喫茶店文化を令和の現代に継承する、渋谷区初台の新世代ロースタリー。

深く焙煎した豆をネルドリップで丁寧に抽出する。そんな昔ながらの喫茶文化を継承したのは、「僕らが受け継いでいかなきゃ」と初台に小さなロースタリー「ジーピーコーヒーロースター」を構えた20代の実さん。コーヒーの丁寧な手仕事を追求した先に、深煎りネルドリップにたどり着いた。

ネルドリップは日本人ならではの手仕事。

「深煎りこそサイケデリック」と実さん。「地球そのものと対話をしているような、’70年代のヒッピーの思想的な。その日の感情が全部味に出るんですよ」

サードウェーブ以降、浅煎りコーヒーの文化が日本に根付いたこともあり、深煎りを専門とするロースタリーは数少なくなった。ましてや若い世代であればその傾向は強い。だが初台の裏路地に構えるこの店舗は例外だ。

店名の「GP」とはジプシープリンス。ドレッドヘアーがトレードマークの実さんの昔からのあだ名を屋号とした。

20代だが深煎りとネルドリップにこだわり浅煎りは一切やらない。昭和の喫茶店文化の象徴でもあるネルドリップだが、昨今は1杯ごとの時間がかかるため採用している店舗は希少になった。

だが、深煎りをネルで抽出することで、苦味がまるやかになり、飲みやすくなっていく。実さんはいう。

「ネルドリップは、言わばジャパニーズクラシックスタイル。それを若い世代の僕らが、今のスタイルで受け継いでいかないといけないと思っています」

1杯1杯丁寧にネルドリップで淹れるのが実さんの流儀

ネルドリップは手仕事。丁寧に1杯ずつ淹れるその様はまさに職人そのものだ。

「それは日本人にしかできない丁寧さだと思うんです。深く焼きすぎるコーヒーは味が苦いと思われるかもしれませんが、ネルで抽出することで甘味や果実味も出てきます。ぜひ試してほしい。きっと深煎りの価値観が変わるとはずです」

’93年製の旧いフジローヤル焙煎機3kg釜、直火式。実さんの深煎り焙煎ととても相性がよい焙煎機だ。「昔から古いものが好き。バイクも音楽も焙煎機も」
青梅のハンターからもらった鹿の頭骨
壁にはモンゴルのリアルジプシーのアートワーク
音楽はジャズ、レゲエ、ロック、ソウル。基本旧いものが好き。90年代のJBLスピ ーカーに’70 年代のパイオニアレコードプレイヤー。音楽はお店の世界観を作るうえで大事な要素だ
ネルドリップに使う器具は、鹿の角や職人による削り出しなど特注もの。テンションもあがるツールたち

人気のコーヒー豆を紹介!

[豆の種類]
シングルオリジン 67種類
ブレンド 3種類
どれも深煎りだが、始めての人にはハウスブレンドがおすすめ

[抽出方法]
ペーパー/ネル/エスプレッソ

[焙煎機]
フジローヤル/直火式/3kg

【シングルオリジン】スマトラ リントン地区

ティピカ種。マンデリンならではの独特の風味とガツンとくる苦味が特徴。スパイシーと苦味、甘味のバランスが抜群。GPの深煎代表といえる豆。余韻が鼻に残る後味も

産地:インドネシア
焙煎:フルシティ~フレンチ
精製方法:スマトラ式
香り:スパイシー
酸味:なし
コク:重厚
後味:割とすっきり

【シングルオリジン】サンパウロ モジアナ

イエローカツアイ品種。清涼感のあるシトラ スのような香りとジューシー感が特徴。甘味があって濃厚なコク。それでいて後味がすっきりとしているのでとても飲みやすい。

産地:ブラジル
焙煎:フルシティ~フレンチ
精製方法:パルプドナチュラル
香り:シトラス
酸味:多少あり
コク:しっかり
後味:すっきり

DATA
GP coffee roaster(ジーピーコーヒーロースター)
住所:東京都渋谷区本町2-28-4
連絡先:なし
営業時間:平日11:0020:00、土日10:0020:00
定休日:水曜
駐車場:なし
公式HPhttp://gpcoffeeroaster.com/
SNSInstagram@gp_coffee_roaster
席数:なし
ホールセール:あり
豆販売:あり
豆通販:あり
テイクアウト:あり
デカフェ:あり
ドリップバッグ:あり
セミナー:なし
器具販売:なし

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.215「東京コーヒーロースターズ」

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