【ジャパントラッドを担う、注目の10人】「D.C.White」クリエイティブディレクター・石原協さん

  • 2023.05.08
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風合い面構えなど、非常に感覚的な部分を共有しなければならない、メンズカジュアルの服作りにおいて国産であることは大きなアドバンテージだ。その感覚を的確に持つデザイナー10名に注目した。その1人、流行とは関係なく、一生涯にわたって着られるジャパントラッドを生み出せるのがDCホワイトの石原協さんだ。生地づくり、染め、裁断や縫製における日本の工場の良心が、ことごとく注ぎ込まれている。

DCホワイトクリエイティブディレクター・石原協さん1973年生まれ。高校時代はラグビー部で活躍。2016D.C.ホワイトを始動。「アメリカ東海岸発祥のアイビースタイルを現代的に表現するブランド」として22年春にリブランディング

チノーズカルチャーがジャパントラッドに昇華。

洗いざらしでシワも気にせずラフに着れるカジュアルなスリーピースが休日スタイルを劇的に変化させる。ジャケット4万9500円、ベスト2万7500円、パンツ2万4200円/すべてD.C.ホワイト(ステイ オア ゴー デスク TEL03-6447-5095)、BDシャツ2万2000円/ファーイースト マニュファクチュアリング(エスビープラニング TEL03-5774-8166)、タイ1万6500円/アナトミカ(アナトミカ 東京 TEL070-3144-0378)、ベルト9900円/セプティズ(セプティズ TEL03-5481-8651)、メガネ3万5200円/ユウイチ トヤマ ディー(アトリエサンク TEL03-6407-0990)、タッセルローファー16万5000円/アーチケリー(アーチケリー TEL090-4924-6826)

アイビースタイルをベースにしながら、いまこそ着たいスタンダードスタイルを提案してくれるのがDCホワイト。クリエイティブディレクターの石原協さんは、もともとドレス畑のつくり手だった。すなわち、スーチングに対する知性と感性も兼ね備えている。そんな彼がスリーピースのスーツを手がけると、こうなった。

今作のプロジェクトネームは「The K HAKI」だ。毎シーズン、ひとつのアイテムに焦点を当てて、歴史的背景の研究に始まり、素材や縫製、パターンメイキング、付属の選定までのすべてにこだわり抜いて製作するアルティメットコレクションからのリリースとなる。

「〝スリーピースのスーツを普段着にしたい〟という想いから、今季のアルティメットコレクションはスタートしました。20番単糸の経糸、10番単糸の緯糸をそれぞれ3本撚りにして左綾の生地をつくるところから始めています。

カーキとは、もともとヒンドゥー語で土色を意味する言葉です。本物のチノクロスに見られたオリジナルカーキカラーを再現するべく、幾度もの染色テストを経て、ようやく今作の色合いにたどり着きました。そこからは、ジャケット、パンツ、ベストのそれぞれを得意とする工場にて縫製し、それぞれにテーラリングの技術を詰め込んでいます」

織って、染めて、縫っての全工程が日本の各地で行われている。本頁では紙幅の関係でチノクロスの歴史を改めて語ることはしないが、英国インドフィリピンアメリカと地球を旅して生まれ、そこからさらに大いなる時間をかけて育ってきたチノーズ文化が、この春、正真正銘のジャパントラッドに昇華したと言えるだろう。

「通常のスリーピーススーツは着こなしにルールがありますよね。しかし、こちらは自由です。ボタンダウンシャツをタイドアップしても、ジャケットのラベルの上にオープンカラーのマドラスチェックシャツの襟を出して着ても、ベストなしでヘンリーネックTやリンガーTなどのアメカジ系インナーを挿してみてもいいと思います」

思いっきり着倒し、何度も洗いをかけて、自分の身体に馴染ませ、シワなど気にすることなく(むしろ、シワが格好いい)、特別な愛着を持ってつきあっていく。そんなジャパントラッドが完成。

シワクチャで着てもらえたら、このスリーピースは喜びます。|D.C.ホワイトのチノクロススリーピース

発想の起点から製造の終点までALL MADE IN JAPANで生まれてきたチノクロス素材のスリーピース。ウエポンほど硬さのないチノクロスにすることで、適度なハリと着心地の柔らかさを両立させ、自然に生まれるシワの味わいを追求。パンツのウエスト裏にロゴ入りマーベルト、背面に尾錠が付くなど、隅から隅までこだわりが満載。「シワクチャで着てほしい」と石原さんは語る。ジャケット49500円、ベスト27500円、パンツ24200

ナチュラルショルダー

着る者の首にラペルが沿ってくれる。この襟の昇りからナチュラルショルダーにかけての美しいラインに石原さんは自信をのぞかせる。肩にかかる重さが分散され、着心地はノンストレスだ。

アーム

人が自然に立っているとき、肘がわずかに曲がることで腕は少し前振りになっている。それに合わせて、ジャケットの袖も自然な前振りの設計。仕立てのいいジャケットに見られる仕様だ。

ラペル

アメリカントラッドの伝統を踏襲して、ジャケットの合わせは段返りの3Bに。 ペタッと折り返ってしまっているラペルでは風格も味わいも台無しだが、今作はフワッと柔らかい返りを見せる。

Vゾーン

ベストのデザインは1950年代のアメリカに見られたスーツのベストにインスパイア。Vゾーンは、狭めを意識しているとのことだ。細身のタイを合わせてシャープな見映えを狙ってみたい。

バックアジャスター

石原さんは、背面にある尾錠を使ってベストのウエスト部分を絞って着ることをオススメしている。これによって太めのパンツとのシルエットのメリハリが明快になり、着こなしが躍動する。

【問い合わせ】
ステイ オア ゴー デスク
TEL03-6447-5095
https://mida2018.jp/dc

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2023年5月号 Vol.194」)

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