▼前回紹介した「定番紺ブレ」はこちらの記事でチェック!
「ドゥエア・インク」手塚直樹さん(左)
ルイジ ボレッリやステファノ ビジなど、イタリアの名門ブランドのエージェント。コロナ以前はピッティにも毎回参加し、ドレスウエアの最前線を熟知。
「ボンビュー」オーナー・大島拓身さん(中央)
長らくドレスの世界に身を置きつつ、ヴィンテージ好きが高じて2019年に自らのショップ「ボンビュー」を始動。現在は高円寺屈指の人気店として話題を集める。
フリーPR・柳 雅幸さん(右)
メイデン・カンパニーでMD・営業・PR などを務めた後、2022年に独立。アメリカンウエアの造詣を活かし、フリーランスのPR&ブランドプランナーとして活躍。
1.HACKETT LONDON(ハケット ロンドン)|この英国感はツボ! 個人的イチオシです。(大島)
大島 お、これはかなり僕好みの雰囲気。今の気分だなぁ。
柳 どの辺が刺さりましたか?
大島 ブリティッシュ色をしっかり残していることですね。アメトラ定番の3つボタンではなく2つボタンだし、肩にもパッドが入っている。このカッチリとした雰囲気が最近のムードなんです。
手塚 ヨーロッパブランドは今、イタリア的な軽快仕立てにシフトしているところが多いですもんね。
大島 そうなんです。もちろんそれは着やすいし万人に似合うんだけれど、だからこそ往年のイギリスやフランス仕立ての空気感が恋しくもあるんですよね。
手塚 確かに、そういう視点で見るとこの一着は異彩を放っていますね。2+2の袖ボタンもハケットの伝統的ディテール。往年の英国好きには堪らないはずです。
柳 袖のカーブとか、ラペルの返りも美しい。生地はドーメル。高級素材を贅沢に使っています。
大島 ただ、フラワーホールをパープルの糸でかがっているのが上品すぎるので、もう少しカジュアルな印象の糸色だったら僕の趣味にもあって100点満点(笑) 。ともあれ全体としてはすごく好きなバランス。今回、一番欲しくなりました。
2.J.PRESS ORIGINALS(J.プレス オリジナルズ)|ユルく着流したい進化形ブレザー。(柳)
大島 J.プレスの紺ブレは王道トラッドな趣が強めな印象でしたが、こういうユルめな4つボタンダブルもあるんですね。
柳 フロントボタンを開けてバサッと羽織るのがサマになりそうです。キャップやスニーカーを合わせてカジュアルダウンしたい一着ですね。
3.ESTNATION(エストネーション)|香りたつ色気。これはモテそう(笑)(大島)
大島 イタリアの影響を強く感じさせますね。幅広のラペルやシェイプの効いたシルエットが艶やかさを漂わせています。
手塚 黒に近い濃紺も色気を際立たせていますね。
大島 これはいわゆる“モテる”紺ブレだと思います(笑)。
4.AQUASCUTUM(アクアスキュータム)|こういう紺ブレはなにかと便利ですよね。(大島)
大島 英国ブランドのブレザーですが、ブリティッシュ色が強いというわけではないですね。むしろイタリアの仕立てに近い。
手塚 柔らかく軽快で、自然な丸みを帯びた作りですよね。ただ、裏地を鮮やかなブルーにしているのは英国っぽいセンスです。
大島 タイドアップもカジュアルダウンもこなせる、汎用性の高い一着ですね。こういう紺ブレをワードローブに一着揃えておくと、なにかと便利だと思います。
5.1st Pat-rn(ファースト パターン)|吸い付くようにフィットするイタリア仕立てが魅力的。(手塚)
大島 ただ見ているだけより、袖を通してこそ真価がわかる一着ですね。芯地などを極力使わないアンコン仕立てなのですが、着るとしっかり立体感が生まれる。これはイタリアブランドならではの手腕だと思います。
手塚 上襟がしっかり首に沿っていますね。本格テーラードの仕立て方です。 一方デザインはなかなか個性的で、着脱可能なチェンジボタン仕様だったり、 袖ボタンが3つだったりする。
柳 イタリア解釈のアメトラブレザーということなんでしょうね。
6.CASSIDY HOME GROWN(キャシディ ホームグロウン)|どこの真似でもない唯一無二の個性がある。(柳)
柳 八木沢節が炸裂してますね(笑)。コンパクトなシルエットに、カジュアルテイストを盛り込んだデザイン。どこの真似でもない独自のスタイルを表現しているのは素晴らしいと思います。
大島 タータンチェックの裏地をあしらっているのも八木沢さんらしいですね。愛嬌があって好感がもてます。
手塚 第1・第2ボタンを両方留めてAラインぎみに見せる八木沢スタイルで着こなしたいですね。
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2022年12月号 Vol.189」)
Photo/Takuya Furusue, Nanako Hidaka(Items) Styling/Shun Iiduka Text/Hiromitsu Kosone
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