一見変わらないように見えるが、全然違う
iPhone 14シリーズを含め、最近のアップル製品全体に言えるのだが、派手な新フィーチャーはないので推す記事を書くのは難しいのだが、実際に使って見ると、あらゆる部分の性能が向上していて非常に満足感が高い。
花火を打ち上げる必要はなく、性能を磨き上げていけば、ユーザーは幸せになる……と確信しているように思える。クルマに例えて言うなら、ターボも派手なリアウィングもないが、加速は良く、コーナーは滑らかで、快適に速く走れている……という感じかもしれない。
空間オーディオの効果と相まって、迫力の低音!
まず、一番肝心な音質についてだが、おなじみのアップルらしいニュートラルなクセのないもの。しかし、空間オーディオの効果もあって、楽器がひとつひとつ分離して感じるし、いつものアップル製品と違って、低音の迫力を強く感じる。
低音は強いが他の音に影響を与えずに、しっかりと分離されて迫力を感じるのが素晴らしい。それぞれの楽器が別々の位置に定位している感じが非常に強い。わずか11mmのドライバーで、これほどの音が出せるのかと感心してしまう。
最新の空間オーディオは、音の方向だけではなく位置も表現してくれる。
目の前にボーカルがいて、鼻先数センチでリップノイズまで聞こえたかと思ったら、ギターはサイドを駆け抜けていき、ベースやドラムはその背後から聞こえてくる。空間オーディオ対応の映画を見るのも楽しい。ジェット戦闘機が背後から耳元をかすめて、前に駆け抜けていく感じが音だけで分かるのだ。いろいろな映画をこの環境で見直したくなるほどの快感だ。
不愉快な音をキャンセルするノイズキャンセリング
ノイズキャンセルも『2倍』と言うだけあって、効き方が強力。
とはいえ、単に周囲の音が聞こえなくなるというのではない。
工事の音や、地下鉄のブレーキのキーキー音など、耳障りで不快な音だけがキャンセルされて、柔らかな環境音が残るという感じの仕上げ。アップルらしい自然なノイズキャンセルとなっている。
さらに『外部音取り込み』の性能も上がっている。アップルの『外部音取り込み』の機能は、外側のマイクで収集した音を耳の中に再現する機能なのだが、まったくAirPods Proの存在を感じなくなるほど上手く外側の音を再現しているのだ。
機能をオフにすると、ゆるい耳栓をしたように外の音が聞こえにくくなるのだが、『外部音取り込み』をオンにした途端、普通に音が聞こえるようになる。アップルの『魔法』の強力さを思い知る瞬間だ。
イヤーチップはXSが追加され、4サイズとなった。多くの人の耳に負担なくフィットするイヤフォンだと思うが、それでも合わない人はいるようなので、気になる人は事前に試着することをお勧めする。アップルのイヤフォンが合う人なら大丈夫だと思うのだが。
今買うなら、絶対に第2世代がお勧め!
外形も機能も、第1世代のAirPods Proとほとんど同じだが、すべてにおいて上回っている。
世間には「価格が下がってるショップがある初代を買うのもお勧め!」なんていう記事も上がっているが、絶対にそんなことはない。
3年分の性能向上はしっかり込められているので、今買うなら絶対に第2世代AirPods Proを買った方がいい。
と言いつつ、初代を持っている筆者は、第2世代を追加して買うかどうか迷っているのだが。第2世代の方が絶対にいい。しかし、まだちゃんと動作している初代を無駄にするのもなぁ……。USの249ドルという価格を見ると、円安さえなければ……即買いなのに! と悔しく思ってしまう。
(村上タクタ)
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