牛革の本気。「牛飼座」の名を冠した革ジャンブランドの新星。

馬革のレザージャケットが持て囃される昨今、もう一度「牛革」というマテリアルに立ち返り、その可能性を追求すべく誕生したブランド「BOOTES(ボーテス)」。

手掛けたのは、FINE CREEK LEATHERSで馬革の地平を切り開いてきた山﨑佳克氏。

馬革の可能性を追求してきた山﨑氏だからこそ、馬革にはない牛革の圧倒的なポテンシャルに気付き、光を当てたのだ。BOOTES=牛飼座。このブランドが、今後のレザー業界の「牛」を飼い慣らしていく。

BOOTES AUROCHS【Badalassi】

ボーテスの新作は、ライダース好きの心を鷲掴みにする男らしいフォルムが魅力の「オーロックス」。1940〜’50年代に存在したモデルをトレースし、現代的にモディファイを加えた渾身の一着だ。使用しているのはバダラッシ・カルロ社の植物タンニン鞣しの牛革。バダラッシ・カルロはイタリア・フィレンツェの名門タンナー。ゆっくりと時間をかけて植物タンニンを染み込ませていく昔ながらのバケッタ製法で鞣していく牛革は、しっかりと目が詰まり、「ギュッ」と革が鳴く感覚が楽しめる。この着用感は、馬革では決して味わえない。35万9920円

購入はこちらから!

BOOTES AUROCHS【Steerhide】

カタチは上のモデルと同様だが、こちらは肉厚な原皮を植物タンニンで鞣した2.5㎜厚のステアハイドを使用したモデル。荒々しいワイルドなシボ感が特徴で、羽織ると革らしい屈強な「着応え」を感じさせてくれる。サンドイッチの茶芯仕様で、うっすらと“面”で茶が浮かび上がるのも嬉しい限りだ。オイル分を多く含ませており、着始めはマットな質感だが、着込んでいくうちに艶感が増し、大振りなシボ感と相まって、壮大なエイジングのシンフォニーを奏でていく。襟のボアはムートン製で着脱可能。冬のバイカーにもおすすめ。33万9900円

購入はこちらから!

BOOTES ARCTURUS【Steerhide】

1960年代に存在した「ライダースジャケットのマスターピース」と呼ばれたモデルの前期型をトレースし、肉厚なステアハイドで蘇らせた「アークトゥルス」。2.5㎜の植物タンニン鞣しのステアハイドを採用し、革ジャン特有の硬さを感じる「ホールド感の強い着用感」を味わうことができる。革は、一度茶に染め上げ、その後に芯通しさせずに黒く染めた通称「サンドウィッチ仕様」。こうした細やかな部分の作り込みも、ボーテスの魅力。27万9950円

購入はこちらから!

BOOTES ARCTURUS (CUSTOM)【Steerhide】

基本的な仕様は上のモデルと変わらないが、こちらはエポレットとベルトを断ち切ったカスタム仕様。エポレットとベルトを省略したわけではなく、切り落とした風合いを残すために、余剰分をきちんと残してあるのが心憎い。またエポレットのスナップボタンやベルトループはそのまま残っているので、独特の雰囲気を醸し出している。2.5㎜厚のステアハイドを採用しており腕の蛇腹の入り方も大振りで、アグレッシブな皺感を堪能できる。27万9950円

購入はこちらから!

【問い合わせ】
マスファルト
TEL03-6383-4006
http://www.masphalto.jp/smartphone/list.html?category_code=ct727

(出典/「Lightning 2023年9月号 Vol.353」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

Pick Up おすすめ記事

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...