紹介してくれたのはこの3人
キーワードは“運命のダイヤル”。ダイナミックな映像に期待が高まる。
1981年の『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》』から42年、4作目である『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 』から15年の時を経て、待望の最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が6月30日より公開される。
今回のキーワードはタイトルにもあるように“運命のダイヤル”。この運命のダイヤルとは一体何なのか、インディの過去にどう関わっているのか想像をかき立てる。当然のことながら映像の迫力もすごい。最新作ではインディの宿敵ともいえる元ナチスの科学者と全世界を股にかけて、陸だけでなく、海と空での戦闘シーンがあるようだ。これまで以上にダイナミックな映像が見られること間違いなし。
製作総指揮をとるのはスティーブン・スティルバーグとジョージ・ルーカス。音楽はお馴染みのジョン・ウィリアムズによるもの。ハリソン・フォードは、今作を最後にインディを引退するといわれている。その勇姿をとくとご覧あれ。
ちょっと違った角度で楽しむインディトリビア。
『インディ・ジョーンズ』の過去4作品を観る上で、製作の裏話や裏設定など知っておくともっと面白く、何度も見返したくなるトリビアの一部をご紹介。作品を観る前に読むか、観た後に読むか……、それはアナタ次第。
1981『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》』
「インディの名はどうやって付けられた?」
インディ・ジョーンズ役は、当初トム・セレックにオファーされていたが、「私立探偵マグナム」に出演が決定していたセレックは、それを受けることはなくハリソン・フォードの出演が決定した。またインディアナ=インディという名は、ルーカスが妻の愛犬から取ったもの。
「インディギアは実際に買える?」
インディが本作で使用している帽子はイギリスのハーバート・ジョンソン社のもの。革ジャケットは同じくイギリスのレザー・コンセッションネア社(現ウェステッドレザー社)が製作したラム革のものを使用している。ちなみにブーツはハリソン本人が持ち込んだオールデンのブーツが採用されている。どのメーカーもインディのモデルを現在も市販しており昨今は正確なインディギアを求めるファンの力もあり、劇中に近いモデルに再現されている。インディギアについての詳しい研究は、インディギアファンが、SNSで自身のコレクションを紹介したりして情報発信をしているので、興味のある人は覗いてみるとよいかも。
「大量の蛇の多くはホンモノだった。」
魂の井戸で使用された蛇は撮影の際の急な追加分も含めてロンドンのあらゆるペットショップやイギリス南部から集められたが、それでも数が足りずスピルバーグがホースを切って水増しをした。あなたは本物の蛇とホースを見分けられる?
「登場するライフ誌も作品と関係が……。」
インディがサンフランシスコから飛び立つ飛行機の中で、ライフ誌で顔を隠しているナチスのスパイは視覚効果部門主任のデニス・ミューレン。この人物をトートだと勘違いしている人は多い。ちなみに彼の持っているライフ誌は、1936年11月30日付け第2号でP42 ~ 43にヒトラーの水彩画が掲載されている。
1984『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』
「作品ごとに違う衣装をチェック。」
インディの帽子は作品ごとにかなりシェイプに違いがあるが、本作では他に比べあっさりしたシェイプで異彩を放っている。帽子に限らずジャケット、シャツ、パンツ、バッグなども作品ごとに違いがある。ちなみにこの作品のインディのガンホルスターはなぜか『最後の聖戦』と同型のホルスターで、『レイダース』で使用していたものとも、本作の冒頭で失った銃のものでもない。
「スピルバーグやルーカスも出演していた!?」
上海から脱出する際の飛行場のシーンでは、俳優のダン・エイクロイドが飛行機を手配したウィリーファンの社員で、その他プロデューサーのフランク・マーシャルが人力車を引く人夫を、スピルバーグ、ルーカス、アンソニー・パウエルなどが同場面で飛行機を待っている宣教師などの役でカメオ出演した。
「撮影のために吊り橋も架けたとか。」
吊り橋のシーンのロングカットでは、反対側に建設中の大きなダムがあったため、同じ方向からのカットしか使用されていない。ちなみにこの吊り橋は実際に渓谷に架け、インディが鉈で端を落としたシーンの撮影で実際に落とされた。
「ショーティのキャップは実は……。」
ショート・ラウンドが被っているベースボールキャップは、主な資料や出版社にはニューヨークヤンキースのものとして紹介されているが、実際には現サンフランシスコ・ジャイアンツ、当時のニューヨーク・ジャイアンツの1919年モデル。
1989『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』
「印象が変わったインディギアに注目。」
ストームフラップの上下についたスナップボタンが追加追加され、腰のアジャスターベルトがDカン使用になった。また革ジャケットの襟のつき方が変更になっている。
「インディの拳銃が何か判明!」
本作でインディが使用する印象的な中折れ拳銃は長くファンの間ではウェブリーMK6とされていたが、実際にはウェブリー・グリーンという骨董品ともいえる古い拳銃。
「前3作で大男役として出演した俳優がいる。」
ヴォーゲルと一緒にツェッペリンに乗り込んでくる大柄な人物を演じたのは、俳優のパット・ローチ。彼は『レイダース』ではトートに雇われた大柄のシェルパとスキンヘッドのナチス整備兵、『魔宮の伝説』ではサギー教徒の大男の役を演じ3作品に出演。しかし残念ながら2004年7月に亡くなり、4作目への出演は叶わなかった。
「メイキングシーンも観ておきたい。」
馬に乗っての戦車とのチェンスシーンの間、どうしても帽子が飛んでしまい難儀していたハリソン・フォードが頭に直接ホッチキスで帽子を留めるというメイキングシーンは有名だが、あくまでフリであり、ハリソンのジョークだった。
「『007』へのリスペクトが台詞にも。」
飛行船からの脱出後、不時着した際の父ヘンリーのセリフ「こんな経験は初めてだ」は、『007/ロシアより愛をこめて』でショーン・コネリー本人が言うセリフ。
「フェドーラは恋人マリオンの父親だった。」
若きインディに多大なる影響を与える冒頭シーンの「フェドーラ」(リチャード・ヤング)というキャラクターは、プロットでは『レイダース』で名前のみ登場したインディの師、アブナー・レイブンウッド、つまりはマリオンの父親ということになっていた。
「役でも実生活でも夫婦です。」
ドノヴァン邸でインディと石版について語るシーンに登場するドノヴァンの妻役は、実生活でもドノヴァン役のダニエル・グローバーの妻であるイスラ・ブレア。
2008『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
「ファンにも映画同様の革ジャンを提供。」
本作でインディが使用しているフェドーラはアドベンチャービルト社製、ジャケットはトニー・ノヴァク・オリジナルが手がけた。ファンにも映画同様の素晴らしいジャケットを提供してくれたトニーは、2010年4月に急逝された。
「いろいろな諸事情がうかがえるギアの配置。」
インディは過去の作品ではジャケットの内側にショルダーバッグを掛けていたが、本作では外側に掛け、ガンベルトを反対方向から通している。銃は3作目でなくしたはずのウェブリーグリーンが。
「あの有名なセリフも採用」
『スター・ウォーズ』全作品に出てくる有名なセリフをインディが言う「I have a bad feeling about this(イヤな予感がする)」
「スピルバーグの娘も出演!?」
アーニーズ・ダイナーの「アーニーズ」は、スピルバーグの父の名。またアーニーズのシーンではスピルバーグの娘、サーシャがマットを殴る女の子で出演している。
「トム・ハンクスの息子も出演!」
図書館でインディに質問してきた学生は、トム・ハンクスの息子のチェット・ハンクス。
(出典/「Lightning2023年7月号 Vol.351」)
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