トラッドな服好きたちには、決まって革靴愛の強い人が多い。まるで我が子を愛するかのようにそれぞれの革靴に名前をつけて……、とまではいかないが、所有する靴ひとつひとつにストーリーがあって愛着を持って育てているということには間違いない。ここでは、彼らの膨大なコレクションのなかから、とっておきの4足を厳選。今回は、「トゥモローランド」バイヤー・神谷真太郎さんの愛用靴を拝見!
自ら携わった一足だからこそかける想いもひと一倍。

洋服にも言えますが、押さえておくべき王道は手元に置いておきたい派。そのため、若い頃からジョンロブ、エドワードグリーン、チャーチ、オールデンと、半年に一度は高級靴をリボ払で買い、半年で払い終える、を繰り返していました。

ただ、バイヤーとなって10年以上になりますがひねりの効いたモデルも気になってはいますね。例えば、パリで見かけた女性に感化され購入したジェイエムウエストンの180のコンビローファー。仰々しく履くのではなく、色褪せたジーンズの裾をラフにロールアップし、サラッと合わせるぐらいが粋に感じます。
【遊び心溢れる一足】ヒデタカ フカヤ ペル トゥモローランド
フカヤさんにトゥモローランドの革靴を作ってもらい15年になります。こちらは、弊社の40周年時に40足限定で作ってもらいました。このクレイジーパターンこそまさに職人芸。
【NY出店記念の一足】ジェイエムウエストン × トゥモローランド
弊社がNYへ出店する際、その記念に別注をかけたもの。昔のシャネルのブーツを参考に、レザーソールの間へラバーをかませた独自のソールは、開発までに1年を要しました。
【背景に心が動いた一足】パラブーツ × ランド オブ トゥモロー
元祖チロリアンシューズともいわれるモデル、モジーン。エルメスのシューズラインでも取り上げられてましたよね。そんな背景もあって昨秋にラビッドファーで別注しました。
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断然革靴派な皆さんの靴選び、コレクションを拝見すると、次なる一足への欲望がふつふつとわいてくるはず。ぜひ参考に、出会いを求めて街へと出かけてみてがいかがでしょうか?
(出典/「断然革靴派 2nd 2022年4月号増刊」)