初めてエンジニアに足を通したのは、18歳の時。その時はチペワを買い、その後、バイトをしてレッド・ウィングのエンジニアをゲットした。20歳の時に大学を1年休学し、そいつを履いてオーストラリアやインド、ネパールを放浪した。エンジニアを履いてエベレストのベースキャンプ(標高5364m)まで行ったのは、もしかしたら、人類初の“快挙”だったのかもしれない。
あれから、俺は何足のエンジニアを潰してきたんだろう。昔はスティールトゥ入りのゴツい奴が好きだったが、空港でピーピー鳴るので、最近ではトゥが薄めの、クラシカルスタイルが断然好み。シューストアや展示会に行っても、俺の眼は絶えず新しいエンジニアを探しているのだ。
「メイカーズ」のホース・エンジニア
で、本題。この凛とした佇まいのエンジニアを見てほしい。俺は、メイカーズの展示会でこのエンジニアと出会った時に、「これだ」と思ったね。普段は謙虚さを心掛けているが、今回だけはエラそうに言わせてもらいたい。
「数十足のエンジニアをリアルに履いてきた俺だからこそわかる、この美しさ」。
クラシカルなタイプは昨今多いが、これほど艶めかしいフォルムには、なかなか出会えない。素材の良さからくる品のいい光沢感、仕上げの丁寧さ……俺にとってこいつは、エンジニアではなく「ドレスブーツ」なのだ。今年48歳・年男。現時点で、このエンジニアが、俺の中の「最終到達地点」と言える。
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メイカーズ
http://makers-s.jp
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「Lightning 2019年4月号」)
Photo/A.Kuwayama 桑山章
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