引っ越しを決めたら、とにかく一番に光回線の手配を
まず、大切なことを。
光回線の手配は早めに。筆者はNURO光の回線を申し込んだが、転居後1カ月経った現在でも開通していない。そういえば、最初に導入した時も工事までずいぶんと時間がかかった。転居だって条件は同じなのだから、とにかく急いで手配をしておくべきだったのだ。
ちなみに、NURO光によると、99%の人は申し込みから4カ月以内に開通するらしい。逆に言うと1%は4カ月間、光回線が通じないということだから、私のように自宅で仕事をしている人間にとっては、死活問題だ。
ちなみに、NUROモバイル……というモバイルルーター貸し出しサービスもあり、それを契約したのだが、3日で10GBという制限があり、最初の3日で速度制限にひっかかって使えなくなった。そりゃ、ビデオ会議もするし、Apple TVなどネット経由のテレビも見たりするから、自宅兼事務所の回線が3日で10GBなんて無理というものだ。
月額料金が6600円に下がってるので現実的
途方に暮れたのだが、私にはStarlinkという強い味方がいることを思い出した。
以前、記事を書く時に自腹で7万3000円払って購入したのだが、そうはいっても自宅だと普段は使い道がないので、回線契約を休止して置いてあったのだ(倉庫なんてないから、リビングに置いてて、とてもデカイ箱なので邪魔だった)。
このStarlinkが、役に立つ日が来たのだ!
しかも、当時は1万2300円だった月額料金が6600円になっている。素晴らしい。ビバ! イーロン・マスク!(普段はそんなこと言ってないけど(笑))。
というわけで、さっそくベランダに設置。
スマホからの簡単操作で契約は復活できる。
しかし、繋がらない。
確認してみると、南側にある庭では、衛星を掴めないようだ。前回と同じ間違いをしでかしてしまった。
北半球にある多くの家(主語デカイ)では、南側が開けたカタチになっているだろうし、同じ失敗をする人が多いのではないだろうか?
頭上から北側に向けての空が、広い範囲で開けている必要がある
というわけで、北側に置き直した。
以前はマンションに住んでいたので、北側と言われるとベランダの柵に縛りつけるしかなかったのだが、(ボロいけど)テラスハウスに引っ越したので、Starlinkは置きやすい。というわけで、玄関脇にStarlinkのアンテナを置いた。ケーブルをどうやって室内に引き込むのかが悩ましいところなのだが、キッチンの小窓を通して、リビングに引き込んだ。ちょっと微妙な設置だが、光回線が来るまでの辛抱だ。
北側には道を隔てて向かいの家がある。Starlinkが必要とする空域は、ウチの玄関のヒサシと、向かいの家の屋根に若干遮られるのだが、状況としてはマシな方だろう。
Starlinkの設置は何をおいても、真上から北側にかけての空が見えるかどうかが重要なチェックポイント。
元々が、アメリカのネット回線がないような地方のために開発されたのだろうから、そういうところなら、家の外ならいくらでも空が見える環境なのだが、日本だと集合住宅じゃなくても、なかなかそんなに広い空域を確保できない。
屋根の上に置けば大丈夫なのだろうけれど、そこまでの大工事をするわけにもいかない。
というワケでの玄関先だ。通りを隔てた家の影響を受けるぐらいだから、多くの家の場合、他の家の影響を受けないアンテナ設置場所を確保するのは難しいのではないだろうか?
SSIDを一緒にして引っ越すと助かる
このStarlinkに有線で、従来から使っていたLinksysのメッシュWi-Fiを接続した。すると、同じSSIDを使えるので、自宅で使っていたいろいろなネット機材が一気に繋がるようになった(Mac、iPhone、iPad……などはもちろん、HomePod、Sonos、テレビ、Apple TV、uHoo、ScanSnap、Google Home、Amazon Echo……などなど)。
引っ越しの時は、Wi-Fiルーターも一緒に引っ越すと、とりあえずいろいろなものを繋ぎ直す手間がなくていいとも思った。
まぁ、とにかく、Starlinkで乗り切ることができそうだ。
費用的には許容できるが、光回線の方が良い場合が多い
さて、そういうわけで、家庭用回線として、Starlinkを1カ月近く使っての感想だ。
まず、費用は6600円と、光回線より1000円ぐらい高いが、光回線が通じない環境ならば許容できなくはないと思う。
総務庁の発表によると、2023年末の光ファイバー人口カバー率は99.84%だそうなので、よほどのことがなければ光ファイバーが来ているはずだ。とはいえ、たとえば離れであるとか、別荘であるとか、離島にお住まいだとかで、光ファイバーが来ていない場合、Starlinkは無制限に通信できる数少ない選択肢のひとつだと思う。
また、アプリから気軽にオンオフできるのも便利なポイントだ。
課金は1カ月単位だが、たとえば、特定の季節だけ住む別荘に備え付けるとかいうのであれば、とても良い選択肢だと思う。筆者も今回、引っ越ししている間の1カ月だけ使うという使い方で非常に助かった。
強く雨が降ると、回線速度が低下するような気がする
通信速度は、280Mbpsから30Mbpsと変動があり、たまに繋がらなくなることがある。
これは、衛星が向かいの家の屋根の影響で掴まえられなくなるタイミングなのだと思う。現状完全に繋がらなくなるのは、12時間のうち約4分ということで許容できない範囲ではない。ただ、何か、引っ掛かるというか、通信の表示がスムーズにされず、リロードする必要がある場合ある。
考えてみると、天気が悪く、雨が降っている時にそうなる傾向が強いような気がする。Starlinkのサイトによると「天候の影響を受ける場合があります」とのことで、降雨や降雪で、回線速度の低下はあるそうだ。
一度、ビデオ会議が途切れたことがあるので(逆にいうと、1カ月使って、ビデオ会議が途切れたのは1度だけだった)、天候の影響は頭に入れておいた方がいい。
また、ご覧のように、1カ月の2/3ぐらいで家庭全体の通信量は500GBを超えている。ビデオ会議をしたり、動画を見たりしていると、1カ月で1TB超えることも珍しくないだろう。モバイル通信とはまったく別だと考えておいた方がいい。
アクセスが日本からだと判定されない場合がある
一部で、「日本国内と判定されないので、サブスクコンテンツなどが表示されない場合がある」というレポートもあったが、現在ではこの問題は解決している模様。
ただし、パソコンからFacebookを見ようとした場合に、数日に一度、弾かれて「ミャンマーからのアクセスです。許可しますか?」というメッセージが出ることがあった。
ログインし直して、許可すればいいことではあるが、何らかの事情で不正アクセスだと判定される可能性があるというのは、筆者のようにFacebookメッセンジャーが仕事上のインフラ(編集部や取材先の方と、Facebookメッセンジャーで連絡を取ることが多い。推奨できない連絡手段ではあるが、先方もあることなので、勝手に切り替えるわけにもいかない)でもある人間にとっては不安材料ではある。
とはいえ、それ以外は、Starlinkで仕事をしていてさほど問題はなかった。
万が一の被災時の備えとしても、Starlinkがあるというのは安心材料だ。
Starlinkが便利になる状況もあると思う
まとめよう。
・引っ越しの光回線の手配は、とにかくお早めに。
・Starlinkは価格的にも、回線速度的にもOK。
・ただし、アンテナを北側の広い範囲の空を直接目視できる場所に設置する必要がある。
・天候によって、通信速度が低下、途切れがちになることも。
・1カ月単位でオンオフできるのも便利。
・ちなみに、レジデンシャル(家庭用)でも、アプリを使って設置場所を変更できるので、キャンプなどで利用することも、できなくはない。
という感じ。
お役に立てば幸いである。本件に関しては、Twitter( @ThunderVolt_mag )で質問いただければ、可能な範囲でお答えしたいと思う。
(村上タクタ)
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