“バレルシェイプ”の新型はダークホース的モデル
いまアイウエアトレンドの渦中にあるのは、70〜90年代のナードな雰囲気を纏ったデザイン。オーバルやスクエアなどがその筆頭だ。「アイヴァン 7285」の新作にも90年代の空気を感じるモデルが散見されるが、いずれもシェイプの微調整やディテールの工夫によってモダンな印象のデザインへと巧みに昇華されている。
そのデザインワークの妙こそが、同ブランドの真骨頂と言えるが、そんな「アイヴァン 7285」でも初めての提案だという“バレルシェイプ”の新型は今季のラインナップにおけるダークホース的モデル。
実は半世紀以上前から存在するクラシックな形でありながら、あまり注目されることのなかったシェイプで、オーバルの左右を直線状に断ったまさにバレル(樽)のようなアウトラインが特徴。直線と曲線のバランスが心地よく、どこか凛としたモダニズムも漂う。どのモデルも90年代的だが、作り込みに関してはアイウエアの黄金期とされる50〜60年代ごろのヴィンテージフレームを思わせる精巧さを誇る。
トレンドを汲みつつも、長く付き合える一本を探している人には、ぜひ手に取ってほしい。

「アイヴァン 7285」の90年代的シェイプに詰まったヴィンテージ級のこだわり
901(上)
単なる楕円ではなく、微調整により唯一無二のモダンなオーバルに。ミニマルさを重視しマイナスネジを採用するなど、精緻な作りは健在。新開発の“チェンジャブル・サドルブリッジ”を採用(サドルパーツ2種付属、1種別売り)。6万3800円 ※6月発売予定
1017(中央)
ブランド初の提案となるバレル(樽型)シェイプ。丁番部分にあしらわれたメタルカシメや、2重にメッキして上層のみを剥がしたアンティーク仕上げなどメカニカルな趣もあって、置いただけでも存在感が際立つ。7万4800円※7月発売予定
1013(下)
ティアドロップとスクエアの中間のようなドイツデザインも、近年流行の兆し。こちらはやや天地が潰れた印象で、ブロウのような2トーンの塗装も含め、90年代のジャーマンシェイプに散見された佇まい。5万8300円 ※6月発売予定
メガネ史を変える発明チェンジャブル・サドルブリッジ
フィッティング面で課題があった、ノーズパッド無しの“イチヤマ仕様”の概念を変える“チェンジャブル・サドルブリッジ”。高さの違う4種類のパーツを付け替えることでブリッジから鼻までの距離を調節でき、着用者を問わずイチヤマをかけられるようになった。
【問い合わせ】
アイヴァン 7285 トウキョウ
TEL03-3409-7285
https://eyevan7285.com
(出典/「2nd 2025年7月号 Vol.213」)
Photo/Tetsuya Maehara Styling/Shogo Yoshimura Text/Shuhei Takano Hair&Make/Kentaro Kats
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