軍用装備が付いたヴィンテージハーレー「WLA」が愛車。
「子供の頃からミリタリーの飛行機や戦車が好きでいつかWLAに乗りたいと思っていました」。そう語るのは神奈川県逗子市に住む和田大輔さん。祖父の代からバイク好きの一家に生まれ育ち、今でも仕事を終えて家に帰ったらまずはバイクで走りに出かけ、帰って来たらガレージで整備やメインテナンスに勤しむ生活を20年以上続けている。
そんな和田さんが幼い頃は、プラモデルに熱中する少年だったと言う。当時衝撃を受けたのが“TAMIYAのミリタリーポリスセット”だ。兵士の隣に並ぶオリーブドラブでペイントされた軍用ハーレーはミリタリー少年の心を鷲掴みにした。そして、大人になって当時憧れたハーレーの軍用車で今でも走っている車両があることを知り、時間をかけて探してスワップミートで発見したこのWLAを手に入れた。「戦車や飛行機は一般人は乗れないけど、ハーレーなら乗れると思って一生懸命探しました(笑)」
和田さんは10代の頃から、父親と共有するガレージで、解体屋からもらってきたバイクなどをバラしては組んでを繰り返し、整備の技術を身につけたと言う。この車両も一度もプロショップに預けることなく、すべて自分の手で整備を施してきた。
「当時最先端のOHVではなくフラットヘッドがアメリカ軍の多くの部隊で採用されたのは整備性の高さが理由だと言われていますが、自分でいじっているとそれがよくわかります。構造がシンプルだし、とにかくタフ。軍用車ならではの装備も面白いし、毎日気軽に乗れてストーリーも自分の趣味にぴったりなこのWLAは、どのバイクよりも思い入れが強いですね」
すべての整備・カスタムは自宅ガレージで行い、こだわりを持って乗る。
幼い頃からバイクをいじり続けていると言う和田さんは、基本的なメインテナンスからオーバーホールなどのエンジンワークまですべて自ら行っている。仕事が終わったら毎日走りに行き、寝る前の時間をこのガレージで過ごしていると言う。
軍モノは戦うための高いスペックを備えているため、その性能はバイクライドでも活躍する。’70sのデッキジャケット、民間仕様のM-65、U.S.Nのオーバーパンツを愛用。ミトングローブは、銃を弾けるように人差し指のスペースが用意された軍用ならではの作りである。
上の工具箱のような箱は、当時兵士が走り出す前にポイントやコイルの状態を確認するための専用テスター。WLAのマニュアルは何冊も揃え、整備に役立てている。
『メモマニア』と自称する和田さんは、WLAに限らずすべての車両において、自ら行った整備の記録からその日走った距離や感想などを毎日メモに残していると言う。イラスト付きの整備メモやマニュアルを和訳したノートは和田さんのガレージライフにはもはや欠かせない存在なのだ。
(出典/「Lightning 2019年2月号 Vol.298」)
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