アウトドア好きが愛用する「ダナーライト」ってどんな靴? ダナー(DANNER)が誇る人気モデルも一挙紹介。

1932年にアメリカで創業、老舗アウトドアブーツブランドの定番として揺るぎない地位を確立したダナー。その長い歴史を辿ると、当初は低価格のワークブーツを製造・販売するところからスタートし、第二次大戦中に造船所の靴と呼ばれる樵用の作業靴メーカーとして一躍有名に。’60年代にはハイキングブーツを生産ラインに加え、マウンテントレイルモデルを発表、バックパッカーの間で絶大な人気を博した。

1959年には、アメリカで初めてビブラムソールを用いたシューズを開発し、ʼ60年代にはバックパッカーマガジンでマウンテントレイルが紹介されるなど、アウトドア業界で一躍知名度を上げる「ダナー」。その後、1979年に世界で初めてゴアテックスを採用したダナーライトをリリース。ゴアテックスを使用するには、必ずゴアテックス社にモデルごと送り、基準をクリアするために何段階ものテストをくぐり抜ける必要があるため、この事実が今でもブランドの高い機能性を保証するアイデンティティとなっている。

さらにそれを裏付ける要素が、アメリカ陸軍・海軍・空軍や日本の一部自衛隊に採用された事。これらによって、今ではワーク、ハンティング、ミリタリー、それぞれのカテゴリでトップブランドとしてのポジションを獲得。日本でもアウトドアシーンはもちろん、ブーツファッションにおいても欠かせない存在となっている。「ダナーライト」「マウンテンライト」の2大ブーツはアメカジを語る上で外せないモデルである。加えて根強い人気の「フェザーライト リバイバル」の定番モデル3足の特徴やディテールについて詳しく紹介していこう。

▼ミリタリー仕様ダナーはこちらの記事をチェック!

民間モデルとは一味違う、「DANNER(ダナー)」のミリタリーラインの機能美。

民間モデルとは一味違う、「DANNER(ダナー)」のミリタリーラインの機能美。

2022年12月26日

1.ダナーライト(DANNER LIGHT)|世界で初めてゴアテックスを採用したブーツ。

ブラウンやカーキといったミリタリーライクなカラーをアッパーやシューレースに施すことで、よりアウトドアな印象になる。7万4800円

世界で初めてゴアテックスを採用したダナーのフラッグシップモデル。発売から40年以上、変わらぬデザイン。アウトドアシーンでは品格をまとい、様々な環境に耐えうる機能性を持つ。今もなおオレゴン州ポートランドの工場でハンドメイドによるステッチダウン製法で作られている。

完全防水であり、その真価はアウトドアシーンで発揮されるが、足馴染みがよく街でも違和感がないスタイルだから普段履きでもイケる。

カラーリングをオールブラックにすることで、よりシックな雰囲気が演出可能に。アーバンシーンでも活躍すること間違いなし。このほかに、ブラウンカラーのCEDAR BROWNも新しくラインナップされている。

「ダナーライト」のディテールをチェックしてみよう。

ポートランドにある工場ではほとんどの工程を手作業で行う。メイド・イン・USAの証がそれを証明している。

革と1000デニールナイロンを組み合わせることで軽量化を図っている。ウォータープルーフフルグレインレザーに加えて、ゴアテックスを採用したことで完全防水を実現。

職人による見事な縫製。長年に渡る使用にも耐える。ソールはビブラム社のクレッターリフトソールを採用。

経年変化も気になる! エイジングサンプルもチェック!

DANNER LIGHT
着用年数:5年
メンテ方法:適宜オイル入れとブラッシング。

2.マウンテンライト(MOUNTAIN LIGHT)|ダナーの登山靴と言えばコレ。マウンテントレイルの後継。

クラシックな面持ちでありながらブーツとは思えない快適性 を持つと同時に、ブ ーツならではの堅牢性も併せ持った一足。 7万4800円

1960年代、バックパッカー雑誌に「最も登りやすいブーツ」と取り上げられるなど、バックパッカーの間で絶大な人気を誇ったマウテントレイルの後継モデル。1980年代前半に発売以来、誕生から30年以上経った今もマウンテンブーツの定番として人気がある。

防水・透湿性能に優れたゴアテックスブーティーにより、アウトドアシーンでの機能は申し分なく、ファッション性を兼ね備えたシンプルなルックスも人気。安定感を重視した広いプラットフォームにはビブラムクレッターリフトを採用し、耐摩耗と高いグリップ性を実現させた。ゲリラ豪雨に見舞われても足元は安心。

ブラウンと同じくダナー式ステッチダウン製法を採用。 ブラックはよりシックな印象で、アーバンなシーンにもピッタリ。このほか、MOUNTAIN LIGHT CASCADEがラインナップ。

「マウンテンライ」のディテールをチェックしてみよう。

防水・透湿性能に優れたゴアテックスブーティーを使用。ダナー式ステッチダウン製法による排水性能で水が溜まりにくくなっている。

アッパーはウォータープルーフフルグレインレ ザー。PUミッドソールを挟むことでクッション性も向上した。ソールは交換も可能だ。

経年変化も気になる! エイジングサンプルもチェック!

MOUNTAIN LIGHT
着用年数:3年
メンテ方法:適宜オイル入れとブラッシング。

3.フェザーライト リバイバル(FEATHER LIGHT REVIVAL)|フェザーライトの復刻モデル。

ブーツとは思えない軽さに加え、ゴアテックスによる防水性や、蒸れにくい快適さまでも実現させた一足。6万2700円

1980年代前期に登場したフェザーライトをリバイバル。重たいアウトドアブーツだらけだった市場に一石を投じた名作として知られ、ダナーライトをより軽くして、タウンユースにも対応できるようにカットを低くしたデザインを有する。ウォータープルーフフルグレインレザー、1000デニールナイロン、ゴアテックスブーティー、ビブラムクレッターリフトなど基本性能はダナーライトと同じ。ちなみに、現行の「フェザーライト」はGUNMETALというカラーを採用している。

「フェザーライト リバイバル」のディテールをチェックしてみよう。

ヒール部分外側に縫い付けられたゴアテックスのタグ。ソックスの形状を組み込んで足全体を覆うことで、防水を実現させている。

アッパーは上質な風合いのフルグレイン防水オ イルドレザーと1000デニールナイロンを組み合わせ頑強さと通気性を両立。

ライトニング編集部の評判は? 編集部員の“最推し”はコレだ!

数々のブーツを履いてきたライトニング編集部の面々。ダナーももちろん愛用者の多いブーツのひとつだ。そこで一家言ある編集部員たちが、ダナーのブーツの中から“最推し”を選出。定番以外のモデルにも注目だ。

1.ダナーライトリバイバル(DANNER LIGHT REVIVAL)|往年のダナーの名作を、昔のディテールを落とし込んで再構築。

DANNER LIGHT REVIVAL 7万4800円

「ダナーの限定復刻モデルがこちら。これはダナーに40年以上勤めているパタンナーによってオリジナルモデルを再現させた、リバイバルモデルとなる。どこが通常モデルと異なるかというとまず、シュータン部分の窓あきデザイン。またアイステイの立ち上がりからの補強の三角ステッチや、ラウンド感の強いサイドパターンも特徴だ。そしてTバックと呼ばれるヒールカウンターのデザインは、ダナーファンにとって垂涎のモデルとなるはずだ」(ミリタリー担当・ADちゃん)

2.ANTIGO(アンティゴ)|ダナーを代表する革靴のロングセラーモデル。

ANTIGO 4万700円

「ハードなブーツはバイク用。普段履きのブーツはチャッカやサイドゴア。いずれにせよ履き心地が一番大事。ダナーのアンティゴのホットワックス製法による独特のタッチと深い光沢をもつダークブランはどんなコーデにも不思議と合う。ホーウィン社のクロムエクセルレザーはいつも磨いて綺麗に履きたいです」(旧車&バイク担当・イスカンダル功)

3.ウエストサム(WEST THUMB)|ダナーのサイドゴアブーツといえばコレ。

WEST THUMB 4万700円

「バイカー目線でもう一足セレクト。アッパーには経年変化が楽しみなホーウィン社のクロムエクセルレザーを使用したウエストサムも注目したい一足。ソールは耐摩耗性にも優れるビブラムのタイガムソールだ」(旧車&バイク担当・イスカンダル功)

▼ライトニング誌面でもお馴染みのスタイリスト中島さんの愛用モデルも面白いのでぜひ。

俺の愛用ブーツは、40 年以上も愛されるフラッグシップモデルなのだ !!

俺の愛用ブーツは、40 年以上も愛されるフラッグシップモデルなのだ !!

2022年10月31日

ダナーブーツのお手入れの方法と保管方法。

ダナーを代表するマウンテンブーツ「ダナーライト」。ゴアテックスを内蔵しているため防水性も高い。登山靴はホールド感が重要なので、革を柔らかくするミンクオイルのメンテは基本的にはNG。ブーツドレッシッング、 ブーツクリーナー、ミニ馬毛ブラシ、ウェス、あとはスポンジがあればメンテナンス可能だ。スポンジ以外がセットになったダナーから出ている便利なシューケアセットもあるのでおすすめ。

防水性なので、まずは汚れを水洗いし、専用クリーナーで洗っていく。乾燥後、ドレッシングを薄く塗りこんみ、ブラッシングすればOK。詳しくは下記記事をチェックしてみてほしい。

「スタンプタウン」直伝! 「ダナーライト(DANNER LIGHT)」のお手入れ術と保管のポイント。

「スタンプタウン」直伝! 「ダナーライト(DANNER LIGHT)」のお手入れ術と保管のポイント。

2022年12月26日

【問い合わせ】
ダナー (DANNER JAPAN)
https://jp.danner.com/

(出典/「Lightning Vol.345、332」「Lightning特別編集 ザ・ブーツバイブル」「別冊Lightning Vol.190 ブーツの教科書」)

この記事を書いた人
サカサモト
この記事を書いた人

サカサモト

アメカジ系動画ディレクター

Lightning、2nd、CLUTCH Magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」のディレクター。元Lightning副編集長ということもあり、クルマ、バイク、ミリタリーなど幅広い分野に精通。現在はもっぱら動画作成機材に夢中。ニックネームは、スキンヘッドにヒゲ面をいう「逆さ絵」のような顔に由来する。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

上野・アメ横の老舗、中田商店のオリジナル革ジャン「モーガン・メンフィスベル」の凄み。

  • 2025.12.04

ミリタリーの老舗、中田商店が手掛けるオリジナルブランド、「MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン・メンフィスベル)」。その新作の情報が届いたぞ。定番のアメリカ軍のフライトジャケットから、ユーロミリタリーまで、レザーラバー垂涎のモデルをラインナップしているのだ。今回は、そんな新作を見ていこ...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...