枯れた雰囲気で街もフィールドも楽しむ。
「週末は郊外の農場へ遊びに行ったりするんで、どこでもガシガシ行けるクルマが欲しくて。汚れやヘコミも気にせず、機動性があるクルマが欲しいと思っていたときにこれに出会ったんだ」と、この古ぼけたジープとのストーリーを話してくれたブライス。
自身、元レーサーでスピードを追い求めていた日常だったが、引退した今はスピードよりもクルマやバイクの持つ雰囲気を重視するようになったという。だからここ最近はオールドカーやオールドモーターサイクルばかりを相棒にしている。
こんなジープが路上で停まっていたら、置き去りにされたクルマだと思われそうなほど塗装も剥げた外装だけど、これこそオリジナルペイントの証明。あえて当時の経年変化をそのまま楽しむパティーナと呼ばれるスタイルは、彼が住む都会であるロサンジェルスではかなり上級者な趣味のひとつ。このクルマで街乗りから、週末は郊外の農場まで走り、悪路まで使い倒している。
ヘビーデューティなクルマといえば車高が高くイカついイメージだけど、あえてオリジナルを重視するスタイルも魅力たっぷりだ。
「1953 Willys Jeep Station Wagon(ウィリスジープ ステーションワゴン)」のディテールを拝見!
フロントは当然のことながらベンチシート。 助手席は後部座席にアクセスするために セパレートされる。極めてシンプルだ。
ダッシュボードの中央にシンプルに配置さ れたメーターはブライスのお気に入り。 1950年代らしいデザインも大好物。
235/75-15インチのオフロードタイヤを履く。郊外の農場を走るためだけでなく、見 た目も考慮してチョイスしている。
エンジンはオリジナルの直列4気筒エンジンが今も好調に動いてくれる。もちろんメンテは必要だけど、タフな心臓部だ。
乾燥しているカリフォルニアで乗られていたジープなので、薄いサビが出ている程度で、ボディそのものは腐りなし。
誇らしげに4輪全部が回ってるぜを主張するエンブレムも経年変化によって良い風合いに。塗装のヤレ方も最高の雰囲気。
リアシートの後方にも十分な荷室が確保される。ちょっとしたキャンプ道具などはこれくらいあれば十分収納可能である。
オリジナルの枯れた雰囲気は「アジ」という長所だと再確認できる車体。ヴィンテージカーのよさをそのままに生かして乗るという楽しみ方、ワイルドでなかなかカッコいいのだ。
(出典/「Lightning 2021年1月号 Vol.321」)
Text/S.Koike 小池彰吾 Photo/Y.Miyazaki 宮崎良将(Seven Bros.)
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