世界観を共有できる内装のスペシャリストがいてこその家づくり。

ここで紹介する太田さんは、マネージメントを担当するアーティストがロサンジェルス在住ということから、頻繁に現地を訪れている。様々なサブカルチャーに精通しているが、西海岸の文化から多大な影響を受けたそう。
そんな太田さんの自宅には、カリフォルニアの空気感が漂う。その完成には、世界観を共有できる内装のスペシャリストが必要不可欠だった。

「内装はすべてアンフィニッシュの中嶋さんにお願いしました。床や壁、サイズに合わせたワンオフの棚なども作ってもらいましたが、これが大正解でした。今年でちょうど10年経つのですが、床の木材がいい感じにエイジングし、より愛着が湧いています。
また、こだわっているのは植物です。もうインテリアの領域を越えて、完全に趣味になってますね。当初は西海岸でも自生しているアガベなどが中心でしたが、塊根植物にハマってからは、温室を購入して心ゆくまで育てています(笑)」


西海岸のような空間をグリーンが引き立てる。
中庭スペースには複数のアガベが地植えされている。越冬できる品種をしっかりとチョイス。テーブルの上で、大好きな塊根植物を植え替えするのが最高の時間だそう。
親交のある北海道を拠点とする陶芸家の下沢敏也さんが、ボタニカルのために創作したコアと名付けられた鉢は、存在感抜群だ!
4人家族のため、シャワールームに併設する洗面台は2台用意。清潔感のあるタイル張りにしており、中嶋さんらしいセンスが光る。
最注目のポットブランドであるSYNから、カルト的な人気を誇るインビジブルインクまで絶品の鉢を使い、空間をアレンジしている。
オープンキッチンの付いたダイニングスペースは、あえてダイニングチェアを統一していないのが好印象。レアな塊根植物がアクセント。
雰囲気のある靴棚は、アンフィニッシュの中嶋さんによるオーダーファニチャー。玄関のサイズに合わせており、収納力も抜群である。
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カリフォルニアの空気感を取り入れたような室内に、随所に置かれたグリーン。これぞ理想のモダンな西海岸風! やはり理想を実現するには、よき理解者となる内装業者やデザイナーが必要だなと感じさせられるお宅であった。
(出典/「Lightning 2020年3月号 Vol.311」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/K.Hayashi 林和也
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