ミリタリー由来の革靴は名作揃い! 知っておきたい11足を紹介。

大戦時代、兵士たちの足元を支えたのは各軍から支給された革靴だった。多くのモデルは終戦と共にその役目を終えたが、履き心地を追求したラストや機能的なディテールは一般靴に受け継がれ、数々の名作モデルを生み出している。

CONTENTS

1.「オールデン」の4540Hタンカーブーツ|倉庫に眠っていた大戦中のミリタリーラストを復活。

Alden 4540H TANKER BOOT14万8500円(ラコタ 03-3545-3322)

オールデンの名作モデルのひとつ「タンカーブーツ」は、日本の総代理店であるラコタが、1995年に企画した一足。抜群のフィットを生み出す、小さめのヒールカップと緩やかな曲線を描くアーチシェイプが特徴的だが、その独自のシルエットは第二次大戦中に開発されたミリタリーラスト(379X)を復刻させたもの。

当時の米軍の陸軍靴やドレスユニフォーム用に採用されていたが、終戦後は一時期ボーイズ用に使われただけで、80年代以降は倉庫へ。そんな伝説のラストが、ラコタの強い要望により、再び日の目を見ることとなった。

タンカーブーツといえば、コードパンの美しい表情やノルウィージャンスプレイットトゥに注目されがちだが、アメリカらしい一足として今日まで親しまれているのは、高級感の中にも、どこか武骨さを感じさせるミリタリーラストの魅力も大きい。

2.「サンダース」の1945 プレーントゥダービー|英国軍の“アミュニッションブーツ”のラストを再現した日本限定シリーズ。

SANDERS B.G.S. COLLECTION 1945 PLAIN TOE DERBY5万7200円(グラストンベリーショールーム 03-6231-0213)

英国靴の聖地、ノーサンプトンを拠点に、約150年の歴史を誇るサンダース。伝統的なグッドイヤーウェルト製法を守り続けるなか、日本限 定でリリースされるのが「B.G.S.コレクション」。

B.G.Sは、”Boots,Ankle, General service” の略称で、1880年代から
1950年代に英国軍に支給されていた、アミュニッションブーツのラストを忠実に再現したシリーズとなる。トゥ周りにボリュームがあるシ ルエットは、兵士たちが地面をしっかり踏み込めるように設計されたもので、ヒールをシェイプすることでフィット感も高めている。

手入れもしやすいポリッシュドレザーや、グリップ力のあるイッツハイドラバーソールを採用するなど機能性も高い。

3.「ニードルズ × パラブーツ」のNアリアージュ|フランス空軍に 納品されていた60年代のフライトブーツをルーツに持つ。

NEEDLES× PARABOOT N ARIEGE9万9000円(ネペンテス 03-3400-7227)

フランスの名門シューズメーカー、パラブーツにニードルズが別注した一足は、軍用フライトブーツ をルーツに持つ名作[ペリゴー]を、ス タイリッシュにアレンジしたブーツ。原型となったモデルは1966 年には存在し、その当時からフランス空軍に納品されていた実績を持っている。

「N アリアージュ」と命名された別注モデルは、アッパーやライニングだけでなく全てのパーツをブラックに統一し、乗馬のパドックブーツな どで使われるSラストを採用。 ソリッドなデザインに仕上げながらも、脱着しやすいサイドジップや、クッション性に富んだパラブーツ独自のラバーソールを装備するなど、実用面も考慮している。

4.「スクーブ」のUSMC オフィサー|’40年代のUSMCに支給されたモデルを独自にモディファイ

SKOOB USMC Officer5万7200円(ブックス 03-5808-9042)

東京は浅草に自社工場を構える国産ブランドのスクーブが初リリースするサービスシューズは、’40年代~50年代前半にかけてUSMC(米軍海兵隊)に支給されていたプロダクトをベースにした一足。同時にリリースされたスクーブの[USMCサービスシューズ]が忠実にUSMCのモデルを再現しているのに対し、こちらは様々なシチュエーションで着用できるよう、レザーソールをミリタリーラバーソールに変更するなどモディファイしている。

5.「リーガルシュー&カンパニー」の940S|定番のレースアップブーツも日本軍の軍靴がルーツにあり?

REGAL Shoe & Co. 940S5万600円(リーガルシュー&カンパニー 03-5459-3135)

リーガルのラストは、日本軍の軍靴を製造する過程で作られた歴史を持つ。“オブリークラスト” と呼ばれてきた、そのラストは軍靴製造が終了した後も一般靴に引き継がれ、現行モデルにも踏襲されている。そのなかでもこちらの定番モデルは、シンプルなストレートチップを編み上げブーツで仕上げたクラシカルな一足。フィット感を重視したという美しいシルエットのなかに、かつての日本軍に支給されていた軍靴の面影を感じてみては?

6.「ブラザーブリッジ」のエスケープ|大人気のサービスシューズ「M43タイプ3」のデザインを踏襲。

BROTHER BRIDGE Escape5万7200円(ブラザーブリッジ 03-6802-7992)

〝伝統と先進性の融合〞をコンセプトに掲げたオリジナルシューズを展開するブラザーブリッジ。

新作モデルの「エスケープ」は、数あるUSアーミーのサービスシューズの中でも人気が高い、M43タイプを踏襲した一足。オリジナルに忠実なデザインを意識しながらも、ディテールは日本人の足に合わせてラインを修正している。

さらに、トゥの先芯を抜いているため、履きこむうちに少しずつ爪先が潰れていき、ヴィンテージのような風合いを楽しむことも可能。

映画『大脱走』で、スティーブ・マックイーンも履いていたM43タイプ に、独自のアレンジを加えることで、日常で愛用できる上品な一足に仕上げている。

7.「ジョセフ チーニー」のケンゴン II R|英国軍にも提供してきたラストとタフなギミックを融合。

JOSEPH CHEANEY CAIRNGORM II R8万1400円(ブリティッシュメイド 青山本店 03-5466-3445)

英国の伝統を受け継ぐ老舗メーカー、ジョセフ チーニーは外羽根キャップトゥモデルの「ケンゴンII R」に注目。

75年以上も前から英国軍に提供していた歴史あるラスト4436を採用し、ミリタリーシーンで重宝されてきたグッドイヤーウェルト製法のヴェルトショーン仕様で仕上げた一足で、質実剛健な魅力を備えている。

さらに、見えない部分にもミリタリーなギミックがあり、甲を覆うベロと羽根部分を繋げた〝ベローズタン〞を採用。 これは登山靴にも共通する作りで、悪路対策として取り入れられた機能的なディテール。

上品なステッチワークやシボ感が際立つトラッドなルックスながら、タフなモデルとなっている。

8.「ヴィエント アメリカーノ」のフローターチャッカブーツ|米軍ベース(基地)で 販売されていた“お洒落靴 ”。

VIENT AMERICANO FLOATER CHUKKA BOOT1万9980円(セプティズ 03-5481-8651)

インドネシアに拠点を置くヴィエントアメリカーノからは、’60〜70年代に流行した[フローター]がモチーフの一足。様々なブランドから展 開されていたなかでも、オリジナルとされる〝ベイツ社〞のモデルを、三軒茶屋のセレクト店「セプティズ」のオーナーであり、当時まさにこの靴を追い求めていた玉木氏が再現したのだ。

このベイツ社の[フローター]、当時は日本で正規輸入されておらず、リアルタイムで手にできる人は少なかったという。何を隠そう[フロー ター]は、米軍ベース内にあるPX(売店)でのみ展開されていた靴。つまり、米兵やその家族たちにお洒落靴として販売されていた一足なのだ。

9.「カルミーナ」の80501|地中海に浮かぶマヨルカ島で作られていた木型をオマージュ。

CARMINA 80501 8万3600円(トモエ商事 03-3874-3147)

カルミーナは、スペインにて1866 年より続く歴史ある高級靴メーカー。そのシャープでドレッシーなアイテムラインナップからは想像が つかないが、実はこの[80501]モデルに採用されている“カルビア” という木型はミリタリーが出自である。

かつて米軍のオフィサーシューズが多く作られていたとされるスペインのマヨルカ島。具体的な年代は不詳だが、当時の木型をオマージュ してつくられたのが“カルビア”なのだ。

10.「クロケット&ジョーンズ」のサンドハースト|英国陸軍士官学校の地名に由来したモデル名。

Crockett& Jones SANDHURST8万8000円(フレーム 092-707-0562)

世界中で最も多くのラストを所有するクロケット&ジョーンズ。ミリタリーをルーツに持つモデルも多く存在するが、こちらの「サンドハースト」は、英国陸軍士官学校の地名に由来した名前を持つ一足。クセのないフォルムのラストを採用したキャップトゥダービーながら、ストームウエルトと重厚なビブラムソールを組み合わせ、ソール周りのボリュームを強調することで、タフなミリタリーテイストをプラスしている。

11.「ビルトバック」のLot.672 サービスシューズ|‘40sサービスシューズをベースに高級感と快適な履き心地を追求。

BILTBUCK Lot.672 Service Shoes7万4800円(アトラクションズ 03-3408-0036)

アトラクションズが提案するレザーブランド、ビルトバッ ク。様々な名品が揃うなか、ロングセールスを誇るアメリ カンオフィサーシューズは、’40年代のサービスシューズ をベースにした一足。

フランス原皮の高品質カーフスキンに型押し、揉みシボの加工を施したスペシャルレザーを使用し、ダイナミックな外羽根やT型バックステイ、 ツメコバ仕上げなど、オーセ ンティックなディテールが光る。アウトソールにはイタリ ア製オークバークの最高級ソールベンズと、ビルトライト 製トップリフトを装備。ラストにはサービスシューズ専用 ラストを採用し、足馴染みのいい優れたフィット感と、快 適な履き心地を実現している。細部までこだわり抜いた贅沢な意匠と抜群の歩行性を兼ね備えた究極のオフィサーシューズだ。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「2nd 2022年3月号 Vol.180」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革ジャン好きなら一度は通るべき! 「No,No,Yes!」の最上級オーダー“アルチザン”とは?

  • 2026.06.01

「世界にひとつだけの革ジャンを作る」。それは、レザーラバーの憧れだ。革好き注目のブランド「No,No,Yes!」が誇るオーダーメニューの中でも最上級に位置する「アルチザン」とはいったいなんなのか? その正体に迫る。 革ジャンの伝道師・モヒカン小川が実際に“アルチザン”を体験 これは単なる革ジャンの話...

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

上品に纏うちょうどいい季節。大人の夏にちょうどいい「ORGUEIL」のシャツ

  • 2026.06.30

気温の上昇とともに、装いは軽く簡素になる。だからこそ求めたいのは、肩肘張らない大人の品格だ。クラシックをモダンに再構築したORGUEILのシャツが、大人の夏にちょうどいい存在感を放ってくれるはずだ。 Shawl Collar Denim Work Shirt 1930 年代に現存したアメリカンワーク...

もはや芸術品! 「Horizon Blue Jewelry」の装飾品の域を超えた美学

  • 2026.06.26

あまりに精緻で、目を見張るほどに美しいHorizon Blue Jewelry。その作品群を目の当たりにすれば、単なるアクセサリーの域を超え“芸術品”とも称される所以を容易に理解できるだろう。ここでは、アートピース級の美しさを湛えるジュエリーのなかから今後発売予定の新作も含めて紹介する。 アクセサリ...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

Pick Up おすすめ記事

上質な革を日常に。「INCEPTION」のショルダーバッグは経年変化が楽しみになる相棒だ

  • 2026.06.26

レザーほど、所有者とともに過ごした年月が如実に現れる素材はない。毎日のように身につけるレザーバッグは、なおのことである。“革”に徹底的にこだわるINCEPTIONのショルダーバッグはクラッチマンの相棒として最適な存在だ。 FANNY PACK 腰に巻いて使用することを目的とするファニーパックをショル...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

もはや芸術品! 「Horizon Blue Jewelry」の装飾品の域を超えた美学

  • 2026.06.26

あまりに精緻で、目を見張るほどに美しいHorizon Blue Jewelry。その作品群を目の当たりにすれば、単なるアクセサリーの域を超え“芸術品”とも称される所以を容易に理解できるだろう。ここでは、アートピース級の美しさを湛えるジュエリーのなかから今後発売予定の新作も含めて紹介する。 アクセサリ...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...