しかし、140年に及ぶ技術の継承は昨年 2021年に途絶える。ハンガリーはブダペストの名門工房が、スペインのファクトリーへと生産の場を移すことでかろうじて存続したのだ。
しかしその技術が失われることはない。ブダペスト生産時代の工房のマイスターたちが集結し、同国にある工房「ラズロ ブダペスト」へ移籍したからだ。いま再び、ハンガリーの地から人類最高の叡智たる極上の革靴が誕生する。
Laszlo(ラズロ)
「靴のロールスロイス」とまで称されたハインリッヒディンケラッカーの職人を再集結することで立ち上がった、伝統を継承する新ブランド。旧時代同様、工房をブダペストに構え、最高の技術を継承する。
Budapest(ブダペスト)
ハインリッヒディンケラッカー時代の「Rio」を彷彿とさせるモデル。ぽってりとしたトゥの造形と重量感のあるトリプルソールを特徴に持ち、「ブダペスター」と呼ばれる伝統と歴史を兼備する一足となっている。14万800円
Vienna(ウィーン)
旧時代の「Buda」を継承するモデル。アイレットが3から5穴に変更となり、その表情は少し変わるかもしれないが、シャープなトゥによるすっきりとしたシルエットや、超絶技巧と呼ばれる「辮髪縫い」を継承する。14万8500円
インソールは大幅アップグレード。
足裏の半分までインソールを貼ったハーフソックは、ハインリッヒディンケラッカー時代の定番ディテールであったが、ラズロでは足裏全面にインソールを貼ったフルソックを採用。これにより足全体へのフィット感が高まった。
※情報は取材当時のものです。
(出典/「2nd 2022年11月号 Vol.188」)
Photo/Yoshika Amino, Yuco Nakamura Text/Okamoto 546, Shuhei Takano
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