トラックキャンパーとはどんなクルマ?
数あるキャンピングカーの中でも、最も特殊なスタイル、かつアメリカの匂いがプンプンするのが、このトラックの荷台にシェルを搭載するトラックキャンパーと呼ばれるスタイルだ。トラックキャンパーの最大の特徴は、足廻りの強化は必要となるがそれ以外のボディ等へのモディファイは必要がないという点だ。
シェルを固定するためのフレームマウントタイダウンというブラケットを装着するだけ。シェルの四隅に電動で上下するジャッキを備えているため、固定を外してジャッキアップするだけで、簡単に荷台と分離する。その後ピックアップが前進すれば、その場にシェルが残るという仕組み。簡単に分離ができるというのも大きな魅力のひとつだ。
内部は、ベッドはもちろん、コンロ、シンク、シャワーやトイレなどひと通り備わり、居住性も驚くほどよい。ピックアップオーナーなら、ぜひとも選択肢に加えたいキャンピングカーである。
シルエットにこだわるなら、フルサイズピックを選べ!
トラックキャンパーの醍醐味を語る上で、フルサイズピックアップの存在を避けることはできないだろう。大きなピックアップの荷台に巨大なシェルを背負ったキャンパーは、いかにもアメリカっぽい雰囲気を醸し出している。
Lance 865 × 2003 DODGE RAM 1500(ランス865×ダッジラム1500)
今回紹介するシェルはアメリカ製の老舗Lance社製で、トラックキャンパー専門店「ミスティック」にて日本の気候に合わせて各部のシール性能を強化しているほか、電圧の変更など日本で使うためのモディファイが施されている。合わせたのはバランスも考えてフルサイズピックのダッジラムだ。
オーバーハングがさらに長くなるが、フルサイズピックアップに搭載しているだけに、プロポーションは悪くない。これならシルエットもカッコいい。大型のピックアップに合わせてシェルもかなり大型なので、居住性能はかなり高い。バンクベッドと呼ばれるキャビン上にせり出したスペースのベッドは、一般家庭のダブルベッドよりも遥かに大きく、内装も驚くほど豪華なのだ。
さすがフルサイズのダッジラム! Lance 865の内部はこんなに広い。
車体後部からシェルの中に入ると、まずその広さに驚かされる。シェルの幅はトラックの横幅いっぱいまで広がるので2mを超す広さがあり、内部にはキッチンやシャワー、トイレなどもしっかりと備わり、ベッドは驚きのクイーンサイズ! さらにダイニング部分もベッドになるため、大人2人と子供2人なら楽に就寝が可能。
バンクベッドから車内を見下ろすと、全体のレイアウトが非常に計算されていることがわかる。車体上部のいたるところに収納スペースがあるのも大きな魅力だ。
入ってすぐにあるダイニングテーブルとチェアは、簡単にベッドになる構造。手前左側がトイレ&シャワースペースとなる。
トイレ&シャワールームもかなり広く、大人がゆったりと立ったままシャワーを浴びることが可能だ。
キッチンは大きなシンクはもちろん、3口のコンロまで備える本格的なもの。対面側に大きな冷蔵庫もあり、使い勝手も良好だ。これでキャンプだけでなく、旅先での車中泊も楽々。キャンピングカーを手に入れるなら、フルサイズピックアップとシェルという選択肢もなかなかよさそうだ。
(出典/「Lightning 2018年8月号 Vol.292」)
Text&Photo/D.Katsumura 勝村大輔
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