大友康平が教えてくれたビートルズの魅力【ビートルズのことを考えない日は一日もなかったVOL.5】

  • 2024.03.08

1980年10月から文化放送で『ザ・ビートルズ』というラジオ番組が始まった。土曜11時半からの30分番組。どういう経緯でこの番組を聞くようになったのか、はっきりと覚えていないが、きっと新聞のラテ欄で見つけてダイヤルを合わせたのだろう。この少し前から、深夜放送を聴くようになり、特に土曜日は深い時間まで起きていられるということで、『所ジョージの足かけ二日大進撃』から『鶴光のオールナイトニッポン』に移行するのがお決まりのパターンだったが、その前の時間帯に『ザ・ビートルズ』が加わった。

土曜夜11時半から放送の明治製菓提供のビートルズ番組

番組テーマはホリーリッジ・ストリングス「抱きしめたい」。『ビートルズ物語』で使用されていた

提供は明治製菓。ちょうどこの時期、五十嵐浩晃の「ペガサスの朝」が明治チョコレートのCMに使われていたことから、番組内でも頻繁に流れており、無意識のうちにインプットされていって、翌年大ヒットに至った際は、ちょっとした優越感に浸った記憶がある。今でも「ペガサスの朝」を聴くと『ザ・ビートルズ』で流れていたラジオCMを思い出す。

番組のパーソナリティを務めていたのはハウンド・ドッグの大友康平。デビュー曲「嵐の金曜日」がリリースされたのがこの年の3月だから、まだ駆け出しの新人だった。どういう経緯でキャスティングされたのだろうか。ビートルズは好きだけど、そこまで詳しくはないという立ち位置で、トークも初々しく、時折ギャグを入れるけど、ちょっとすべってしまうところに愛嬌があった。そんな気合が空回りしたトークが逆に親近感を覚えた。

同時期にスタートした『セイ・ヤング』もたまに聞くなど、気のいいお兄さんみたいな感じで大友康平が気になりはじめ、ハウンド・ドッグの動向も追うようになる。それから1年半ほど経った頃、「浮気な、パレット・キャット」がヒットしたときは、自分のことのように嬉しい気持ちになった。さらには「ff(フォルティシモ)」で大ブレイクした後の86年に行われた武道館10デイズ公演を観に行ったのもいい思い出だ。

竹内まりやがリクエストした「ノー・リプライ」

竹内まりやがリクエストしていた「ノー・リプライ」

肝心の番組はアルバムごとなど毎回ひとつのテーマで構成され、そのテーマにちなんだ曲が5~6曲流れるというもの。まだ聞いたことのない曲が聴けるとあって、初心者の自分にとって大いに参考になった。大友康平の解説も魅力的であった。第一回の放送では、番組開始を記念して桑田佳祐と竹内まりやからメッセージが届き、それぞれが好きだというビートルズの曲が流れた。前者は「ロッキー・ラクーン」、後者は「ノー・リプライ」。竹内まりやは後にビートルズにオマージュを捧げた「マージ―ビートで歌わせて」という曲を作ったが、その中に出てくる一節「64年のレコード、棚にある」は、きっと「ノー・リプライ」が収録された『ビートルズ・フォー・セール』なのではないかと思っている。また、番組のオープニングテーマだった「抱きしめたい」のホリーリッジ・ストリングスバージョンも忘れ難い。このバージョンが『ビートルズ物語』というレコードの中で使われていたことを知るのはもう少し時間が経ってからのことだ。

81年初頭深夜に放送されたカウントダウン特番

80年末にリリースされた『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』

翌81年4月まで約半年続いたこの番組の思い出は尽きない。その間にはジョンの死去があり、年始には2時間にわたる特番もあった。『ビートルズスペシャル81』というタイトルのこの番組はリスナーから募ったリクエストをカウントダウンで20位から1位まで紹介するというもので、リリースされたばかりの『リヴァプールより愛を込めて ザ・ビートルズ・ボックス』を抽選で40名にプレゼントするという企画があったので、自分も必死にリクエストカードを書いた。このボックスはビートルズの曲を8枚のレコードに分けてコンパイルされた豪華仕様盤、価格は18,400円ということで、ファンにはなんとも魅力的な商品だった。当日の放送を楽しみにして、テープに録音しながら2時間を完全聴取。残念ながら当選することはなかったが、今でもすごく印象に残っているラジオ番組だ。ちなみに人気投票の1位は「レット・イット・ビー」だった。

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