原宿に専門店も。インテリアに取り入れたい、ファットラバというドイツ生まれの伝統的陶器が注目度上昇中。

ここ数年で日本でも人気が定着したドイツのファットラバ。第二次世界大戦後にドイツは、国策のひとつとして窯業の再建に取り組んでいた。そして西ドイツを中心に生まれたのが、どこかサイケデリックな雰囲気を持つファットラバと呼ばれる陶器だった。そんなファットラバを掘り下げてみる。

今もファットラバを展開するドイツの陶器メーカー。Otto Keramik(オットーケラミック)

ファットラバを代表するメーカーでプロダクトディレクターを務めていたオットー・ゲルハルツが、1964年に立ち上げたオットーケラミック。多色的な釉薬を使ったファットラバのスタイルを守りつつも、どこかミッドセンチュリーのテイストが香るモダンデザインを得意とする。1994年より創業者の息子が受け継ぎ、現地で生産している。

アンティークファニチャーとも相性が良い、かつてのドイツ生んだ名陶器。

ドイツと言えば、メルセデス・ベンツやライカのように、どこか無骨でクラフトマンシップ溢れる質実剛健な工業製品というイメージを持つ人も多いだろう。だがここ数年のヴィンテージ市場を賑わせているのが、そんなイメージとは真逆な1960〜’70年代にかけて世界中で流行したファットラバと呼ばれる個性的な陶器だ。

ひと目見たら忘れられないような独特な釉薬使いが特徴で、ラバとはドイツ語で溶岩を意味し、そのネーミングの通り、マグマを彷彿とさせるようなテクスチャーは、アイコンとなっている。

そのルーツとなるのは日本と同じく敗戦国となったドイツが戦後に行った窯業の復興にある。当時は100を超える陶器メーカーが存在し、西ドイツを中心にファットラバと呼ばれるスタイルが構築されていった。’60年代頃からブームとなり、’80年代には落ち着いていったという。

今回ピックアップしたオットーケラミックは、ファットラバがブームとなる’64年にドイツ・ラインバッハで創業されたブランド。有名陶器メーカーでプロダクトディレクターを務めていたオットー・ゲルハルツが独立し、釉薬を研究するための自宅アトリエからスタートした。

そして’94年よりその息子が生産を受け継ぎ、その伝統的なスタイルを守り続けている。ファットラバのスタイルを踏襲しつつも、どこかミッドセンチュリーを彷彿とさせるデザインも落とし込まれており、アメリカンな世界観にもマッチする不思議な陶器。今年には原宿でフラッグシップストアがオープンしたので、是非ともその世界観を体感してほしい。

まるで溶岩のようなテクスチャーがファットラバのアイコン。溶岩はドイツ語でラバであり、そのネーミングの由来にもなっている。雄牛をモチーフとしたフラワーベースは代表作のひとつ。1万7200円

視覚的にほっとする、自然な質感と温もりが魅力。

このようにどこかサイケデリックな’70sのテイストを感じるようなカラーリングも展開されている。同じ釉薬でも一輪挿しから食器までバリエーションがある。

深みのあるネイビー系の釉薬に、ブラックを組み合わせたモダンな印象のフラワーベース。手作業のため、まったく同じものがないのも魅力である。1万6500円。

部屋の雰囲気をガラリと変えるプランターケースは、人気モデル。右はファットラバらしい溶岩のような風合いが魅力。左はミッドセンチュリーモダンな印象。右/1万3800円、左/5800円。

ファットラバらしいワイルドな表情とモダンなフォルムが組み合わされたグッドデザイン。主張が強いデザインや表情に見えるけれど、様々なインテリアに馴染んでくれる。右/1万2100円、左/6万2000円

ファットラバといえば、インパクトの強いデザインが多いなかで、このようなシンプルなプロダクツも展開している。またキャンドルホルダーなど、他のメーカーが作らないようなユニークなデザインが多いのも、オットーケラミックの魅力。

右下のサーフボード型のプレートや一輪挿しなど、ミッドセンチュリーモダンなデザインに、ファットラバらしいテクスチャーやカラーリングを落とし込んでいるプロダクツも。プライスも4000円前後からあって、コストパフォーマンスも優秀だ。

オットーケラミックのフラッグシップモデルのひとつが、雄牛をモチーフにした一輪挿し。様々なカラーバリエーションやサイズがあるので、初めてのファットラバにはこれを狙いたい。同じカラーリングでも、ハンドメイドのため、微妙に表情が異なるのも特徴。

【DATA】
Otto Keramik Tokyo
東京都渋谷区神宮前2-18-7外苑ビル2F
TEL03-6804-5452 12時~20時 無休
https://sekai-class.com/collections/otto-keramik

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【KEATON CHASE U.S.A.×2nd別注】大人のための、ちょうどいいシャンブレーシャツ登場!

  • 2026.01.25

ライトオンスのシャンブレーを使用した、米国のシャツファクトリー「キートンチェイスUSA」の定番プルオーバーシャツ。カジュアルな要素を備えながらシャツ本来のきちんと感も残したこのアイテムを、2nd仕様に別注。胸ポケットの作りや前立てのボタンの数などを微調整し、すっきりと大人な印象にまとまっている。 >...

こんなコスパのライダース、見たことある? 「中田商店」のオリジナルブランドのライダースを侮るなかれ!

  • 2025.12.29

東京・上野にある老舗ショップ、中田商店。そのオリジナルブランドが「モーガン・メンフィスベル」だ。中田商店というと、ミリタリーのイメージが強いが、モーガン・メンフィスベルでは、ミリタリーをはじめ、様々なレザーウエアを展開している。もちろん、ライダースのラインナップも豊富。今回は珠玉のライダースを紹介す...

映画で観た欧米のクラシックな世界観をモダンに昇華。“好き”が詰まった空間で暮らす!

  • 2025.12.30

衣食住は、私たちが生活するうえで必要不可欠な要素である。なかでも日々の生活と最も密接に結びつく住居には、ひと際こだわりたいもの。自分のお気に入りの空間を作るための選択肢のひとつに、リノベーションがある。 “三人四脚”で作り上げた理想の居住空間 兵庫県芦屋市。豊かな自然と落ち着きのある街並みから関西で...

上質な馬革をシンプルに愉しむ。石炭(COAL)を運ぶために使われていたコールバッグという選択肢

  • 2025.12.27

きめ細かく美しい銀面を持つことで知られる馬革。軽くて強靭、上品な質感、そして使うほどに味わい深い経年変化で、多くのレザーファンたちを魅了し続けてきた。そんな馬革をシンプルに愉しませてくれるのがINCEPTIONのコールバッグだ。 ヴィンテージをベースに、実用性を加味し再構築。 19世紀末から20世紀...

前代未聞! “自立する”ジーンズ。「EIGHT’G」から職人泣かせならぬトラウマな超極厚ジーンズ登場。

  • 2026.02.04

前代未聞。エイトジーがまたしてもやってくれた! 超ヘビーな27.5オンスのジーンズの登場。生地の厚みと重量感はデニム史上でも圧倒的で、まるで穿く甲冑のような迫力。縫製は熟練職人の手作業のみで行われ、普通のジーンズでは味わえないタフさと存在感を誇る。穿くだけで男の背筋が伸びる、気合十分の究極仕様、“自...

Pick Up おすすめ記事

【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd別注】本物のアランは暖かさだけじゃない! アランケーブル クルーセーター登場

  • 2026.01.24

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【KERRY WOOLLEN MILLS×2nd】アランケーブル クルーセーター もともとは海の男たちを守るための、...

「ORGUEIL」が提案する、凛冬を彩る大人のガーメンツ。

  • 2025.12.26

凛とした寒さが日に日に増し、コーディネートが重くなりがちな季節。クラシックなデザインと丁寧な作り込みのORGUEILのクロージングが、いつものスタイルを格上げしてくれる。さりげなく上質で存在感のある一着が、冬の日々を彩ってくれるはずだ。 Aniline Steer Oil A-1 Jacket 19...

【KEATON CHASE U.S.A.×2nd別注】大人のための、ちょうどいいシャンブレーシャツ登場!

  • 2026.01.25

ライトオンスのシャンブレーを使用した、米国のシャツファクトリー「キートンチェイスUSA」の定番プルオーバーシャツ。カジュアルな要素を備えながらシャツ本来のきちんと感も残したこのアイテムを、2nd仕様に別注。胸ポケットの作りや前立てのボタンの数などを微調整し、すっきりと大人な印象にまとまっている。 >...

デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

  • 2025.12.27

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。 幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。 アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史...

ヘビーデューティど真ん中! レトロなデイパックに注目。

  • 2026.01.26

1977年に発売された『ヘビーデューティの本』という名著をご存知だろうか。当時数々の雑誌で、イラスト・ルポ(自ら現地に赴いて取材した内容をイラストを用いながら報告すること)を描いていた小林泰彦さんが手掛けた1冊で、いまだファッション好きにとってのバイブルとなっている。ヘビーデューティとは、「耐久性が...