紺ブレの新作モデルは、定番モデルを凌駕する? 洒落者たちが厳選6着をレコメンド!

今や王道と言っても過言ではない紺ブレが、俄然注目を集めている。そこで「定番」「新作」「変わり種」の3カテゴリーに分けて紺ブレを徹底レビュー。今回は人気ブランドが今シーズン打ち出す「新作」を次々と試着&比較して、それぞれの魅力を探る。洒落者3名が考える今どきの紺ブレ論とはいかに。

▼前回紹介した「定番紺ブレ」はこちらの記事でチェック!

トラッドに欠かせない紺ブレの定番モデルを業界人がレコメンド! 【おすすめ6選】

トラッドに欠かせない紺ブレの定番モデルを業界人がレコメンド! 【おすすめ6選】

2022年11月24日

「ドゥエア・インク」手塚直樹さん(左)

ルイジ ボレッリやステファノ ビジなど、イタリアの名門ブランドのエージェント。コロナ以前はピッティにも毎回参加し、ドレスウエアの最前線を熟知。

「ボンビュー」オーナー・大島拓身さん(中央)

長らくドレスの世界に身を置きつつ、ヴィンテージ好きが高じて2019年に自らのショップ「ボンビュー」を始動。現在は高円寺屈指の人気店として話題を集める。

フリーPR・柳 雅幸さん(右)

メイデン・カンパニーでMD・営業・PR などを務めた後、2022年に独立。アメリカンウエアの造詣を活かし、フリーランスのPR&ブランドプランナーとして活躍。

1.HACKETT LONDON(ハケット ロンドン)|この英国感はツボ! 個人的イチオシです。(大島)

ヴァルカナイズ・ロンドンの誕生20周年を記念して製作された限定アイテム。仏の最高級生地ブランド・ドーメルの「ロイヤル 11」を採用。14万3000円 (ヴァルカナイズ・ロンドンTEL03-5464-5255)

大島 お、これはかなり僕好みの雰囲気。今の気分だなぁ。

柳 どの辺が刺さりましたか?

大島 ブリティッシュ色をしっかり残していることですね。アメトラ定番の3つボタンではなく2つボタンだし、肩にもパッドが入っている。このカッチリとした雰囲気が最近のムードなんです。

手塚 ヨーロッパブランドは今、イタリア的な軽快仕立てにシフトしているところが多いですもんね。

大島 そうなんです。もちろんそれは着やすいし万人に似合うんだけれど、だからこそ往年のイギリスやフランス仕立ての空気感が恋しくもあるんですよね。

手塚 確かに、そういう視点で見るとこの一着は異彩を放っていますね。2+2の袖ボタンもハケットの伝統的ディテール。往年の英国好きには堪らないはずです。

柳 袖のカーブとか、ラペルの返りも美しい。生地はドーメル。高級素材を贅沢に使っています。

大島 ただ、フラワーホールをパープルの糸でかがっているのが上品すぎるので、もう少しカジュアルな印象の糸色だったら僕の趣味にもあって100点満点(笑) 。ともあれ全体としてはすごく好きなバランス。今回、一番欲しくなりました。

2.J.PRESS ORIGINALS(J.プレス オリジナルズ)|ユルく着流したい進化形ブレザー。(柳)

“ニューポートブレザー” ともよばれる4つボタンダブル。定番の6つボタンよりも軽快な印象だ。生地は「ペピンメリノ」のツイル。7万2600円 (J.プレス & サンズ 青山TEL03-6805-0315)

大島 J.プレスの紺ブレは王道トラッドな趣が強めな印象でしたが、こういうユルめな4つボタンダブルもあるんですね。

柳 フロントボタンを開けてバサッと羽織るのがサマになりそうです。キャップやスニーカーを合わせてカジュアルダウンしたい一着ですね。

3.ESTNATION(エストネーション)|香りたつ色気。これはモテそう(笑)(大島)

低めに設定されたゴージラインや美しくラウンドした裾など、王道のドレスルック。ハイゲージのタートルネックニットなどが抜群に合いそうだ。10万7800円(エストネーションTEL0120-503-971)

大島 イタリアの影響を強く感じさせますね。幅広のラペルやシェイプの効いたシルエットが艶やかさを漂わせています。

手塚 黒に近い濃紺も色気を際立たせていますね。

大島 これはいわゆる“モテる”紺ブレだと思います(笑)。

4.AQUASCUTUM(アクアスキュータム)|こういう紺ブレはなにかと便利ですよね。(大島)

光沢感とふんわりした柔らかさが魅力のウールナイロン素材を採用。重量感のあるメタルボタンも本格的ブレザーであることを主張する。9万9000円 (アクアスキュータム aquascutum-press@oggi-inter.co.jp)

大島 英国ブランドのブレザーですが、ブリティッシュ色が強いというわけではないですね。むしろイタリアの仕立てに近い。

手塚 柔らかく軽快で、自然な丸みを帯びた作りですよね。ただ、裏地を鮮やかなブルーにしているのは英国っぽいセンスです。

大島 タイドアップもカジュアルダウンもこなせる、汎用性の高い一着ですね。こういう紺ブレをワードローブに一着揃えておくと、なにかと便利だと思います。

5.1st Pat-rn(ファースト パターン)|吸い付くようにフィットするイタリア仕立てが魅力的。(手塚)

素材はヴィンテージの編み機によるニット地。伸縮性と保形性を兼備し、高級感ある光沢もたたえる。裏地なしの軽やかな仕立て。8万3600円 (ノウ ショールーム hello@onthe parkstreet.com)

大島 ただ見ているだけより、袖を通してこそ真価がわかる一着ですね。芯地などを極力使わないアンコン仕立てなのですが、着るとしっかり立体感が生まれる。これはイタリアブランドならではの手腕だと思います。

手塚 上襟がしっかり首に沿っていますね。本格テーラードの仕立て方です。 一方デザインはなかなか個性的で、着脱可能なチェンジボタン仕様だったり、 袖ボタンが3つだったりする。

柳 イタリア解釈のアメトラブレザーということなんでしょうね。

6.CASSIDY HOME GROWN(キャシディ ホームグロウン)|どこの真似でもない唯一無二の個性がある。(柳)

キャシディの名物スタッフとして知られる八木沢博幸さんが手がけるブランド。大ぶりなパッチ&フラップポケットなどアメカジテイストが光る。 3万3000円 (原宿キャシディTEL03-3406-3070)

柳 八木沢節が炸裂してますね(笑)。コンパクトなシルエットに、カジュアルテイストを盛り込んだデザイン。どこの真似でもない独自のスタイルを表現しているのは素晴らしいと思います。

大島 タータンチェックの裏地をあしらっているのも八木沢さんらしいですね。愛嬌があって好感がもてます。

手塚 第1・第2ボタンを両方留めてAラインぎみに見せる八木沢スタイルで着こなしたいですね。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2022年12月号 Vol.189」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

Pick Up おすすめ記事

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...