見た目は本格的なラリーマシンながらナンバー付きなので公道走行も可能な究極のフェラーリ!
「ちょうどこの時代にランチア・ストラトスなんかが活躍していたので、あまり308は活躍できず、有名ではないんですが、やっぱりカッコいいんですよね」
そう語る諸井さんは、なんと市販バージョンの308をベースに当時のグループ4仕様のラリーマシンを忠実に再現。グループ4マシンのリプロダクションモデルを作ってしまった。
外観上で最も大きな違いは、大きくフレアしたリアフェンダーと、フロントのドライビングランプ、そしてストラトスと同じデザインのホイールなど。ホモロゲーションの規定によりほとんどボディラインは崩せないため、意外と変更点は少ない。
ベースがフェラーリなので、気軽にとはいかないが、ラリーマシンを公道で普通にドライブできるのがこのクルマ最大の魅力。さらにエンジンはフェラーリ328用にアップグレードされているので、軽快なドライブが可能だ!
往年のマルティニストライプがよく似合う、本格的なラリー仕様。
元々リアミッドシップにV8を搭載するフェラーリ308は、スポーツカーとしてのポテンシャルは非常に高く、外装もFRPで軽量なので、ボディも1トン強と見た目からは想像もつかないほど軽量。グループ4仕様のラリーマシンは、そこに目をつけたミケロットの手で製作された。実際にはフェラーリのサポートを受け、セミワークス体制で活動していたといわれている。
このラリーマシンを308ベースで忠実に再現。モディファイも当時の手法を参考にして行われている。取材車両はオートロマンのデモカーで、エンジンをフェラーリ328に換装してアップデート。代表の諸井さんが普段からドライブしているという個体だ。
派手な外装だけでなく、ドアを開けた内装もこだわりのディテール満載。
外装もワクワクさせてくれる「フェラーリ308」だが、その内部もまた実にワクワクさせてくれる。細かくエンジンから内装までディテールを見ていこう。
エンジン
リアミッドシップに横置き搭載されるエンジンは、オリジナルの3リッターからフェラーリ328用の3.2リッターV8
にスワップ。その後ろにはコレクタータンクやバッテリーなどが設置される。
ライト
マルティニストライプを纏ったボディには、フロントフェンダー上にラリーフォグを4連装。これだけでグッとラリーマシンっぽさが倍増するから不思議だ。
足回り
ホイールはランチア・ストラトスのラリーカーと同じマービック製マグホイールを忠実にアルミ製で再現したレプリカ。フレアフェンダーに収まるリアタイヤは305/35-15とかなりワイド。
サイドウィンドー
サイドウインドーは実際のラリーマシン同様プレキシグラスに交換され、上げ下げはできない。そのためスライドウインドーが備わる。かなりスパルタンな見た目。
ミラー
ミラーはビタローニ製で、振動で倒れないようにアルミ製のステーでミラー筐体は支えられている。ステーの造形も美しい。
シフター
シンプルなボール式ノブが備わるシフターには、ゲートが備わるのがフェラーリらしい。5速マニュアルとなる。
コクピット
シンプルな平面のダッシュに必要なスイッチや計器類が並ぶラリーカーらしいダッシュ周り。アルミ製のフロアに設置されるのは、通常の吊り下げ式ではなく、フロアを支点としたオルガン式のペダル。
シート
車内にはロールケージが張り巡らされる。乗り降りはかなり大変で、実際のラリーマシンのように、ステアリングを外して乗り込むスタイルながら街乗りもこなす。
(出典/「Lightning 2020年2月号 Vol.310」)
Text & Photo/D.Katsumura 勝村大輔 取材協力/ Auto Roman TEL0276-60-5523 http://www.autoroman.jp
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