革をアートに昇華させる男。ATSU LEATHER WORKS

  • 2024.10.30

温故知新。伝統的な素材や技術に独自のアイデアを落とし込み、他に類を見ないプロダクツを作り出す。磨き上げられた一糸入魂の手作業と、レザーカービングに彩りを与える“The Ore”と名付けられた業によって、ATSU LEATHER WORKSのデザインは生み出される。

レザークラフトの伝統技術に日本画にある調色技法を組み合わせる。

レザーカービングへ純銀や鉱物を定着させる“The Ore”を武器とする外山篤さん。新旧の技法を要素をミックスし、オリジナリティを演出する

現代の多くの革ジャンのベースは遥か昔に確立されていたと言っても過言ではない。だが、現代までデザイナーや職人の努力によって、新たなプロダクツが誕生し続けてきた。つまり、革ジャンをはじめとしたレザープロダクツは伝統を守りながら、進化を続けるカテゴリーなのだと言える。

渋谷の工房兼ショップからハンドメイドのレザープロダクツを発信するアツレザーワークスのモノ作りにはそんな温故知新の精神が色濃く感じられる。ブランドの代名詞である、レザーカービングに細かく砕いた鉱物を密着させ色付けする“The Ore”と名付けられた技法は、レザーカービングに加え、日本画からヒントを得た調色技法を駆使したモノ。

つまり、どちらも伝統技術でありながら、それを組み合わせることで、レザークラフトにおける新たな表現として昇華されるというわけだ。アツレザーワークスのライダースのベースのスタイルは至ってオーソドックス。だからこそThe Oreによる繊細なデザインが際立ち、奇を衒うことなく唯一無二の個性を演出する。

生産の全工程を工房で行うのは職人でありデザイナーの外山さんのこだわりを自らの手で具現化するためだ。職人がレザーと向き合い手作業でオリジナリティを追求するモノ作りは、アートと呼ぶにふさわしい。

The Oreをはじめとした外山氏の業は、レザーに息吹を宿すかのように、そのもの独自の表情を与えることができる。こちらはGood Art HLYWDとのコラボレーションで製作したキャスケット。

The Oreのベースとなるレザーカービングはひとつの図柄に対し、10以上のスタンプを使用して丁寧に刻まれる。トラディショナルな絵柄から個性を生み出すThe Oreの軸となる部分。

ベストのポケット部分。カービングのピーナッツフラワー部分は一見パッチに見えるが、周りに着色して一枚のレザーから生み出したデザインだ。

DOUBLE BLACK RIDERS “Sun Burst & Peanut Flower”

アメリカの伝統的なダブルライダースをベースに独自の味付けを加えた1着。エポレットとポケットフラップのサンバースト、ベルトのピーナッツフラワーをモチーフとしたThe Oreがオリジナリティを演出。渋鞣しのステアハイドはヴィンテージ加工が施され、ヌメ革を丘染めで仕上げているため、茶芯のヌメ革が深いアメ色へと変化し、奥行きのあるエイジングを実現する。上の写真は約3年着用したエイジングサンプル。32万1200円

外山さんの愛車である’48年HDパンヘッドのリアフェンダーには、The Oreを施したレザーカバーを装備。外山さんならではのドレスアップだ。

ダブルライダースの他にシングルライダースも展開。ホワイトやブラウンのカラバリにも茶芯を出し、見事な仕上がりに。

The Oreは銀粉を密着させるSilverをはじめ、ラピスラズリ、ターコイズなど、鉱石によって様々な自然の色彩を表現できる。

【DATA】
ATSU LEATHER WORKS
東京都渋谷区猿楽町3−1 エムワイ代官山1F
TEL03-6455-1351 13時~20時
https://atsuleatherworks.com/
Instagram@atsu_leather_works

(出典/「Lightning 2024年12月号 Vol.368」)

 

 

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部