僕とビートルズの「ナウ・アンド・ゼン」【ビートルズのことを考えない日は一日もなかったvol.1】

  • 2024.02.05  2023.12.25

ビートルズの「ナウ・アンド・ゼン」を聴いていると、“最後の新曲”という謳い文句や悲しいメロディ、ジョンの細い歌声、今はそばにいない人に捧げた歌詞に心打たれ、ふと自分のビートルズ人生を思ってしまう。ファン歴44年。その間に出会ったビートルズファンの知り合いのことが頭に浮かぶ。あの人は今も元気だろうか。「ナウ・アンド・ゼン」は聴いただろうか。

ジョンとポールが歌ったノスタルジー

同時に、「ナウ・アンド・ゼン」を聴くことができなかった人たちへの思いを強くする。中学生の頃、ファンになりたての頃に自室に呼んでくれてビートルズのレコードを聞かせてくれたCくん。90年にポールが来日のときの追っかけで知り合いになったNくん、夜な夜なビートルズの話をしたビートルズ論を交わした北海道に住んでいたKさん。そして、大ファンだった音楽評論家の松村雄策さん。まるで「イン・マイ・ライフ」の境地である。

これらの場所で恋人や友達と過ごした時間を、今も思い出す。亡くなった人もいれば、元気な人もいる。みんな、僕がこれまで愛してきた人たち。(「イン・マイ・ライフ」より)

『ザ・ビートルズ 1962年~1966年』(左)、『ザ・ビートルズ 1967年~1970年』(右) 2023エディション。通称赤盤青盤。「イン・マイ・ライフ」は赤盤に収録

ジョンが「イン・マイ・ライフ」を作ったのは25歳の時で、かなりノスタルジックな雰囲気になっているほか、同時期のヒット曲「ヘルプ!」も「おれの若い頃は~」という歌い出しだ。少し後には少年時代を回想した「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」を作っている。今回の「ナウ・アンド・ゼン」も78年の録音ということだから、当時38歳。常に前だけを向いていたような印象があるけど、ジョンは時折、過去を懐かしむ曲を作り、人生を振り返っている。

ジョンだけではない。ポールも23歳で「イエスタデイ」を作り、そのすぐあとに、前述の「ストロベリー・フィールズ~」と同じシングルに収録された「ペニーレーン」で望郷の念を歌っている。さらに28歳で「ザ・ロング・アンド・ワインディグ・ロード」なんていう「マイ・ウェイ」みたいな人生歌を作っている。その後も、折に触れ、ジョンとの思い出やビートルズ時代のことを話したり、それらをモチーフにした曲を作ったりしているので、ジョンとポールにとって“過去”はクリエイティブの面で重要な要素といえる。

『ビートルズ・アンソロジー』の書籍

50代半ばで振り返るビートル人生

ビートルズのメンバーが初めて公の場で過去を振り返ったのは95年のことだ。テレビ特番とCD(新曲入り未発表曲集)、本が連動した『アンソロジー』プロジェクトで、すでに亡くなっていたジョン以外の3人が、初めて一同に会してビートルズ時代を語り、新曲を発表した。そのときすでに解散から25年の歳月が経ち、彼らの年齢は50代前半から半ばになっていた。年月の経過を経て初めて、過去を振り返る境地になったことがうかがえる。また、ここで語っておかないとという使命感にかられたのだろう。このドキュメントは10時間に及ぶ大作である。

そして今、ふと気づけば自分が当時の彼らの年を越えており、『アンソロジー』で観た彼らのような風体になっていることに驚く。あれから30年近い年月が経っているとは……。そんなタイミングで最後の新曲「ナウ・アンド・ゼン」を聴いた感動で、ビートルズファンとしての自分を振り返ってみたくなった。現在56歳で、13歳以降の人生の、その時々の局面にはいつもビートルズがいて、ビートルズトピックがあった。そんなことを細かく記してみたいと思ったのである。

というわけで、不定期ではあるが、私がファンになった1980年1月以降のビートルズ・トピックを自分史に照らし合わせて振り返ってみようと思う。ファンになって以来、一日もビートルズのことを思わなかった日はない、ことを自負しており、それを思い返すことよりあらためてビートルズの魅力を掘り起こす“ディグ・イット”ことができるのではないかと。

「ディグ・イット」はビートルズが69年1月の「ゲット・バック・セッション」で、お遊び感覚で作った曲で、クレジットは珍しくレノン=マッカートニー=ハリスン=スターキーの4人。そのアドリブのなかで、ふとした調子でジョンが口にしたフレーズが「キャン・ユー・ディグ・イット?」。1980年、中2の時に初めて聴いたこの曲こそが、『昭和40年男』という雑誌を作っている自分のテーマだったのかもしれない。と、今になって思ってしまう。

「ディグ・イット」が収録されているビートルズ『レット・イット・ビー』
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