5.襟の形状
見た目の雰囲気を大きく左右する襟型こそが、シャツの顔と言える。合わせるタイやスタイル全体のムードを考慮しながら、いくつかの種類を保有しておきたい。
ラウンド
襟の先端部分を尖らせずに、丸みを持たせた襟型。柔らかい雰囲気を醸し出せるのが特長で、オーダーシャツでも人気あり。
ウイング
フォーマルシャツに用いられる襟型で、襟先だけを前に小さく折り返した立ち襟のこと。フランス語ではコルカッセと呼称。
ホリゾンタル
「水平の」という意味を持つホリゾンタルが指し示すとおり、両襟の開きがほぼ水平になっている。ノータイでも品格あり。
ワイド
両方の襟によって生まれる角度が広いものを言う。その開きの角度は、およそ100〜140度。ウインザーカラーとも呼ぶ。
セミワイド
ご覧のとおり、襟の開きの角度がレギュラーとワイドの中間にある襟型。90度を少し超えて100度くらいまでの角度。
レギュラー
襟先までの長さはおよそ6.5〜7.5cm。開きは75〜90度。クセがない見栄えで、様々なシャツに標準的に用いられる襟型。
6.柄
英国の東インド会社が〝マドラス地方の薄手の綿織物にタータンチェックを投下〟して生まれたマドラスチェックなど、アメトラな着こなしに欠かせない柄をピック。
キャンディストライプ
ボタンダウンシャツに使われるオックスフォード地でお馴染み。赤、黄、緑、青など、キャンディ調の明るい色が映える。
ロンドンストライプ
トラッドスタイルには欠かせない定番ストライプのひとつ。地と色の幅が等間隔になっていて、3〜5㎜くらいのもの。
ボールドストライプ
ボールドは、太いという意味。本来は1.5㎝幅以上の極太ストライプを指すが、現在では太めのストライプを指して言う。
ギンガムチェック
主に白を基調にして青や赤など一色のみを使った格子が、縦横とも同じ太さで小ぶりに配される。フレンチシックな印象も。
タッターソール
白やベージュなどの明るい地色に2色(多くは赤と青)の細い縞が交差したチェック柄。爽やかで小粋なムードがウリだ。
マドラスチェック
1920年代にブルックスブラザーズがこの柄のシャツやジャケットを作って大ヒット。以来、優等生の夏の装いとして定着。
7.ダブルカフス
袖のなかでも袖口=カフスは周囲からの視線が集まりやすい場所だ。すなわち、ここが洒落者の楽しみどころと言えよう。
カフリンクス
ダブルカフスを留める小物。装飾要素の乏しい紳士の装いにおいて格別な存在。
8.前立ての形状
前立てとは、左右の身頃の合わせ部分を指す。表前立て=プラケットフロント、裏前立て=フレンチフロント、比翼=フライフロント、被り=プルオーバーに大別される。
裏前立て
シャツの前端を外側ではなく内側に折り込んで、すっきりとドレッシーな印象に。
表前立て
ボタンダウンシャツと言えば、こちら。前端を折り返した帯状のデザインが特徴。
プルオーバー
ボタンが裾まであしらわれない、被りのデザイン。スモックなどの作業着に多い。
比翼
前立てを二重にしてボタンを見えなくしたデザイン。フォーマルなシャツに多い。
9.台襟
襟を支える土台になり、シャキッとした襟のフォルムの基礎部分になってくれる。襟と身頃の間に帯状で施される。
10.背面
シャツの背面には機能的な工夫が盛り込まれる。ロッカールームで便利なループや着心地をよくするためのプリーツだ。
ボックスプリーツ
ボタンダウンシャツでお馴染み。背中の中央部分にボックス型のプリーツが走る。
サイドプリーツ
腕の動きに合わせて可動域を確保するプリーツがバックヨーク下部の両サイドに。
ハンガーループ
フックに吊るすためのループがバックヨークの下部に。アイビーなディテールだ。
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2024年5月号 Vol.204」)
Photo/Yuco Nakamura, Yoshika Amino Text/Kiyoto Kuniryo, 2nd Magazine
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