夢のモノづくり企画に向けて第一回妄想会議スタート。
PREPPYが運営するECサイト「Club PREPPY」で発売し話題になった『aruci(アルチ)』のシザーバッグ。これは『waji』のオリジナル商品なのだが、開発の背景を取材しつくり手の想いに触れるうち、編集部はすっかり商品企画の魅力に取り憑かれてしまった。もとより取材先でスタイリストさんと話をしていると、「こんなモノがあったら……」「誰かつくってくれないかな……」なんて話がちょいちょいある。
そこで今回、編集部が満を持してスタートさせたのが「PREPPY仕事道具研究所」(略して「どーぐ研」)である。理美容師の皆さまに役立つアイテムを、さまざまなものづくりのプロたちと一緒に共同開発してみようというのが本企画のテーマ。企画室は編集部が担い、ときにコラボ先の工房が開発室となる。言わば、アドレスのない研究所。
第一回目の共同開発は前出のシザーバッグでご一緒した『waji』さんにお願いした。同代表でデザイナーも務める菅野さんは、さまざまな職人の仕事をサポートするアイテムを発信するブランド『aruci』も手がける。これまでに世に送り出したヒット作はシザーバッグの他にも、狩猟用のベストに着想を得た「アトリエベスト」や、上質なレザーを用いた「袴エプロン」、古着からインスパイアされたワークウエアなど、オリジナリティあふれる数々。理美容師の皆さんのみならず、フローリストやバリスタ、キャンパーなどにも愛用者が多い。
そんな『waji』の菅野さんから「おもしろい素材が入ったから何か一緒につくってみませんか」と提案が舞い込んだのが月末。よくよく話を聞けば「おもしろい素材」とは、カラー材やブリーチ材が付着しても変色しにくい特殊な被膜をもった、かなりレアな生地だという。専門知識に乏しい編集部は「何だかすごそう!」というふわっとした予感だけを頼りに、いざ行動(フットワーク命)。さっそく菅野さんを訪ねた。
生地を見せてもらうと、化繊生地に何やら黒い被膜状シートを貼り合わせたような構造になっている。高機能素材でありながら、しかしその見た目や触り心地は上質な革のような風合い。
さて、この生地を生かして何をつくろう……続々と湧き上がる菅野さんのアイディアに触発され、夢膨らむ第一回企画会議はあっという間に過ぎてゆくのだった。
(出典:「PREPPY 2024年1月号」)
関連する記事
-
- 2024.11.29
松浦祐也の埋蔵金への道。第10回 夏季最上川遠征・没頭捜索編 その2。
-
- 2024.11.22
渋谷発 革ジャン青春物語。「あの頃の憧れはいつもVANSONだった。」