伊藤 蘭、デビュー50周年ツアーがスタート! 伝説のキャンディーズ曲を多数披露

  • 2024.02.05  2023.08.25

『昭和40年男』の最新号、7月11日発売号の第二特集「タイムトラベル1973」で登場いただいた、伊藤蘭さん。今年、キャンディーズのレコードレビューから50周年を迎えること、そしてニューアルバム『LEVEL9.9』をはじめとする、ご自身の音楽活動についての話をうかがったのですが、その蘭さんの待望のコンサートツアーが8月19日の横浜公演からスタートしました。その模様を、『昭和40年男』のライターでもある、馬飼野元宏さんがレポートします。

「HELLO CANDIES」から「春一番」でスタート

PHOTO:吉原朱美

ついにこの日がやってきた。

2023年は、伊藤蘭のデビュー50周年に当たる。1973年の9月1日、キャンディーズの一員として「あなたに夢中」で歌手デビューしてから半世紀の月日が流れたのだ。すなわち、キャンディーズのデビュー50周年でもある。そして、この夏から秋にかけ、『伊藤蘭 50th Anniversary Tour〜Started from Candies〜』が全国6ヵ所、7会場で開催される。その初日、横浜のKAAT神奈川芸術劇場 ホールでの公演をレポートする。

会場入口では、お揃いの自家製法被姿に身を包んだ往年のファンたちが集い、50周年とあってキャンディーズ時代のシングル・ジャケットが展示されたブースで記念撮影するファンの姿も。グッズ売り場でもキャンディーズTシャツなどが販売され、いつもとは違う50周年の祝祭ムードに溢れている。1200人と満席の観客は、今か今かと開演を待ちわびているかのよう。

開演前のBGMに70〜80年代のソウル、AORが流され、ステージ背面に大小様々の正方形のブロックがデザインされたセットも、洗練されたムードを演出する。客電が落ちると、バンド・メンバーの入場に続き、軽快な16ビートのディスコ・チューン「HELLO CANDIES」からスタート。ステージ中央からグレーと黄色の軽やかな迷彩柄のワンピース、黒のロングブーツに身を包んだ伊藤蘭が現れると、観客は一斉にペンライトを振って「ランちゃん」コールで迎え入れる。続いてキャンディーズ時代の名曲「春一番」のイントロが始まると、いきなり会場は総立ちに。2019年より歌手活動を再開した伊藤だが、折しもその後コロナ禍に突入、観客も声を出せない状態での応援が続いていたが、そのストレスから開放されたかのように、熱いコールを届ける。

充実のニューアルバムで現役感をアピール

PHOTO:吉原朱美

「すごい声援を久しぶりに聞くことができました! 本当に嬉しいです」と最初のご挨拶。前年のツアーに続き、ここ横浜で初日を迎えられたことに感謝を述べ、「このたびとうとう50周年らしいんですよ!」「お互いおめでとう、という気持ちでいいんじゃないでしょうか」と率直な心境を語った。

前半は、今年7月19日に発売されたばかりの3rdアルバム『LEVEL 9.9』からのナンバーが続く。中でもディスコ調の「Dandy」、シティ・ポップ風の「Shibuya Sta. Drivin’ Night」と、今回のアルバムでも印象深い、都会的なナンバーが続く。赤や紫、あるいはレインボー・カラーの照明も、都会的な雰囲気を演出。そして、変わらぬキュートで愛らしいヴォーカルもまた、大人のシンガー伊藤蘭の新たな魅力に満ち溢れたものだ。最新アルバムの楽曲も、実際にステージ上で披露されると、新たな魂を吹き込まれたかのように瑞々しく「今の伊藤蘭」の魅力を届けてくれる。

トータス松本&奥田民生の提供作「春になったら」、売野雅勇作詞の80sマインド溢れる「明日はもっといい日」に続いてはバンド・メンバー紹介へ。音楽監督の佐藤準(Key)をはじめ、そうる透(Dr)、江渡大悟(G)、笹井BJ克彦(B)、竹野昌邦(Sax)、コーラスの渡部沙智子と高柳千野に加え、今ツアーでは新たにパーカッションnotch、トランペット鈴木正則が加わり、より分厚くグルーヴィーなサウンドを聴かせる。

自身の作詞による「FUNK不肖の息子」を歌い終えた伊藤が下手にハケて、バンドメンバーも退場すると、ステージ中央よりスクリーンが降り、ちょっとしたサプライズ演出が。そして、ここからはお待ちかねのキャンディーズ・ゾーンに突入する。

ソロキャリアがキャンディーズと地続きになっている

今回のツアーのセットリストは、いつもより多めにキャンディーズ・ナンバーが登場するスペシャルな構成。往年のファンにはお馴染みの、キャンディーズ応援ソング「SUPER CANDIES」のイントロが流れると、観客も待ってました!とばかりに、真っ赤に彩られたペンライトを振って「C・A・N・D・I・E・S!」のコール。そして、赤いミラーが付いたワンピース姿の伊藤が現れると、怒涛のキャンディーズ・パートへ。「その気にさせないで」「年下の男の子」など大ヒット・ナンバーが次々に繰り出され、途中のMCでは、1978年4月4日、後楽園球場での『ファイナル・カーニバル』の思い出も。また、今回のツアーではファイナル・カーニバルのセット・リストを意識して組まれたことが語られると、会場からはちょっとしたどよめきが起きた。そして「この曲の譜面をもらった時の、ときめきと胸の高まりは忘れられません」と語り、デビュー曲「あなたに夢中」を、ソロになってから初披露した。

ソロとしてコンサート・ツアーを始め4年になる伊藤蘭だが、今回のステージは例年にも増して力強い。あの時代、高いライブ・パフォーマンスでファンを熱狂させたキャンディーズのパワフルでアクティヴなステージングが、50年近い時を経て、再び横浜のステージに蘇ったかのようだ。ソロになって初めてライヴを体験する者、キャンディーズ時代からの熱烈なファンなど、それぞれが思いを噛み締め、50年の時を経ての邂逅に感激を隠せない。

かつて、後楽園球場を紙テープの乱舞にした「哀愁のシンフォニー」、そして「微笑がえし」など伝説の名曲が続き、本編最後は前回のツアーでも披露された「美しき日々」で締めくくった。ソロ作に挟まれたキャンディーズ時代のナンバーも、「今の楽曲」として生き生きと蘇っており、伊藤蘭のソロ・キャリアがキャンディーズ時代と地続きになっていることを証明するステージとなった。

アンコールでの伊藤はピンクのロングコートに、インナーは今回のツアーTシャツをデザインしたハートマークのキュートなTシャツ姿。キャンディーズ時代のファンにとっては実に感慨深いナンバーを立て続けに歌い、観客を煽り、エキサイティングなステージを終えた後、「皆さん今日は素敵な思い出を本当にありがとう」と、何度も客席に向かって深々と頭を下げ、ツアー初日は無事に幕を下ろした。

10月21日(土)の日比谷野外大音楽堂まで続く今回のツアー、次回は8月26日(土)のトークネットホール仙台 大ホール(仙台市民会館)での公演、そして50周年記念公演となる9月2日(土)東京国際フォーラム ホールAに続き、9月7日(木)は名古屋・愛知芸術劇場大ホールでの公演と続く。まさに50周年のメモリアル・イヤーに相応しい、2023年の伊藤蘭の「今」を感じさせるコンサート・ツアーの開幕となった。

【ツアー概要】伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~

東京・50周年記念公演
伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~ Celebration day!
9月2日(土)東京国際フォーラム ホールA [開場]17:00/[開演]18:00
問)ディスクガレージ
050-3668-5023(平日12:00〜15:00)

名古屋公演
9月7日(木)愛知県芸術劇場 大ホール [開場]17:30/[開演]18:30
問)サンデーフォークプロモーション
052-320-9100(12:00~18:00)

大阪公演
9月9日(土)フェスティバルホール [開場]16:00/[開演]17:00
問)キョードーインフォメーション
0570-200-888(11:00~18:00※日祝除く)

福岡公演 SOLD OUT!
9月30日(土)キャナルシティ劇場 [開場]16:45/[開演]17:30
問)キョードー西日本
0570-09-2424(月〜土11:00〜15:00)

≪特別追加公演≫
祝・ 日比谷野音100周年
伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~ 特別追加公演
10月21日(土)日比谷野外大音楽堂 [開場]16:00/[開演]17:00
問)ディスクガレージ
050-3668-5023(平日12:00〜15:00)

伊藤 蘭 50th Anniversary Tour ~Started from Candies~
https://www.diskgarage.com/feature/ito-ran/

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

Lightning, CLUTCH Magazine, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

ランボルギーニ三浦

Lightning

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

杉村 貴行

2nd(セカンド)

ブランドディレクター

杉村 貴行

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部