【ファッション用語辞典】ミリタリーパンツの種類・名称

現代において、カジュアルファッションとして楽しまれているパンツの多くは、ミリタリーを起源に持つものが多い。今回はその中でも特に主流とされるチノ、カーゴ、ベイカーの3型を紹介。出自を知ることで、より着こなしに幅が出るはずだ。

ミリタリーパンツ基本の3型。

1.CHINO PANTS(チノパンツ)|ミリタリーが源流のカジュアルパンツ。

その語源は、“中国の(=チャイナの)” という意味のチノーズからきており、欧米の軍服に中国で作られた綿を綾織りにした生地が使われていたことに始まる。また、ミリタリーのチノを“カーキ” と呼ぶのは、米軍が夏季に採用していた白い制服が土埃でベージュに変わってしまうことから、前もってカーキ色にした生地を使用していたからなのだ。これがチノパンの始まりなのである。’60年代に入るとアイビーリーガーたちに愛用されキャンパスで着用されるアイコンのひとつとなり、現代のスタンダードなアイテムへと普及していく。あらゆる着こなしに対応できるため、最もユーティリティなパンツとして所有するべきアイテムである。

2.CARGO PANTS(カーゴパンツ)|ミリタリーらしい武骨さが魅力。

カーゴとは、“貨物船” を意味する。その名の通り、もとは貨物船の乗組員が穿く作業着で、そのベースとなったと言われているのが、1942年にアメリカ軍で採用された[M-42パラトルーパーパンツ]。その後、[M-51]として軍用にも使われるようになる。ももの両脇にカーゴポケットと呼ばれるマチ付きの大きなポケットを配しており、6つ備えられていることから、“シックスポケット” とも呼ばれる。シルエットがゆったりとしたものが多く、手軽に男らしい存在感を演出することができる。近年では、トップスに上品なジャケットなどを合わせ、武骨な雰囲気とのミックス感を楽しむコーディネイトも多く見られるようになった。

3.BAKER PANTS(ベイカーパンツ)|使いやすさとミリタリーらしさのいい塩梅。

諸説あるためその起源ははっきりしていないが、ベイカー(=パン職人)が作業用として穿いていたことから、その名がついたという話が有名。前後に取り付けられたL 字型の深いパッチポケット(生地の上に別布を取り付けたもの)が最大の特徴である。カーゴパンツとも似たミリタリー然とした雰囲気を持つが、ももの大きなポケットがない分、よりスッキリとしたシルエットで幅広く着こなしに取り入れやすい。知名度はもともとカーゴパンツに劣っていたものの、その使いやすさから昨今のファッションシーンで多く見かけるようになった。チノパンツに次いで、初心者でも手を出しやすいミリタリーパンツと言えよう。

ミリタリーパンツはヨーロッパにも注目したい。

ミリタリーパンツと言えば、長らくアメリカが主流とされてきたが、ここ最近では、ヨーロッパヴィンテージも注目されている。人気の火付け役となった[M-47]を中心に、その一部を紹介。

1.M-47(前期)|軍パンなのにどこかエレガント。

フランス陸軍が第二次世界大戦より採用した6ポケットタイプのカーゴパンツ。2段階ボタンとマチを備えたサイドポケットをはじめ、スレーキの裏補強に施したパイピングなど、大量生産が当たり前のミリタリーにあって仕立ての良さが際立っている。主に’50年代に採用された前期、同じく’60年代に採用された後期の2種類にわけられ、前者はやや肉厚なコットンツイルに2トップボタン、後者はより耐久性に優れたヘリンボーンツイル+ワントップボタンへと変遷していく。

2.イギリス軍のグルカパンツ|グルカ兵に着想を得た多目的モデル。

ネパールの山岳民族=グルカ族によって構成され、山岳白兵戦に優れた通称グルカ兵が着用していたパンツに着想を得て、英陸軍が開発した2プリーツ仕様のオールラウンダー。

3.M-52 チノトラウザー|各ディテールの作り込みにも注目。

1950年代より製造されたワンプリーツモデル。カーブを描くヒップポケットのフラップはじめ、随所にユーロミリタリーならではの手の込んだ意匠が見て取れる。

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