北沢窯のカンナ目飯碗。
2023年の9月末、2年ぶりに夏休みを取った。旅の行き先は佐渡。みんなに「なぜ佐渡なの?」と聞かれたけれど、「旅友が佐渡を選んだから」としか応えられない。でもおかげでいい出会いもたくさんあった。ちょっとファンキーなチョコレート屋さん、たらい舟の漕ぎ手だった話し上手のお姉さん、そして北沢窯で見つけたご飯茶碗。
佐渡といえば金山。1601年に開山し、徳川幕府からなんと1989年まで採掘されていた。今は史跡として観光地となっており、かくいう私もご多分に漏れず、金山見学を存分に楽しんできた(江戸時代の採掘風景を再現し人形が置かれているのだが、そのセリフがお気に入り)。
佐渡は金だけでなく銀や他の鉱石も産出され、その中には酸化鉄を含む「無名異」と呼ばれている鉱物もあった。どうやら佐渡にしかない赤褐色の鉱物で、それを陶土として使われるようになったそうだ。
その焼物を「無名異焼」というのだが、たまたま金山の帰りに立ち寄った場所に無名異焼の北沢窯があった。渋い赤土をベースにしたモダンなデザイン。日常使いしやすいのが気に入ってご飯茶碗と箸置きをそれぞれセットで購入。早速朝ご飯用に使わせてもらっている。
「無名異焼」。初めて耳にしたけれど、いい焼き物です。
【DATA】
北沢窯
TEL0259-74-3280
https://www.kitazawagama.com
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年1月号 Vol.357」)
Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦
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