1959年には、アメリカで初めてビブラムソールを用いたシューズを開発し、ʼ60年代にはバックパッカーマガジンでマウンテントレイルが紹介されるなど、アウトドア業界で一躍知名度を上げる「ダナー」。その後、1979年に世界で初めてゴアテックスを採用したダナーライトをリリース。ゴアテックスを使用するには、必ずゴアテックス社にモデルごと送り、基準をクリアするために何段階ものテストをくぐり抜ける必要があるため、この事実が今でもブランドの高い機能性を保証するアイデンティティとなっている。
さらにそれを裏付ける要素が、アメリカ陸軍・海軍・空軍や日本の一部自衛隊に採用された事。これらによって、今ではワーク、ハンティング、ミリタリー、それぞれのカテゴリでトップブランドとしてのポジションを獲得。日本でもアウトドアシーンはもちろん、ブーツファッションにおいても欠かせない存在となっている。「ダナーライト」「マウンテンライト」の2大ブーツはアメカジを語る上で外せないモデルである。加えて根強い人気の「フェザーライト リバイバル」の定番モデル3足の特徴やディテールについて詳しく紹介していこう。
▼ミリタリー仕様ダナーはこちらの記事をチェック!
1.ダナーライト(DANNER LIGHT)|世界で初めてゴアテックスを採用したブーツ。
世界で初めてゴアテックスを採用したダナーのフラッグシップモデル。発売から40年以上、変わらぬデザイン。アウトドアシーンでは品格をまとい、様々な環境に耐えうる機能性を持つ。今もなおオレゴン州ポートランドの工場でハンドメイドによるステッチダウン製法で作られている。
完全防水であり、その真価はアウトドアシーンで発揮されるが、足馴染みがよく街でも違和感がないスタイルだから普段履きでもイケる。
カラーリングをオールブラックにすることで、よりシックな雰囲気が演出可能に。アーバンシーンでも活躍すること間違いなし。このほかに、ブラウンカラーのCEDAR BROWNも新しくラインナップされている。
「ダナーライト」のディテールをチェックしてみよう。
ポートランドにある工場ではほとんどの工程を手作業で行う。メイド・イン・USAの証がそれを証明している。
革と1000デニールナイロンを組み合わせることで軽量化を図っている。ウォータープルーフフルグレインレザーに加えて、ゴアテックスを採用したことで完全防水を実現。
職人による見事な縫製。長年に渡る使用にも耐える。ソールはビブラム社のクレッターリフトソールを採用。
経年変化も気になる! エイジングサンプルもチェック!
DANNER LIGHT
着用年数:5年
メンテ方法:適宜オイル入れとブラッシング。
2.マウンテンライト(MOUNTAIN LIGHT)|ダナーの登山靴と言えばコレ。マウンテントレイルの後継。
1960年代、バックパッカー雑誌に「最も登りやすいブーツ」と取り上げられるなど、バックパッカーの間で絶大な人気を誇ったマウテントレイルの後継モデル。1980年代前半に発売以来、誕生から30年以上経った今もマウンテンブーツの定番として人気がある。
防水・透湿性能に優れたゴアテックスブーティーにより、アウトドアシーンでの機能は申し分なく、ファッション性を兼ね備えたシンプルなルックスも人気。安定感を重視した広いプラットフォームにはビブラムクレッターリフトを採用し、耐摩耗と高いグリップ性を実現させた。ゲリラ豪雨に見舞われても足元は安心。
ブラウンと同じくダナー式ステッチダウン製法を採用。 ブラックはよりシックな印象で、アーバンなシーンにもピッタリ。このほか、MOUNTAIN LIGHT CASCADEがラインナップ。
「マウンテンライ」のディテールをチェックしてみよう。
防水・透湿性能に優れたゴアテックスブーティーを使用。ダナー式ステッチダウン製法による排水性能で水が溜まりにくくなっている。
アッパーはウォータープルーフフルグレインレ ザー。PUミッドソールを挟むことでクッション性も向上した。ソールは交換も可能だ。
経年変化も気になる! エイジングサンプルもチェック!
MOUNTAIN LIGHT
着用年数:3年
メンテ方法:適宜オイル入れとブラッシング。
3.フェザーライト リバイバル(FEATHER LIGHT REVIVAL)|フェザーライトの復刻モデル。
1980年代前期に登場したフェザーライトをリバイバル。重たいアウトドアブーツだらけだった市場に一石を投じた名作として知られ、ダナーライトをより軽くして、タウンユースにも対応できるようにカットを低くしたデザインを有する。ウォータープルーフフルグレインレザー、1000デニールナイロン、ゴアテックスブーティー、ビブラムクレッターリフトなど基本性能はダナーライトと同じ。ちなみに、現行の「フェザーライト」はGUNMETALというカラーを採用している。
「フェザーライト リバイバル」のディテールをチェックしてみよう。
ヒール部分外側に縫い付けられたゴアテックスのタグ。ソックスの形状を組み込んで足全体を覆うことで、防水を実現させている。
アッパーは上質な風合いのフルグレイン防水オ イルドレザーと1000デニールナイロンを組み合わせ頑強さと通気性を両立。
ライトニング編集部の評判は? 編集部員の“最推し”はコレだ!
数々のブーツを履いてきたライトニング編集部の面々。ダナーももちろん愛用者の多いブーツのひとつだ。そこで一家言ある編集部員たちが、ダナーのブーツの中から“最推し”を選出。定番以外のモデルにも注目だ。
1.ダナーライトリバイバル(DANNER LIGHT REVIVAL)|往年のダナーの名作を、昔のディテールを落とし込んで再構築。
「ダナーの限定復刻モデルがこちら。これはダナーに40年以上勤めているパタンナーによってオリジナルモデルを再現させた、リバイバルモデルとなる。どこが通常モデルと異なるかというとまず、シュータン部分の窓あきデザイン。またアイステイの立ち上がりからの補強の三角ステッチや、ラウンド感の強いサイドパターンも特徴だ。そしてTバックと呼ばれるヒールカウンターのデザインは、ダナーファンにとって垂涎のモデルとなるはずだ」(ミリタリー担当・ADちゃん)
2.ANTIGO(アンティゴ)|ダナーを代表する革靴のロングセラーモデル。
「ハードなブーツはバイク用。普段履きのブーツはチャッカやサイドゴア。いずれにせよ履き心地が一番大事。ダナーのアンティゴのホットワックス製法による独特のタッチと深い光沢をもつダークブランはどんなコーデにも不思議と合う。ホーウィン社のクロムエクセルレザーはいつも磨いて綺麗に履きたいです」(旧車&バイク担当・イスカンダル功)
3.ウエストサム(WEST THUMB)|ダナーのサイドゴアブーツといえばコレ。
「バイカー目線でもう一足セレクト。アッパーには経年変化が楽しみなホーウィン社のクロムエクセルレザーを使用したウエストサムも注目したい一足。ソールは耐摩耗性にも優れるビブラムのタイガムソールだ」(旧車&バイク担当・イスカンダル功)
▼ライトニング誌面でもお馴染みのスタイリスト中島さんの愛用モデルも面白いのでぜひ。
ダナーブーツのお手入れの方法と保管方法。
ダナーを代表するマウンテンブーツ「ダナーライト」。ゴアテックスを内蔵しているため防水性も高い。登山靴はホールド感が重要なので、革を柔らかくするミンクオイルのメンテは基本的にはNG。ブーツドレッシッング、 ブーツクリーナー、ミニ馬毛ブラシ、ウェス、あとはスポンジがあればメンテナンス可能だ。スポンジ以外がセットになったダナーから出ている便利なシューケアセットもあるのでおすすめ。
防水性なので、まずは汚れを水洗いし、専用クリーナーで洗っていく。乾燥後、ドレッシングを薄く塗りこんみ、ブラッシングすればOK。詳しくは下記記事をチェックしてみてほしい。
【問い合わせ】
ダナー (DANNER JAPAN)
https://jp.danner.com/
(出典/「Lightning Vol.345、332」「Lightning特別編集 ザ・ブーツバイブル」「別冊Lightning Vol.190 ブーツの教科書」)
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