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Illustratorの性能向上について、アドビのデザインプロダクトマネージャー、カレン・ブリューワー氏単独インタビュー【Adobe MAX Japan 2025】

  • 2025.02.18

Adobe MAXに際して、デザイン製品のプロダクトマネージャーであるカレン・ブリューワー氏に単独でインタビューする機会を得た。彼女は、17年間に渡って所属したAutodeskでマーケティング・エグゼクティブを務めていたほか、いくつかの企業で上級マーケティングリーダーを務め、eコマースの新興企業でCMOとして大きな成功を収めた経験も持っている。アドビには1年半前に参画し、現在Illustrator、InDesign、Substance 3D Collectionほか、新興製品のマーケティング戦略を推進している。

Illustratorの大幅な速度向上について

まず、最初に、今回アップデートされた製品について、説明いただけますか?

カレン 私はプロデザイン製品と3Dの製品を担当しています。まず、Illustratorについては、お知らせしたいニュースは3つあります。

ひとつはIllustratorのパフォーマンスの向上。ふたつ目は、特に日本語の組み版について20年ぶりに内部のプログラムを刷新したこと。3つ目は日本語のフォントをさらに追加し、合計1600ものフォントを使えるようになったこと、そしてバリアブルフォントである百千鳥のローンチです。

これらの機能強化の多くは、お客様からのフィードバックを得て、それを取り入れて行っています。私たちは常にお客様の声を慎重に拝聴するようにしています。それはオンラインのコメントなどの情報だったり、フォーラムや1on1のインタビューだったり……さまざまな方法でお客様の要望を取り入れるようにしています。

私の重要な仕事のひとつは、実際にIllustratorを使っている現場を見せていただいて、どういうところに苦労しているか? どういうところを機能として求めているか? をうかがっています。あるいはIllustratorデザインサミットというカタチでイベントを開いて、グループでお話を聞くこともあります。

今回、実現したIllustratorの処理速度向上も、6ヶ月前にお客様からいただいたご意見を「今後の機能強化のロードマップに入れよう」ということで実現したものです。MacやWindows、新しいマシンや古いマシンと、お客さまは色々なマシンを使っていらっしゃいますが、お客さまの全体像として質的量的調査も行った上で、今回の性能向上を発表させていただいています。

たとえば、リンクファイル埋め込みのパフォーマンス。以前は、ファイルが大容量だったり、重かったりすると、時間がかかっていたのですが、今回、だいたい10倍ぐらいの速度向上を実現しています。

それに加えて、画像のアートボードへの取り込みも5倍ぐらい性能向上しています。

特殊効果、エフェクトも、さまざまなユーザーの方々のグループでお話しをうかがって、よく使われるベスト5の機能の性能向上を図りました。ドロップシャドウ、インナーグロー、アウターグロー、そしてラスタライズなどの機能が5倍ぐらい速くなっています。

それから、複数のレイヤー、大量のレイヤーを扱った時も、スムーズに扱えるように機能強化しました。レイヤーのバインド、アンバインドの機能も組み合わせることで、たくさんのレイヤーをスムーズに扱えるようになっています。

日本語フォントについての数多くのアップデート

フォントについても、数多くのアップデートが発表されました。

カレン タイポグラフィも強化しました。昨年、日本語組み版のエンジンを20年ぶりに刷新し、古く複雑になっていたコードを、新しくシンプルでパワフルなものにしました。

今回は、日本語フォントを新たに加え、合計で約1600の日本語フォントをお使いいただけるようにしました。日本市場というのは、我々にとって非常に重要な市場でありますから、日本市場を強く意識して投資を行っております。今回、日本語について200項目以上の改善を行っています。

そして、なんといっても、バリアブルフォント『百千鳥』のローンチですね。これは日本でデザインされたものです。そう、西塚さんたちのチームがデザインしました。

また、Retypeも日本語で機能するようになりました。古くてもう使われなくなったフォントを使ったドキュメントをアップデートしたい時に便利です。可能な限り近いフォントを検索して提案してくれます。そういった、みなさんの効率を上げ、生産性を向上させるような機能を数多く搭載しています。

生成AIを使った機能としては、最初にAdobe Fireflyを使ったジェネレーティブ リカラーが実現しています。細かいベクターデータの塗りカラーを手作業で変更しなくても、新しいカラーパレットを生成AIが提案してくれます。この機能も多くの方に使っていただき、かなり利用率が高まっているフィーチャーです。

シンプルな形状のベクターデータを入力すると、ディテールを自動生成してくれるGen Shape fillも便利です。大変使い勝手のいい、作業効率を高めてくれる機能です。

モックアップも便利ですね。ベクターデータでロゴやラベルをデザインして、無地の箱やボトルなどパッケージの写真を用意すると、その画像に写っているものの表面に沿ったようにロゴやラベルのデザインが配置されます。パッケージデザインにおいては、非常に便利な機能ですし、提案に具体性を加えることができるはずです。

Illustratorの手法で、立体的なグラフィックを作成するProject Neo

Project Neoもこれからが楽しみな製品です。

カレン これまで2Dでデザインされてきた方に、3D的デザインを簡単にしてもらえるようにと進めているのが、Project Neoです(ちなみに、発音は、プロジェクト・ニィーオという感じ)。

最初のデータはIllustratorで作れるので、これまでの作業スキルが活かせます。ショートカットやUXはIllustratorと共通です。テキストエンジンもIllustratorと共通のものを使っていますから、ロゴを立体的にしたりするのにも使えます。

今回初めて日本語にローカライズしました。中国語、韓国語、それからヨーロッパの各言語にも対応しています。

新たに、特に日本語に関して多くの機能が増強されたIllustratorを、ぜひ日本のみなさんに使っていただきたいと思います。そして、またフィードバックをお寄せいただけば幸いです。

政治体制に関係なく、世界のクリエイティブプロフェッショナルをサポートする

最後にひとつ、質問です。今回、日本語に対応した機能が数多く公開されましたが、トランプ大統領になったことで今後の施策に影響はありますか?

カレン 私たちのやることに変わりはありません。私たちは、世界のクリエイティブプロフェッショナルを支援することにフォーカスし続けています。私たちの会社の憲章は、最初からすべての人にクリエイティビティを提供し、クリエイティブプロフェッショナルをインスパイアすることです。政治体制がどうなるかとか、社会の状況がどうなるかということに関係なく、私たちは革新的な技術によって生産性を向上させ、顧客のみなさんの成功をサポートしていきます。

アメリカファーストではなくて?

カレン 私たちは、グローバルカンパニーですから(笑)

(村上タクタ)

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