水の世界に棲んでみたいと思いませんか?
アクアリウムひと口に言ってもそのジャンルは多岐に渡るが、注目したいのが、水槽に水草や岩、流木をレイアウトして自然の姿を再現する日本発祥の「ネイチャーアクアリウム」。
2001年からレイアウトの美しさを競う世界大会が毎年開催され、今や世界60カ国以上からエントリーがあるなど、いちジャンルとして確立されている。
「美しい自然を自らの手で作り出すネイチャーアクアリウムは、魚をメインとすものとはまた違った楽しみが味わえます」
とは、魚ではなくネイチャーアクアリウムをメインに水草やコケ類を専門に扱う「カラー」(愛知県名古屋市)の小野寺さん。
確かに、緑あふれる水中世界を眺めていると、しばし日常の喧騒を離れた静かな時間が流れる。一見、水草メインなら魚を飼うよりも簡単そうに見えるが、水草のがどう育っていくのかや石や流木との組み合わせもイメージしながら作るのは知識や技術も必要。
ただ、水槽という限られた場所に世界を作り出すのは箱庭的で非常に日本人的な趣味ともいえる。自分だけでなく、家族や訪れる人の目を楽しませてくれて心も癒してくれるアイテムとなるだけに、DIYやバイクいじりなど手先を使うのが好きな人にはオススメ!
アクアリウムの世界は細かく分かれているんです!
アクアリウムとは「水生生物の飼育設備」のことで、本格的な熱帯魚の飼育から金魚鉢まで全てがアクアリウムに相当するが、近年は生き物の種類やレイアウトの仕方によってジャンルも様々。まずは自分自身の好みがどんなジャンルなのかを知っておこう。
ネイチャーアクアリウム
ADA(アクアデザインアマノ)という日本のブランドが提唱した、水草や石や流木を使って水槽内に自然風景を作り出し、さらに魚やエビなどの生き物を育てることで自然の生態系を再現するレイアウト方法。魚を育てるというよりも自然環境を作る感覚に近いかも。
アクアテラリウム
水中だけでなく陸上の世界も同時に再現するレイアウト方法。魚などもいっしょに楽しめる。ポンプを使って陸上に滝を作ったりレイアウトのバリエーションは多い。水がなく陸地部分のみだと「テラリウム」と呼ばれ、爬虫類の飼育などが該当する。
コケリウム
コケを中心にレイアウトする方法で大型の水槽だけでなく、ガラス容器など小型の容器を使って、寄せ植えをしたり石や流木を使ってレイアウトすることも可能。デスクトップサイズのものなら制作も簡単で、手入れも霧吹きのみ。初心者の入門としてもオススメ。
パルダリウム
熱帯雨林やジャングルといった湿地の自然を再現するレイアウト方法で、近年登場した新しいジャンル。密閉型で湿度が保たれた専用の水槽を使えば、手入れが霧吹きのみと簡単なのも特徴。基本水場はなく、水場が多くなると「アクアテラリウム」と呼ばれるようになる。
水草と魚、水槽以外に必要なアイテムとは?
ネイチャーアクアリウムの場合、水を濾過するフィルター、ライト、二酸化炭素、土や砂、土壌や水の栄養、ピンセットやハサミなど手入れなどに使う道具や掃除道具など周辺グッズも必要。それなりの見栄えを目指すなら小ぶりなサイズ(60×36×30㎝)で約13万円〜。水槽や水草、魚を合わせると約15万円〜というのが目安。
初心者だからこそ知っておきたいアクアリウムのお手入れとは?
ネイチャーアクアリウムでも特に水草中心にすれば手入れは簡単なのではと考えてしまうが、それは間違い。放っておけば水槽が汚れるし、水草も育ってこればカットが必要。美しい世界を保つためには最低でも週に一度のクリーニングや定期的なメインテナンスが必要となる。
お店では種類豊富にレイアウト素材を販売!
観賞用の水草は基本的に輸入モノがメイン。東南アジアや南米などから輸入された珍しくい水草や、コケ類も常時多数揃えられている。
そのほかに、加工して作られた流木や溶岩石といった見栄えよくレイアウトできるための専用の素材も種類豊富なのが専門店ならでは。
アクアリウムのオーダーメイドも承ります。
こちらはお客さんからのオーダーを受けて現在製作中の作品。このように最初は水草も小さいものを植え付けて育てることで完成する。それぞれの育ち方も違うしどこに何をレイアウトしていいかわからないという人のためにオーダーメイドも受け付けてくれるから安心。
店頭ではネイチャーアクアリウム、アクアテラリウム、パルダリウム、コケリウム作品が間近で見られるほか、購入者には店頭でレイアウトの講習もしてくれるなど初心者に心強い専門店。
【DATA】
color
愛知県名古屋市緑区池上台3-17 1A 号室
TEL052-875-7230
営業/12:00〜20:00
休み/木曜
https://interior-green-color.com/shop/
(出典/「Lightning2023年9月号 Vol.353」)
Text/M.Terano 寺野正樹 Photo/M.Kato 加藤正憲
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