ロイヤルワラントに魅せられた男の秘蔵コレクション。

確固たる審美眼をもつ人ほどロイヤルワラントに惹かれるのはなぜか。ワラントホルダーの製品でしか得られない利点とはなにか。この英国王室御用達認定証に、単なる品質保証以上の価値を見出している、業界きっての愛好家に、ロイヤルワラントの魅力と愛蔵品について大いに語ってもらった。

深遠な英国文化に触れられる高揚感こそが真なる魅力。

大学時代に英国製品を扱うアパレルショップでバイトしはじめたことで、ロイヤルワラントに魅了されはじめたという坂本さん。

「ジェームス ロックのハットを販売していたんですが、店の先輩にここは2ワラントでね…”という背景を聞き、ワラント自体に興味が湧いて、関連書籍を購入。勉強するうちにすっかり虜になってしまったんです」。

以来今日まであらゆるジャンルのワラントホルダー製品を買い集めてきた。

「ファッションだけじゃなく、日用品にもワラント製品はあるし、高価な物だけじゃなく、安価で入手できる物もある。その奥深さに興味をそそられました。ロイヤルワラントは王室も認めたという品質保証の証であるだけではなく、歴史ある国の文化そのものに触れられる高揚感もまた魅力なんです。

それと広報業務に携わる身としては別の意味でも敬服しています。王室の品位を微塵も落とすことなく、自国の製品を広く世界にPRしている。これ以上優れたブランディングはないですよね」

「渡辺産業」プレス・坂本 竜さん

1.ロークのタッセルローファー

クラークス一本槍だった学生時代に、敬愛していたポール・ウェラーが履いていると聞いてすぐさま入手。黒とバーガンディのどちらにするか悩みに悩んだのを覚えています。ジェームス ロックのハットと合わせて週5で履いてました」

2.ジェームス ロックのハット

「魅惑のワラントワールドの入り口になった、思い出深いアイテム。ジャケッ トとシャツに黒スキニーパンツを合わせ、革靴を履いてここのハットを被るというのが、モッズスタイルにも傾倒していたバイト時の定番コーデでした」

3.スマイソンのマルチケース、メモ帳

「どちらも5年ほど前にヒースロー空港にあるスマイソンの免税店で購入しました。ケースはサブバッグとして活用してますが、メモ帳はもったいなくてなかなか使えず、もっぱら自社コンテンツの撮影プロップとして活用しています()

4.(左から)フォートナム&メイソンの紅茶/マルドンのシーソルト/シャボネル・エ・ウォーカーのチョコ/ハイグローブのショートブレッド

「英国に行った際、お土産としてよく購入するのが、ロイヤルワラントホルダーのお菓子や調味料。どれもパッケージのデザインが秀逸で、インテリア代わりにもなる。自宅用にも購入し、空になったら小物入れとして活用しています」

5.ジョンストンズ オブ エルガンのカシミヤストール

「あまりに肌触りが心地よくて、ここ数年で一気に買い足しました。世界中から最良のカシミヤを選び、ブレンドし、紡績し、漂白を最小限に抑えて染色し、織り上げたり編み立てて仕上げる。その背景にも惹かれます」

6.デンツのディアスキングローブ

「自分が務めている会社がデンツの競合ブランドの代理店であることもあり、ライバルを知っておこうと思いたって購入。アンライニングのディアスキングローブは、厚手なのに吸い付くような着用感で、名門の匠を感じさせられました」

7.ケントブラシのコーム

「血気盛んにワラント物を収集していた20代前半に購入しました。よく落として無くしていたので実はこれが3代目()。折り畳んでピンをジャケットの胸ポケットに挿すと、なんだか本物の英国紳士に近づけた気がするんですよね」

8.アクアスキュータムのステンカラーコート

5年前、宝探しをすべく英国に旅行に行った際、ブライトンの小さなリサイクルショップで発見。30ポンドという破格のプライスで入手できました。袖が短いのに反して着丈がかなり長くて、アンバランス感がユニークだなと」

9.バブアーのビデイル ワックス ジャケット

78年前、人と被りたくなくて購入したのが茶系のビデイル。大抵の方がセージを選んでスーツの外しなんかとして着用していたので、あえて土臭くいきたいなと。ワードローブに茶系のアイテムが多いので、今だに重宝しています」

(出典/「2nd 20231月号 Vol.190」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

Pick Up おすすめ記事

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...