1.「BARBOUR(バブアー)」のビデイル|「セプティズ」オーナー・玉木朗さん
アメトラの造詣が深い玉木さんが選ぶ実用的な一着は、バブアーの定番ジャケット、ビデイルの限定モデル。
「これはオリジナルのビデイルよりも、ポケットが5個も多いんです。それだけでも道具感があるでしょ?(笑)。実際に日用品を小分けに収納して出歩くから、もはや“着るバッグ”状態。本当に重宝しています」
もちろん水に強いオイルドクロスなど、バブアーならではのタフな質感や機能性も絶賛。
「雨でも気にしないで着用するし、家に帰ったら脱ぎっぱなし。そういう使い方が似合うアウターだと思うし、その方が風合いも出てくるのかなと」
日常着だけに着こなしもカジュアル。ストレートデニムやクルーネックセーターなど、ベーシックなアイテムと合わせるのが定番だとか。
「本来はブリトラ の流れにあるアイテムだけど、僕はアメカジ経由で知ったのもあり、昔からラフに着ています。でもアメリカのウエアにもマッチする、デザインやシルエットなんですよ。そんなところもお気に入りです」
愛用歴: 3年ほど
購入場所: セプティズ
購入時の価格: 7万400円
2.Eddie Bauer(エディーバウアー)のカラコラムダウンジャケット|「メイデンズショップ」ディレクター兼バイヤー・牧野真也さん
冬のアウトドアフィールドで死にかけた自身の体験を元に、1936年史上初となるダウンジャケット「スカイライナー」を生み出したのが他ならぬエディーバウアー。そのダウンジャケットはすぐにアウトドアウェアとして定着し、極地をいく探検家や登山家の欠かすことができないものとなった。
なかでも通称“日の出タグ”を配したこのカラコラムダウンは、ダウンジャケットを開発したエディーバウアーの代表作であり、難攻不落と言われたカラコルム山脈の最高峰K2地点の名を冠した1着。普段からストーリー性のある古着に惹かれるという牧野さんは、5年程前に古着屋でこの不朽の名作を見つけ、圧倒的なオーラに一目惚れしたという。
「50年代に踏破した山脈がワッペンで刻まれていたり、胸と袖にポケットを追加してたり、袖やポケットを直しに出していたりと最初のオーナーと服との絆がすごく伝わってくる1着です。まさに道具として使われ、そして仕事をしてきたんだなということが見るだけで分かります」
愛用歴:5年
購入場所:古着屋
購入時の価格:5万円くらい
3.SCHNEIDERS(シュナイダーズ)の80年代のヴィンテージ ローデンコート|「クローチア」営業&プレス・相川泰秀さん
ユーロヴィンテージに造詣が深い相川さんの冬のワードローブが、シュナイダーズの80年代のローデンコート。
「ジャケットの上から羽織れ、 一着で完結できる防寒着として重宝しています。ローデンクロスはシワになりにくい生地だから、ラフに扱えるのもいいですね」
上品な佇まいながら、ルーツにあるのはハンティングのカルチャー。フローティングショルダーや、インバーテッドプリーツなど、クラシック機能美ギミックを踏襲している。
「トラッドなアイテムだけど、アウトドアウエアのような機能性やカジュアルな側面もあり、そこも魅力のひとつです」
愛用歴:6年ほど
購入場所:クローチア
購入時の価格:7万6000円
4.FJALLRAVEN(フェールラーベン)のサバイバルジャケット|「アイビー&ネイビー」オーナー・小野雅之さん
いまでこそ人気アイテムとなり、着用している人を見る機会も多くなったハンティング用のジャケット。
「この手のギアっぽいジャケットは昔から好きでお店をやりだした頃から取り扱っていましたが、当時はほとんど売れませんでした(笑)。フェールラーベンというブランドがバッグのイメージが強く、ファッションとしてはイメージが難しいというのもあったと思いますが、スウェーデン王室御用達ウェアとしてクオリティは申し分ありません。
このジャケットは1970年代から作られており、稀に古着店でも見かけます。本物のサバイバルウエアなので狩猟用のツールポケットがやたらとついており、現代においては手ぶらで出かけたりするのにも便利。
ファッション的な要素は少ない服ですが、 袖を取ってベストにすることもできるし、こういったギアのような服をスタイリングに取り入れるのが面白いですよね。着る際はアウトドアに寄せたテイストでコーディネイトを楽しんでいます」
愛用歴:15年
購入場所:アイビー&ネイビー
購入時の価格:4万9800円
5.Barbour(バブアー)のインタナーショナル|「オールドジョー」デザイナー・髙木雄介さん
デザインソースとして所有する膨大なヴィンテージアーカイブのなかで、実用性重視で愛用しているのが、50年代のバブアーのインターナショナル。
「バブアーは何着か所有しているけど、日常で1番活躍しているのがこれ。サイズやシルエットがちょうどいいし、デザインにも無駄がない。最高のフィールドウエアですね。古着の市場的には希少性が高いアイテムだと思うけど、そういうことは気にしないでラフに着用しているし、実際にアウトドアでも重宝しています」
オイルが抜けきったオイルドクロスの質感や、パーツによって色の抜け方が異なっているのも、お気に入りだとか。
「購入時から、いい感じの風合いが出ていたけど、この12年でさらに味わいが増した気がします。ヴィンテージには、独自の色気や艶があると思うけど、そうしたウエアを日常に取り入れることは、自分のスタイルのべースになっています」
愛用歴:12年ほど
購入場所:ヴィンテージショップ
購入時の価格:8万円くらい
6.Patagonia(パタゴニア)のスーパーアルパインジャケット|「ピープルショールーム」ディレクター・山田昭一さん
アウトドアを軸にアパレルからギアまで幅広くPRを手がけるフリーランスの山田さんが道具服として挙げたのは、もちろんアウトドアウエア。
「パタゴニアはスーパーレアでなければ、まだまだ買いやすい価格帯のものが多く、『スーパーアルパイン』もそのひとつ。周りがこぞって裏原系を向いていた学生のころ、アメリカに夢中だった僕が背伸びして買った山用シェルジャケットです(笑)。
いまだ現代においても最強のタフネスを誇るアラミドという繊維を採用していて、耐久性は抜群。この90年代らしい配色も、今見ても最高です。着るものに気を遣いたくないし、長きにわたって愛用できるものであってほしいので、山用のウエアにおいてタフさは最重視するポイント。
これは街着を選ぶ際にも共通していて、できる限り普遍的なデザインで飽きることなくずっと着用できるものを選びます。『スーパーアルパイン』ももちろんその代表格。久々に着てみようかな(笑)」
愛用歴:23年
購入場所:バックストリート
購入時の価格:4~5万円
※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/「2nd 2023年2月号 Vol.191」)
Photo/Satoshi Ohmura, Yuta Okuyama, Nanako Hidaka, Shunichiro Kai, Norihito Suzuki, Takuya Furusue, Akira Mori, Yoshika Amino Text/Okamoto 546, Shuhei Sato, Masatsugu Kuwabara, Tsuyoshi Hasegawa, Shinsuke Isomura, Kiyoto Kuniryo, Shuhei Takano, Kazuki Imanishi
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