shirts ¥16,000_ / Khaki safari shirts ¥16.000_ from “FUJITO”
Utility Trousers w/BELT ¥19,000_
http://www.wstra.com/
【5】Schott NYC
ニューヨークに旗艦店を構え、1913年創業以来100年以上の歴史を語り続ける老舗ブランド、「Schott NYC」は、今季最重要アイテムのスカジャンを展開。
https://www.schottnyc.com/
【6】SANDERS
本国であるイギリスのシューズブランド「SANDERS」は138周年を迎え、現代のタウンユースに合わせモダンに仕上げたハイカットドレスシューズを中心に展開。オールドファッションとモダンの両極を取り揃えるが、あくまでもリラックスしたスタイルを貫いている。
http://www.sanders-uk.com/
【7】EAT DUST
ファッショナブルな製品をつくることではなく、時代性に適した物づくりに特化したバイカーズスタイルの新生ブランド「EAT DUST」は、ベルギーのアントワープで誕生以来、各国を拠点としてポップアップショップを展開するなどしている。スウェードを使用したプルオーバーのレザージャケットはネイティブアメリカンシャツをモチーフに作られた一点物。
オリジナルのレザープロダクツも多数展開。
http://eatdust.bigcartel.com/
【8】HARTFORD
ミリタリーテイストなヨーロッパのヴィンテージとアメリカの美学を融合させた「HARTFORD」は、フランスのパリで1979年に創業した。適度にドレスダウンさせカジュアルな雰囲気が特徴的。シャツもスタイリッシュすぎないドレスダウンした作りで、タウンユースでフォーマルに作り込まないスタイルが提案されている。
http://www.hartford.fr/
恒例のクラッチマンズスナップをここで紹介。
(Photo by Takashi Okabe 岡部隆志、Text by CLUTCH Magazine 編集部)