【業界人の愛用品】作り手の魂が込められた良質なもの選び。|FULLCOUNT/辻田幹晴さん

出会ったその日から愛用品になるものもあれば、使ってみたものの、やはり自分には合わないと手離してしまったものもあるかもしれない。ここでは業界人の愛用品を紹介。長く使ったものには理由がある。ヴィンテージデニムと出会い、長年ジーンズなどのものづくりに関わってきたフルカウントの辻田さんに、その理由を聞いた。

飽きずにヘビーユースできるプロダクツかどうか。

1966年生まれ。ヴィンテージデニムとの出逢いを発端にデニム作りへと傾倒し、1992年にFULLCOUNTを設立。2021年スタートの風呂愛好家のためのFulocountも好評

「モノを買うときに大切にしているのは、ずっと使い続けられるものか、飽きずに使えるか、そしてヘビーユースに耐えられるクオリティか。この3つが大きな基準になっています。もちろんパッと見で気に入ったものや着たい、持ちたいというセオリーはあります。ただ、必然的に同じものを長年にもわたり、作り続けてきたプロダクツであったり、さらに作り手の魂が込められたものというと少し大袈裟ですが、しっかりとポリシーを持って作られてきたものを手に取ってきたので、いまでも充分に使えているんだと思います」

四半世紀以上も、ジーンズをはじめとするものづくりに携わってきたフルカウント代表の辻田さん。彼の愛用品のほとんどが20年選手、それ以上のものが多い。しかもどのアイテムもデイリーに使用してきたものばかりで、それぞれに味わい深いエイジングが見られるものの、大切に使ってきたことを窺い知ることができる。

「限定ものが好きという人もいますが、一回こっきりのプロダクツに良いものは少ないと思っているので、ボク自身あまり興味がないですね。それよりも何百年もの歴史があって、今でも定番として使えて、時代とともに自分の体に馴染んでいくプロダクツが好きです」

「FULLCOUNT」辻田幹晴さんの愛用品。

1.DENIM PANTS / FULLCOUNT

数多のジーンズを穿いてきた辻田さん。リペア痕と破れが印象的なジーンズは10年ほど前に穿き下ろたもの。「一般的に色落ちの良いデニムとかあるのですが、ボクのデニム選びの基準は縦落ちとか髭とかではなく、穿いていていかに気持ちが良いか。リペアをしても次々と破けてくるのが面倒で、ホームセンターで売っている銀のガムテープでセルフリペアしながら穿き続けてきた1本です」

2.COAT&BAG / Hermès

初めてパリに行った97年頃。サントノーレの本店で購入したダッフルコートと若かりしころ毎日のように持ち歩いていたトートバッグ。「見た目の重量感に反し、袖を通せば軽く、もちろん肌触りの良い究極のダッフルコートです。バッグは、ビーントートを使うがごとくヘビーユースしていました。どちらも25年以上も使い続けたわりにヘタっていないのは、作りの良さが理解できますよね」

3.WATCH/ROLEX×Cartier

歴代ROLEXのなかでも別格とされるポールニューマンモデル。なかでも超希少なCartierとのWネーム。「当時から最高峰の時計として知られていた1本。ジーパンはもちろん、どんなスタイルにも合わせやすいですが、最近は気軽に着けられなくなりました(笑)」

4.SHOES / STEFANO BI

27年ほど前に妻からサプライズでプレゼントされたイタリア靴の名門STEFANO BIのシューズ。「元々は黒だったんですけど、経年変化で茶芯が出てきています。ドレスシーンで履くわけではなく、普段ジーパンに合わせることが多いから、ワークっぽいツラになっているのも好き」

5.JACKET&T-SHIRT / LEVI’S,POLO SPORT

25年前に購入したLEVI’Sの1stモデル。ビッグサイズのみの仕様であるいわゆるTバックと呼ばれる背面が特徴だが、当時は背中の接ぎのデザインが「嫌やな」くらいにしか思っていなかったという。インナーに着用の赤のボーダーTシャツはPOLO SPORT。「Gジャンは、もっとバッキバキだったんですけど、普通に着てこの色落ちに。茶綿を使ったデニム生地は、独特なインディゴの深さがあるので好き。Tシャツは、22年前、当時10歳だった長女からの誕生日プレゼント。そのときの父のイメージは赤だったみたい」

最近買ったもの、ハマっているもの

肌触りが良く、ヘタレにくいことから、リピートし続けているフルカウントのソックス。靴下の産地で有名な奈良県の工場で、旧いダブルシリンダーの機械で編まれたもの。

(出典/「CLUTCH2022年8月号 Vol.86」)

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