レップ素材かつレジメンタル柄のみを抜粋し、かつ派手だったりモダンな配色のものは掲載していない。あくまでアイビーの雰囲気を十分に持ち合わせたタイのみに絞っている。そんなレップタイについて結び方含めた基本的な知識と、今買うならどんなアイテムを押さえるべきかをチェック!
タイのアイビー必携のディテールはこの2つ
1.レップ素材
レップとは横方向に綾のある織物の総称。皺になりにくいためタイに適した素材として浸透した。一般的に光沢のあるシルクを使うが、レップのマットな表情がオックスフォードシャツとも相性良く、アメトラの定番タイとしても定着している。
2.レジメンタル柄
元はレジメント=連隊を色・柄で表す軍服として用いられ、後にブルックス ブラザーズなどが採用、普及したとされる。アメトラ及びアイビーではボルドー、ネイビー、ゴールド、グリーンが基本色。
レップタイの起源とは?
1618年、主にドイツを舞台に始まった三十年戦争にて、フランスのルイ13世を護衛するためにクロアチアからやってきた傭兵たちが、一種のユニファームのようなニュアンスで首元にお揃いの赤いスカーフを巻いていた。それを見たフランス人が「これはなんだ?」とスカーフを指して聞いたところ、クロアチア人は「お前たちは何者だ」と聞かれていると思い、「クロアート」(=フランス語で「クロアチア人」)と答えた。
そこから、フランス人たちがタイのことを「クラヴァット」(現在のネクタイ)だと誤認し、どんどん世界へと広がっていったそうだ。これも眉唾ものの都市伝説的な話ではあるが、話のネタとして覚えておきたい。
知ってる? 右下がりが米国式、左下がりが英国式
かねてより英国のレジメンタルは左下がりだった。その理由は伸縮性を持たせるため生地をバイアス(斜め45度)でカットする必要があった、など諸説あるが、これを反対の右下がりにしたのがアメリカ。アメリカは信心深く、「右手で掲げた剣先から天命が降りて心臓に繋がる」ようにしたらしい。これも一説。
ケン青木式、プレーンノットの結び方決定版
まずは基本の流れをおさらい
ケン青木さんは、日米のトラッドをその目で見てきた紳士服のスペシャリスト。「タイ、ましてやプレーンノットにコツもなにもないだろう」と高を括っている人にこそ、彼のスペシャルなタイ結びの秘技を学ぶべきだ。基本の流れは変わらないので、上の図はすでに知っている人は飛ばしてよい。下の6つのポイントにこそ注目しよう。
ケン青木式、6つのポイントを意識しよう
1.シャツ襟のサイズは超重要!
まず、シャツ襟のサイズが自分に正しく合っているかを確認。大体首の実寸+2cm、全部ボタンを閉めて指が2本分入るくらい。
2.小剣の長さは大剣の半分に
結び終わりの大剣と小剣の長さが、正くないのは問答無用。一回で気持ちのいい長さにするためには無論、結ぶ前の長さ決めが肝心。
3.結び始める前に小剣を山折りにする
「さあ、結び始めよう」という前に大事なのが、小剣を山折りにして、そのまま押さえておくこと。変にヨレたり、傷んだりしない。
4.結び終わった段階でも山折りが重要!
ここでも(自分側に谷がくるように)山折りしておくことがポイント。理由は同様。この「山折り」テクニックはシンプルだが有用だ。
5.ディンプルとノットは先に完成させる!
ノット上部の「大剣でできた輪っか」に手を入れて、手前から奥に回転させればノットが閉まる。もう片方の手でディンプルを作ろう。
6.仕上がりは大剣でバックルが隠れるぐらい
結び始める前の小剣と大剣の長さを間違えなければ、最終的には大剣でちょうど バックルが隠れるくらいの長さに落ち着くはずだ。
2nd編集部がおすすめする、アイビータイ8選
1.Polo Ralph Lauren(ポロ ラルフ ローレン)
Length: 142cm
Price: ¥20,900
細めの大剣に軽量の芯地を使用した裏地のないヴィンテージ仕様。大柄のレジメンタルはラガーシャツから着想を得た。生地はイギリス、縫製はイタリア製。(ラルフ ローレンTEL0120-3274-20)
2.BENTLEY CRAVATS(ベントレークラヴァッツ)
Length: 145cm
Price: ¥14,300
光沢のあるはっきりとした畝に、発色の良い生地が特徴的。幅も広く、よりクラシックな印象を受ける。生地からサイズまで名店「メイン」のこだわりが詰まった一本。(メインTEL03-3264-3738)
3.Tie Your Tie(タイ ユア タイ)
Length: 150cm
Price: ¥60,500
「7ピエゲ」で知られるイタリア、フィレンツェのブランド。「12ピエゲ」のハイエンドモデルは卓越した技術の職人による贅沢な1本。(タイ ユア タイ元麻布店TEL03-5357-7338)
4.BROWN & CHURCH(ブラウン&チャーチ)
Length: 148cm
Price: ¥16,500
1881年の創業以来、アメリカ製にこだわり続けるファクトリーブランド。様々なブランドの生産を請け負う実力派。細めのタイはコンパクトな結び目を作れる。(トラベルズTEL03-5485-8108)
5.DORMEUIL(ドーメル)
Length: 145cm
Price: ¥19,800
1842年にフランスで創業した、世界最古の生地マーチャント。紺を基調に3色で構成されたレジメンタル柄は、落ち着いたトーンにより大人な風合い。(ドーメル 青山店TEL03-3470-0251)
6.Southwick(サウスウィック)
Length: 147cm
Price: ¥13,970
ニューヨークにあるハンドメイドの老舗タイファクトリーにて製作。同ブランドの代表モデル[ケンブリッジ]のディテールを忠実に再現している。(シップス 銀座店TEL03-3564-5547)
7.INDIVIDUALIZED ACCESSORY(インディビジュアライズドアクセサリーズ )
Length: 145cm
Price: ¥17,600
青を基調としたレジメンタルは、若々しい印象。今年の春のリニューアルで大剣は太く、芯地は薄くなり、よりクラシックなタイに仕上がった。(ユーソニアングッズストアTEL03-5410-1776)
8.BROOKS BROTHERS(ブルックス ブラザーズ)
Length: 147cm
Price: ¥16,500
黄色と紺を基調とした “アーガイルサザーランドストライプ” は、艶のあるレップ織りと相性がいい。イタリア製生地を使ってイタリアで縫製。(ブルックス ブラザーズ ジャパンTEL0120-02-1818)
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
Photo/Yuco Nakamura, Yoshika Amino Illustration/Ryoichi Itoh Styling/Shogo Yoshimura, Shun Iizuka Text/2nd Magazine Hair&Make/Daisuke Yamada
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