メグロ250SGの後継機種「カワサキ MEGURO S1」がリリース
1924年に設立された目黒製作所は、1937年に最初のオートバイを生産して以降、1964年にカワサキと合併するまで、戦前戦後の国産オートバイ黎明期、150社以上もあったといわれる国産オートバイメーカーのなかでも、ひと際輝く存在だった。そのメグロが目黒製作所設立100周年を迎えた昨年、1964年に販売されたメグロ250SGの後継機種として、230CCの空冷シングルエンジンを搭載したカワサキMEGURO S1がリリースされのだ。



メグロに乗るなら、こう着る! 人気レザーブランド6社にレザーコーディネートを提案してもらった
クラシカルなスタイルが印象的なMEGURO S1。このバイクに乗るならどんなスタイルで乗るのがいいだろう? 都内のレザーブランドで代表がバイク乗りという6ブランドにコーディネートを披露していただいた。
1.国産バイクとUKライダースのマッチングに注目!|「ルイスレザーズジャパン」代表・後藤恒明さん
まず一人目は、ルイスレザーズジャパン代表の後藤恒明さん。ルイスレザーズは、英国のライダースジャケットを代表する存在。現在でも多くのファッショニスタに愛用され、その人気は止まるところを知らない。代表の後藤さんも、普段はZなどに乗る国産旧車好き。新型のメグロS-1に興味津々の様子だ。
「クラシカルな佇まいがいいですね。大きさも手頃で、乗りやすそう」
かつてはカワサキのW650にも乗っていたという後藤さん。その系譜であるメグロを眺める眼差しは優しい。
「足付きもいいですね。デザインも素敵だと思います。特に『メグロ』というカタカナの書体がいいですね」
後藤さんのこの日のコーディネイトは、王道のバイカースタイル。太めのデニムに、ルイスレザーズの「メンフィス」というモデルを合わせた。
「『メンフィス』はギターウルフとのコラボモデルなんですが、エポレットやベルトも装備されていて、アメリカンな雰囲気のモデルです。アクションプリーツも設けられているので、バイクも運転しやすいんです」
UKライダースでありながら、どことなく旧きよきアメリカの空気感をも醸し出す「メンフィス」は、クラシカルなメグロにぴったり。国産バイクとルイスレザーズの組み合わせ、今後のトレンドになるかもしれない。
2.ライダースにムートンを合わせる上級テクニック!|「ISAMU KATAYAMA BACKLASH」代表・片山勇さん
アメリカンヘリテージをベースとしながらも、“洗い“をかけたレザーを使い、どこかモードの香りのするブランド、「ISAMU KATAYAMA BACKLASH」。代表の片山勇さんは、普段からZ1-RやKZ900に乗る根っからのカワサキ党だ。
「いや〜メグロが復活するというので、どんなバイクに仕上がっているのか、楽しみだったんですよ。デザインがすごくいいですね!」と、一目見て気に入った様子だ。
「乗ってみると、本当に軽いんですね。都内を走るなら、これくらいのサイズがいいですね」とご満悦。
真冬でも通勤でカワサキに乗る片山さん。この日も、ライダースに革パン、そしてムートンジャケットを合わせたスタイルを披露してくれた。
「このムートンジャケットもバックラッシュのものなんですが、スペイン製のムートンを使っていて軽いんです。革ジャンの上からでも羽織れるように、サイズも若干大きめに作ってあります。真冬のライダーにもおすすめです」
全身をレザーでキメるとハードになり過ぎてしまうきらいがあるが、上からムートンを羽織るだけで、ハードさが払拭され、カジュアルな印象になる。バイカーの方は、是非とも真似したいコーディネイトだ。
3.クラシカルなバイクには茶芯のレザーがよく似合う。|「アツレザーワークス」代表・外山篤さん
「このデザインがいいですね。カタカナで描かれた『メグロ』の文字もたまりません」。
代官山に工房兼ショップをもつアツレザーワークス。精緻なカービングを得意にしており、工芸品のようなレザープロダクツを世に送り出している。代表の外山篤さんも、旧車バイクの魅力に取り憑かれた一人だ。往年の名車を現代に甦らせたメグロを見て、目を輝かせていた。
「取りまわしやすそうなボディサイズもいいですね。僕の乗っている旧車はトラブルでよく止まってしまうんですが、このメグロならそんな心配もないですよね(笑)」
クラシカルなバイクには、アジの出た革ジャンが似合うと思うんです、と外山さん。外山さんの着るダブルライダースからは、そこかしこから茶芯が見え隠れしている。ちなみに「茶芯」とは、表面の染料が擦れたりして落ちることで、下地のブラウンが出現している様をいう。革ジャンファンなら誰もが憧れるエイジングなのだ。
外山さんのライダースは、実はヴィンテージ加工が施されたもの。特殊な薬品で表面の黒い染料を落とし、あえて下地の茶を出しているアツレザーワークスを代表する人気モデルだ。その加工モデルを3年着込んだという外山さんのライダースは、クラシカルなメグロの佇まいに負けない、圧倒的な存在感を放っている。
4.ダブルライダースは上まできっちり閉めるのが流儀。|「アトラクションズ」代表・西崎智成さん
音楽、モーターサイクルとアメリカンカルチャーを融合させ、独自の世界観を作り上げているブランド、アトラクションズ。特にエンジニアブーツの人気は凄まじく、入荷次第すぐ売り切れてしまうほどだ。英国バイクを愛する代表の西崎智成さんのライディング時のスタイルは、いつもダブルライダースにエンジニアブーツ。
「ライダースに太めのパンツを合わせるのが好きですね。で、ライダースは必ず上までかっちり閉めます」と西崎さん。確かに、フロントを閉めたライダースは、どこか上品な印象を受ける。遮風性もアップするため、ライディング時には必須なのだとか。
「僕自身メグロに乗ったことはないのですが、ロッカーズの先輩が乗っていたりと、何人かの知り合いがメグロに乗っていました。そういう点でも、僕にとっては思い入れのあるバイクなんです。この新型メグロが、原宿の定番バイクになったらカッコ良さそうですね!」
バイク、音楽、そしてアメリカ文化をこよなく愛する西崎さん。メグロにまつわる思い出話を、たっぷりと聞かせてくれた。
5.レザーコートでメグロに乗る男の“粋“。|「ストラム」代表・桑原和生さん
革にアルコール度数の高い染料を載せ、火をつけて燃やすことで色を定着させる「バーニングダイ」という手法を生み出したブランド、ストラム。代表の桑原和生さんは根っからの国産旧車好きで、よく愛車でツーリングにも行っているという。
「僕は普段、大きいバイクに乗っているんですが、このメグロの軽さが魅力ですね。そして“歴史“ですね。あのメグロの系譜かと思うと、感慨深いですね」
今回の桑原さんのコーデは、オールレザースタイル。レザーパンツにレザーシャツ、そして目を引くのがスエードのコートだ。
「このコートは乗馬用コートに着想を得て、裾を脚に巻き付けることができるんです。なのでバイクライディング時にもバタつかずにおすすめです」
表革ではなく、裏革(スエード)を使うことで、レザーの持つ“重たさ“を感じさせないのがポイント。軽い乗り味のメグロを、スエードコートで軽やかに乗る。それこそ今のTOKYOのストリートバイカースタイルなのかもしれない。
6.是非取り入れたい古着MIXのバイカースタイル。|「天神ワークス」代表・髙木英登さん
「レザーエイジング」というジャンルを確立し、アメカジ業界にエイジング旋風を巻き起こした立役者、天神ワークス。代表の髙木英登さんは、どんなスタイルで登場してくれるのだろうか?
「普段から、古着を取り入れたコーデが好きですね。今日のアウターは、新作モデルなんです」
表面を起毛させた「ブラッシュドキップレザー」を使ったジャケットは、革ジャンでありながらサラッと羽織れる軽快さがウリ。1960年代に見られたカップショルダーのジャケットがモチーフだ。
「メグロって、1960年代のモノクロ期のバイクを象徴する存在だと思うんです。そんな雰囲気の色味が好きですね」
元々、画家として活躍していた髙木さん。真っ先にブラックを基調としたカラーリングに目が入ったようだ。
「そんな雰囲気に合わせて、今日のコーデも1960年代風にしてみました。バイクのテイストと年代を合わせたファッションを楽しむのも、アリですよね」
現代に蘇ったメグロを、あえて旧車のように乗りこなす。バイクファッションを楽しむ秘訣が、わかったような気がした。
動画でも紹介しているので「モヒカン小川のレザーチャンネル」でもチェックしてみてほしい。
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いかがだったでしょうか? それぞれのスタイル感じる「メグロに乗るなら、こう着る」コーディネイトは流石の一言。ちなみに、MEGURO S1と並んで、カワサキW230もリリースされている。こちらもスペックは、MEGURO S1と同様のユニットだが、1966年のW1から続く“W”の系譜に入る1台として、空冷バーチカルツインのW800とともに現行ラインナップされている。こちらもでひチェックしてみてほしい。
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