コレクター・加藤芳高さん
幼少期に祖父に買ってもらったアメリカ車のプラモをきっかけにコレクター人生がスタート。ネットはほぼ使わず、アメリカや日本のマーケットや模型店などを巡って集めた強者で、現時点で正確な数はわからないほど多数所有するそう。アメリカ車の実車も好きで現在製作中。
第二次大戦後から世界で普及したプラモデルの世界。
プラモデルの起源は1936年イギリス。当初は木製だったが、第二次大戦頃からプラスチックで作られるようになった。
終戦後にはアメリカでも多数の絵メーカーが誕生。戦闘機や軍用車両などが主だったが、’50年代に入るとレベルやモノグラムといったメーカーがクルマを手がけるようになり、また、ヨーロッパでも数多くのメーカーが生まれるなどして世界的に普及していった。
一方、日本でプラモデルが普及し始めたのは’50年代後半。当初は世界と同じく軍艦や飛行機が中心だったが、’60年代後半に今井科学(後のイマイ)が手がけた「サンダーバードシリーズ」のヒットによってキャラクターモデルやその後のスーパーカーブームによって車シリーズも数多く作られた。
そして、日本でプラモの歴史を語る上で外せないのが’80年代のガンプラ(ガンダムのプラモデル)ブームだろう。プラモデルというとガンプラを思い出す人も多いと思うが、これはあくまでも日本だけで、世界的には軍モノ系や飛行機、船、クルマ系が主流だ。
数あるジャンルの中でもそれほどメジャーではないが本誌諸兄に刺さりそうなのが「アメリカ車」。そんな「アメリカ車」プラモの世界を覗いてみよう。
コレクターも多くないから好きな人は狙い目かも?
「元々子供の頃から集めていましたが、大人になってからはアメリカのマーケットや玩具店を巡ったり、国内のカーショーや模型店、古着店で見つけたら買うって感じで集めました」
というのは、今回取材の協力してくれた、日本でも数少ないであろうアメリカ車プラモデルコレクターの加藤さん。コレクター歴は実に約40年、かつほとんどが’70年代以前の古いモノばかり。
アメリカ車のプラモデルはジャンルとしては確立されているが専門店があるほどメジャーではない。特に’70年代以前のヴィンテージになるとネットを通じての入手が一般的だが、加藤さんはネットを利用しないので、所有するコレクションの9割以上はは自らが探して出向いて入手したものだそう。
ちなみに、加藤さんにとってアメリカ車プラモの魅力は「箱絵(ボックスアート)」にあるという。
「箱絵が好きなんですよね。実際に作ると相当な技術がないとリアルには作れませんから。だから作ることには興味がなくて、この箱絵が好きで集めている感じです」
レコードのジャケットアートにも通じるアメリカ車プラモデルの箱絵(ボックスアート)。競合も多くないから、アメリカ車好きは狙い目のジャンルかも?
日米の有名メーカーをおさらい!
まずは’50 ~ ’70年代にアメリカ車プラモデルを手がけていた日米のプラモデルメーカーをおさらいしておこう。車種別だけでなく、メーカー別に同じシリーズを集めるのも楽しいかも。
amt(米)
mpc(米)
Revell (米)
Monogram(米)
BANDAI
アオシマ(青嶋文化教材社)
童友社
市場価格を知る!
クルマ文化が成熟するアメリカではクルマ好きがプラモデルを集めることも多いようで、’70年代以前の人気モデルは1万円~数万円というモノも少なくない。
それに対して日本ではコレクターも少ないようで、日本のメーカーのモノは古くても2000 ~ 3000円くらいで買えるものもある。箱絵の雰囲気を見ると断然アメリカメーカーだが、日本製でもアメリカっぽいのがあるのでその辺りが狙い目か?
アオシマ スーパーミニカーシリーズ
BANDAI メガクルーザー
Monogram FORD “DEUCE” ROADSTAR
Revell Authentic Kit
amt 3 IN 1 シリーズ
amt BJ and the BEAR
mpc More American Graffiti
◆
日本では専門店などは特になく、入手方法といえばネットが一般的。アメリカ製はe-bayでは見かけるが国内での流通数はかなり少ない。だが、日本のものならそれなりに流通していて安価で入手可能のようだ。まずはそこから始めてみるのもアリかもしれない。
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2022年11月号 Vol.343」)
Text/M.Terano 寺野正樹 Photo/M.Kato 加藤政憲
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