「レッドウィング」の大定番“モックトゥ・ブーツ”に再注目! 6インチクラシックモック以外にもあるんです。

アメリカのワークブーツのアイコンといえるのが、レッドウィングのモックトゥ・ブーツ。ファンの間で“白底”と呼ばれるトラクショントレッド・ソールを装備したその姿は、我々にとっては青春時代の象徴でもある。その大定番モデルに再びフィーチャーする。

’80年代終わりから’90年代に一世風靡し、いま再び注目を浴びるモックトゥ・ブーツ。

いま40代から50代の年齢を迎えている世代にとって、レッドウィングには特別な思い入れがある。’80年代終わりから’90年代の多感だった青春時代に、渋カジやアメカジブームが直撃。当時の憧れは、リーバイス、ロレックス、ゴローズ、そしてレッドウィングだった。

その後は、空前のヴィンテージ古着ブームが世を席巻。憧れの対象は、ヴィンテージデニム、限定物のG-SHOCK、クロムハーツ、ナイキのエアマックスと少しずつ変化しながら幅を広げたが、レッドウィングは変わらなかった。ヴィンテージリーバイスとレッドウィングの組み合わせは、どのメンズファッション誌でも取り上げられ、人気の芸能人からサッカー選手までが愛用し、そのスタイリングは世の男子を虜にした。

そんな状況からレッドウィングは市場でも枯渇状態になり、人気モデルになればなるほど、超プレミア価格で販売された。終いにはレッドウィングの名を冠した“偽物”まで流通し、ファッション誌ではその判別方法まで記事にされるほどだった。その当時、世間を虜にしたのが、“875”に代表される6インチ丈のモックトゥ・ブーツだった。

特徴的な白いトラクショントレッド・ソールは、他のブランドとは一線を画す存在で、硬いアスファルトの路面でも歩きやすく、何よりスニーカー感覚で合わせることができる唯一のブーツだった。いまでは王道すぎて当たり前になっているヴィンテージジーンズ×レッドウィング#875の組み合わせも、当時は東京らしいストリートスタイルの象徴。憧れていたけれど、中学生や高校生の身分では超プレミア価格のレッドウィングなど簡単に買うことができる代物ではなく、それに似たもっと安い価格帯の別ブランドから“入門”し、それから徐々にレッドウィングという頂きを目指したものだ。

そんな我々おじさん世代の憧れだったレッドウィングが、いま再び若い世代の間で流行っているという。当時のブームなど知る由もなく、下手したらレッドウィングのことも深くは知らないのかもしれない。当然、それが元々はハンティング由来のワークブーツだということも知らないだろう。でも、彼らのファッション目線や感度でも、このブーツには、ファッションに取り入れたくなるオーラや色気があるのだと思う。

そんなことを想いながら、いざ履き込んだレッドウィングを見てみる。うん、やはり単純にカッコイイな! いまこそ原点回帰して、あの頃憧れた“白底”のモックトゥ、特に6インチ丈の#875を、思いっきり履き回したい。

人気再燃中のレッドウィング、モックトゥの定番モデルを紹介! エイジングサンプルも必見!

オジサンにとっては懐かしい青春の一足だが、若い世代にも注目されていると聞けば、ここは今一度レッドウィングが誇るモックトゥ・ブーツを振り返りたい。ド定番は#875を代表とする6インチクラシックモックだが、それ以外にも人気のブーツがあるのだ。定番の3モデルを紹介していこう。

1.6″ CLASSIC MOC #875(6インチクラシックモック)

1950年代に誕生して以来、若干の仕様変更をしながらその姿を変えずに現在まで作られ続けているモデル。’90年代までオロラセットと呼ばれるブラウンのオイルドレザーを使っていたが、時代によってその色合いはゴールドトーンのものから赤みの強いものまで変化した。2014年にレザー本来のオイルを豊富に含むオレンジがかったものに変更。これがオロ・レガシー・レザーだ。なめした後に染め上げるだけで銀面には塗装をしないため、エイジングも存分に楽しめるのである。

6インチクラシックモックはレッドウィングの数ある名作のなかでも特にバリエーションの多いモデルで、ゴアテックスモデルの#8864、’90年代に日本市場で人気の高かった赤みの強いオロラセット・ポーテージを使った#8875、ブラックカラーで人気の#8179や#8849、ラフアウトを使った#8173、カッパー「ラフ&タフ」の独特なムラ感が特徴的な#8876などがラインナップする。

ハンティング用のソールとして開発されたトラクショントレッド・ソールは、クッション性に優れているため都会でも履きやすく、いまではイタリアのファッションシーンも虜に!

【エイジングサンプル】

着用年数:8年
メンテ方法:基本はブラッシングのみ。年に数回レザーコンディショナーでケア
価格:4万5870円

2.IRISH SETTER 6″ MOC #9875(アイリッシュセッター6インチモック)

1952年にハンティングブーツとして誕生した8インチ丈の#877。その6インチ丈モデルとして数年後に誕生したのが、#875だ。当時のゴールド系のトーンのレザーは、猟犬アイリッシュセッターの毛並みを彷彿とさせるため、『アイリッシュセッター』というシリーズ名が与えられた。2000年頃に当時のレッドウィング社の方針でそのタグは外されたが、日本のファンの要望に応えて2012年に’50〜’60年代初頭の刺繍タグを付け、再現したのがこの#9875。ゴールドラセット・セコイア・レザーも当時の色合いに忠実だ。このほか、ブラック「クロンダイク」を使用したブラックカラーの#9874もある。

右足のインサイドにはロゴの刻印入り。これは1980年代頃まで少しずつ変更されながら存在したディテールのひとつ
右足のシュータン裏に施されたアイリッシュセッターの刺繍タグは、発売当初の1950年代から’60年代初頭のものを再現
最もつま先側のシューホール下にある小さな四角いステッチは、‘80年代まで使われた補強ステッチなのである

【エイジングサンプル】

着用年数:11年
メンテ方法:基本はブラッシングのみ。年に数回レザークリームでケア
価格:5万1920円

3.8″ CLASSIC MOC #877(8インチクラシックモック)

ハンティングブーツとして1952年に誕生した#877。足音を立てず、長く歩いても疲れないようにと開発されたトラクショントレッド・ソールも相まって、発売直後からハンターだけに留まらず、全米のワーカーから支持されて大成功したモデルだ。これだけシューホールがあるため着脱に時間を要するが、ブーツとしての佇まいは問答無用でカッコよく、#875よりもこちらを好む“通” なファンも多い。8インチと高さがある分だけエイジングもさらに楽しめる。

ヒールからアキレス腱の部分を支え、そのまま履く際に引っ張るためのストラップになっているこのディテールで後ろ姿も美しい

【エイジングサンプル】

着用年数:3年
メンテ方法:基本はブラッシングのみ。半年に1回程度レザーコンディショナーでケア
価格:5万1480円

これぞレッドウィングと呼びたくなるモックトゥ。履けばあの頃の記憶が蘇る青春の一足、久々に履いてみてはいかがでしょうか?

【問い合わせ】
レッドウィング・ジャパン
TEL03-5791-3280
https://redwingheritage.jp

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(出典/「Lightning 2021年12月号 Vol.332」)

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ランボルギーニ三浦
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ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
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