1.乗せ智|テンプルとフロントの接合部をあえてずらす
鯖江で作られるプラフレームのメガネは、フロントとテンプルの接合部である「合口」と呼ばれる部分を、ぴったりと合わせる技術が非常に高いとされている。しかし[ジャガー]のベースとなった60年代のアメリカンヴィンテージは、合口がややずれている。
この雰囲気を再現すべく、[ジャガー]には「乗せ智」という技術が使われている。合口をずらす上で重要となるのは、フロントとテンプル双方のカッティング。さらにセルロイド生地はアセテートよりも硬いため、通常とはまったく異なるノウハウが必要となる。
2.セルロイドの貼り合わせ|2種の異なるセルロイド生地を貼り合わせる
[ジャガー]は、6㎜のブラックセルロイドの裏側に、2㎜のクリアセルロイドを貼り合わせている。これにより、鼻に直接当たるノーズパッド側がクリアになり、よりミニマルですっきりとした印象を生む。
もちろんこの貼り合わせのために追加の工程が必要となり、手間も時間も増える。工場の職人たちも「普通そんなことしない」と口を揃えるが、この手間あってこその[ジャガー]なのだ。
1960年ごろのクラシックなウェリントン型がベースの[ジャガー]に注目
1960年ごろに生み出されたクラシックなウェリントン型がベース。一見シンプルだが「乗せ智」や「セルロイド生地の貼り合わせ」など、鯖江ならではの高度な技術が詰め込まれた逸品。矢尻の形をした専用のカシメがアクセントとして映える。4万6200円(ブロスジャパンTEL0778-52-7075)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2024年4月号 Vol.203」)
Photo/Ryota Yukitake Styling/Shogo Yoshimura Hair&Make/Miho Emori Text/Shuhei Takano
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