神は細部に宿ることを体現。
ウエストオーバーオールズなどを手掛けるフリーデザイナーの大貫達正さんと、国内外の様々な人気ブランドに携わってきたエヴァンジェリストの大坪洋介さんがタッグを組んだ注目ブランド『コールマインギャランティード』。
当ブランドは、ヴィンテージへの造詣が深い2人が意見を出し合い、児島にいる1人の卓越した職人により、15台のオールドブラックミシンを駆使して縫い上げるという、これまでにないスタンス。
販売においても特殊で、インスタグラムのDMでアポイントを取り、明治40年に建築された古民家を改装した住所非公開のショップにて購入ができる。生産も販売も手間暇を掛けるのは、大貫さんの熱い想いがあるからこそ。
「このブランドをスタートさせたのは、ジーンズの歴史と物語を現代に伝える事。そしてこれからの未来へ残していかなければならない、続けていかなければならない日本伝統工芸としてのものづくりに意義を持って向き合う事を目的としています。
デザインにおいては、モデル名となっている年代の意匠や縫製などの仕様は文化として伝える一方で、リプロダクトとは一線を画したデザインに仕上げています。芸術性と匠の技の融合を図っていて、先人たちの素晴らしい技術や発想を今の匠の技術で体現しつつも、ファッションとして身に着ける楽しみも伝えていきたいという思いから、我々との対面販売のみにしているんです」
注目のラインナップを紹介。
1900S
ジーンズの黎明期から1900年代初頭のディテールを駆使しながらも、現代的なフィッティングで仕上げた力作。あえて超長綿を用いたライトオンス10.5ozデニムを使用。6万9300円
1930S
サスペンダーボタンが必要なくなり、ベルトループとバックルバックとなった時代背景をうまく反映したモデル。点で色落ちする12.5ozの生機デニムを使用した。6万6000円
1940S
第二次世界大戦時の物資統制を受けながらも、クオリティファーストを守ったクラフトマンシップへ敬意を払った1本。時代背景を捉えた12.5ozデニムを使用した。6万3800円
1950S
ゴールデンエイジとなったアメリカでジーンズはワークからファッションへと移り変わる。そんな時代背景を象徴するデニム製タキシードのパンツをイメージした。7万2600円
1960S
5ポケットパンツの完成形と言われる1960年代前半のモデルを13.5ozの生機デニムで再構築した。ラインナップの中でももっとも細身のシルエットに位置している。6万3800円
1970S
フラワームーブメントに湧く1970年代のアメリカを体現した1本。フレアカットのシルエットに、ホースシューをモチーフとしたバックポケットを組み合わせている。6万8200円
完全アポ制の旗艦店のみで手に入る。
大貫さんの好きなものだけ置いたという旗艦店は、明治40年に建てられた古民家を改装している。多大な影響を受けたネイティブアメリカンの工芸品から、日本の伝統的な陶器まで、大貫さんの琴線に触れたものだけをセレクトしているのが好印象だった。
奥にあるのは、国産のデニムチェアブランドであるオールドオーバーと大坪洋介さんによるイーストポートラウンジチェア。木部まで藍染を施した職人技が光る。
デニムジャケットとタキシードジャケットは、コールマインギャランティードのオリジナル。奥にはデザインソースとなったリーバイスのクロスビージャケットを展示。
リーバイスのヴィンテージアドバタイジングの上には、デニムに関連するカスタムパーツがディスプレイされている。すべて日本の職人によるハンドクラフト。
【問い合わせ】
コールマインギャランティード
Instagram@coal_mine_2022
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2023年7月号 Vol.351」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/M.Watanabe 渡辺昌彦
関連する記事
-
- 2024.10.18
百戦錬磨のオーダージーンズメーカー〈ベティスミス〉が行き着いた極上の穿き心地とは!?
-
- 2024.11.21
これがアメトラのマスターピース。トラッド巧者が選ぶ名品4選。
-
- 2024.11.21
実録! デニムの色落ち実験室【1カ月の穿き込み報告】